マイクロソフト戦記―世界標準の作られ方 (新潮新書)/トム佐藤- ¥756
- Amazon.co.jp
「デファクトスタンダード」
公的な機関によって定められた標準ではなく、市場のコンセンサスを得て標準とみなされるようになった規格や製品のことをこのように呼びます。
現在、PC 用 OS としてデファクトスタンダードの地位を揺るぎないものとしている Windows。
この Windows は一体どのようにしてデファクトスタンダードとなりえたのか。
そして、Windows 以前にデファクト化を目指した MSX はなぜデファクトスタンダードになれなかったのか。
この本では、この 1980 年代後半から 1990 年代前半にかけての 2 つのデファクト化への挑戦を最前線で経験してきた著者が、その経験を通してデファクトスタンダード構築のメカニズムを解き明かしています。
初めて触ったパソコンは、NEC の PC-6001。
初めて買ってもらったパソコンは、PC-8801mkIISR。
大学では PC-9801 シリーズ。
とほぼ NEC 一色だったパソコン黎明期。
MSX の登場も、「MSX? なんでそんなパソコン買うの?」と思っていたらいつの間にか消えていました。
その後、初めて触れた Mac で GUI の操作性に感動したのもつかの間、唐突に Windows 3.1 が現れ、世の中は Windows 一色に。
Windows とともに DOS/V 機が急速に普及すると、かつて隆盛を誇っていた NEC もその他大勢の中に飲み込まれ、Windows 95 の時代ともなると、パソコンは作るものへ...
一個人ユーザーとしてこの時代を振り返ってみるとこんな感じです。
なんとなく作られる時代の流れに乗っているだけで、そこに何の命運もかかっていないのですから、そんなものです。
しかし、最前線ではデファクトスタンダードを巡る壮絶な攻防があったんですね。
と、自分自身のPCの歴史と照らし合わせながら読むと面白い本です。