書店で、この表紙のチゴユリの絵にふと目がとまり、手に取った本。
A5版168頁のソフトカバーで2600円+税と高く感じたのですが、私の好きな山野草がたくさん載っていて、絵も装丁も美しく、特にどの見開き頁も180°に全開する「コデックス装」という製本が読みやすくてよいなと思い買ってしまいました。
日本の野山に咲く36の花々を綴った梨木香歩さんのエッセイ集なんですが、梨木香歩さんって植物にかなり造詣の深い方なんですね。
まるで植物学者のようにそれぞれの花の特徴を語るかと思えば、その花との出会い、その花の印象、その花にまつわる思い出など、様々な切り口から文章を綴られており、1つの花についてこんなに豊かな文章を紡ぎだせるのかと感嘆しました。
特に花々を人に例える文章は、その花の個性をより生き生きと言い表しており、時にユーモラスで、読んでニンマリしてしまいます。
1つの花につき、絵と文章がそれぞれ見開き2頁ずつ。
36の花々というのは三十六歌仙になぞらえていたりするのでしょうか?
なんとなく、三十六歌仙を題材にした書画(本阿弥光悦と俵屋宗達の「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」など)を連想してしまいましたが、まさしくそういう愉しみ方ができる本なのではないかと思います。
