特定外来生物被害防止法を巡る混乱 | Archive Redo Blog

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DBエンジニアのあれこれ備忘録

特定外来生物被害防止法 へのオオクチバス(ブラックバス)の指定を巡って混乱が生じています。


環境省は1月19日に開かれた特定外来生物バス専門家小グループ第4回会合で、この春にも施行が予定されている特定外来生物被害防止法によって輸入・移動・飼育などが規制される「特定外来生物」にオオクチバス(ブラックバス)を指定することを半年間先送りする方針を固めました。


ところが1月21日になってこれが一転。


小池百合子環境大臣が指定を先送りを認めない考えを明らかにし、再検討を促したのです。



19日に専門家グループが出した決定は、


ブラックバスが在来生物の生態系に被害をもたらす可能性があることは否定できないが、生態系への被害はそれ以外の環境変化による影響などもあり一律にとらえられる物ではない。これ以上の分布の拡大は抑制する必要はあるが、このような状況下で直ちにブラックバスを特定外来生物に指定すると釣り人達の間に混乱が生じるため、もう少し被害の状況や防除についての考え方・方向性を整理した上で指定に持ち込んだ方がいいのではないか。


というような趣旨でだったようです。


会合の議事概要については環境省HP「特定外来生物等の選定について」 で公開されていますが、まぁ、一応専門家(利害関係者?)が揃った議論の中から導き出された結果だからそうおかしな決定でもないように思います。



それが、21日になって大臣の鶴の一声で一転。


「バスは法律の目玉。指定するのが望ましい。」ですって。


どうも19日の専門家グループの決定に対するマスコミ等の批判に大臣が敏感に反応したということのようです。


しかし、目玉って...


大臣、それは単に対象生物の中で最もよく知られていて象徴的な存在だから指定したいってことなんじゃないんですか?


それに釣り関係者の圧力に屈して骨抜きな法律にしかできなかったって批判されたくないんじゃないですか? 


まぁ、そのほうがマスコミや世間に受けがいいでしょうからねぇ...


しかし、大臣。


あなたは一体ブラックバス...というかこの特定外来生物の問題についてどれくらい理解しているのですか?


専門家が集まって議論に議論を重ねて決めたことを一蹴ですか...


大学の先輩として一目置いていたのですが、ちょっと失望いたしました(笑)



しかしまぁ、大臣も大臣ですが、マスコミもマスコミです。


ことあるごとに繰り返されるブラックバス害魚論とバスアングラーバッシング...


朝日新聞日経 なんて社説まで出しちゃうんですから...


まぁ、これらマスコミのバッシングに対してツッコミを入れ出すときりがないのですが、「プログレッシブな日々」 さんがなかなか面白いツッコミを入れてくれているので紹介しておきます^^


でもマスコミはどうしてこう短絡的な論調になるのでしょう?



そりゃ確かにブラックバスは繁殖力も強いし在来生物も食います。


だから(日本の湖沼・河川の生態系に対する)害魚と言われても仕方ありません。


でも生態系が危機に瀕しているのはそれだけが原因でもありません。


同じ外来魚でならブルーギルの方が猛威をふるっているし、人間の営みが多大な影響を与えていたりもするのです。


それにブラックバスが全国に広がってしまったのは一部の釣り人の密放流がすべてのように言われるが、これも解せない話です。


確かにそんな釣り人の存在も否定できないと思います。


このことは同じ釣り人として腹立たしいことですが、ただそれだけでこれだけ広がるのでしょうか?


京都の鴨川にバスが入ったのは琵琶湖疎水を伝ってと言われているように水路などを伝って広がるということもあるし、全国の河川に放流されている琵琶湖産の鮎の種苗にブラックバスやブルーギルが混入するということもあるらしいのですが...


とにかくいろいろ実態が把握できていないことが多く、複雑で難しい問題ということなのです。


なのにマスコミがこんな伝え方をすると、ブラックバスなどどうでもいい一般市民にはブラックバス=悪→バスアングラー=悪というイメージだけが植え付けられます。


それがすべてのように思われてしまうのです。


まぁ、マスコミとしては「一番叩きやすいから叩いておけ。」程度にしか考えてないんでしょうね。


別に一部釣り関係者のようにバス釣りを美化したり過度に正当化したり養護したりするつもりはないですが、こういうマスコミの風潮には危機感を感じます。

(この問題に限った話でないのだが...)



ちなみに私はバス釣りは好きですが、この法律にブラックバスを入れることには別に反対ではありません。


ブラックバスの生息水域がこれだけ拡大しているのはやはり憂慮すべき状況だと思っています。


これ以上の拡大は阻止すべきだと思うし、駆除できるところは駆除すればいいとも思います。


そのために数釣れなくなっても、釣りができる場所が減ってもかまいません。


だからどうぞ特定外来生物に指定してください。


駆除してみてください。


ただ、どうせやるなら、この法律を施行する、オオクチバスをリストに入れる、防除活動などの実績をそれなりに積み、都合のいいデータだけをかき集めてその成果を強調する...それだけで満足しないようにしてもらいたいです。


生態系の保護、生物多様性の保護を考えるのは大いに結構ですが、ならばもっと大きな観点で総合的に考えることを忘れないでほしいものです。


それと今回はこの法律で釣り自体は規制されませんが、そのうち妙な風潮に流されて”特定外来生物だから釣りをすることも禁じる”という意味不明な法律に改正したりするのは勘弁してもらいたいところです^^;


釣れるところで慎ましく楽しませていただければそれでいいですから^^ゞ