哲学対話のファシリテーターとして活動する永井玲衣さんの哲学エッセイ。
哲学はハードルが高い。
高名な哲学者の哲学書など読んでみる気にもなれず、そのような哲学を取り上げた本ですら難しくてなかなか読むのに苦労します。
しかし、この本で取り上げている哲学はそのようなガチの哲学ではなく、普段の生活の中でふと現れた問いから、よくわからないものを、よくわからないままに、あーだこーだと考える”手のひらサイズの哲学”です。
とはいえ哲学研究者が哲学を語るわけですから、ある程度身構えて読み始めたのですが、最初のエッセイ、サルトルの本を初めて手に取った時の話で、一気にハードルを下げてくれました。
哲学は学ぶものではなく、するものなんだなあ、それが楽しいんだなあということが伝わってきます。
そして、永井さんの文章は、柔らかくて、優しくて、ユーモアもあり、ちょっと詩的で、読んでいてとても心地がいいんですよね。
ちょっとはまりそう。
