
今年初の紅葉登山は浅間山を見に行こうと思っていたのですが、浅間山に向かう前についでにもう一箇所ということで、先日、ブラタモリで取り上げられていた上高地を久々に訪れてみました。
早朝、平湯のあかんだな駐車場からシャトルバスで上高地へ。
朝の定番スポット、大正池で降りるかどうか迷いましたが、まだガスガスでどれくらい待てば晴れるかよくわからなかったのでいったん上高地バスターミナルまで行き、梓川の左岸を歩いて大正池へ。
すると歩き始めて30分もたたないうちにガスが晴れてきました。

穂高連峰もきれいに見え始めました。
山の朝って一気に晴れるんですよね。
これなら大正池で待っていればよかったかな。

田代池から見る穂高連峰。
今日は雲一つなく最高の天気です。
明神岳、前穂高岳から奥穂高岳を経て西穂高岳へと、稜線がきれいに見えています。

田代池。
カラマツの紅葉はピークまでもう少しというところですかね。

大正池に到着。
立ち枯れした木と焼岳。
今日は焼岳に登るという選択肢もあったかな。

焼岳と水面に映る逆さ焼岳。
晴天の朝ならではの絶景。
左の方にクレーンのアームが見えていますが、なにやら工事をされているようです。
ブラタモリでも解説されていましたが、自然が作り出したこの絶景を人間がメンテナンスして維持しているということなんですね。

穂高連峰もきれいに水鏡に映っています。
大正池の景色は変わらぬ美しさを維持しているようにも見えますが、昔に比べると立ち枯れの木が激減しています。
朝霧に煙る大正池に立ち枯れの木が立ち並ぶ光景は幻想的でしたが、さすがに立ち枯れの木を意図的に立てるわけにもいかないですし、こうした生きている自然を感じられる景観の変化というものも楽しみたいところです。

大正池から引き返し、田代橋を渡って梓川の右岸へ。

この梓川の水の美しさよ。

明治期に上高地の素晴らしさを世界に知らしめたW.ウェストンのレリーフ。
久々に訪れた上高地は、京都並みに外国人観光客が多くて驚きましたが、上高地の現状にはウェストンさんもびっくりでしょう。

カラマツの黄色の紅葉の多い上高地ですが、チラホラと赤く色づく木々も。

定番の撮影スポット、河童橋にやってきました。
いつ見ても素晴らしい景観です。

橋の上から。
正面に見える岳沢が緑から赤へとグラデーションになっていて秋らしい。
上高地のカラマツの紅葉は全体的にはピークまでもう少しというところでしたが、この写真の右手、小梨平のキャンプ場あたりはいい色づきになっていました。

再び、梓川の右岸を明神池方面へ。
ここは人も若干少なくてとても好きなところです。

岳沢湿原と霞沢岳。
穂高連峰とは上高地を挟んで反対側にある少し地味な山ですが、登るとなるとなかなかハードなようです。

見上げればグラデーション紅葉。

穂高神社奥宮にある明神池。

池に突き出した嶺宮遥拝所にはお参り+写真撮影の大行列ができていたためパス。

明神二之池。
嶺宮はここから仰ぎ見る明神岳、前穂高岳のさらに奥、奥穂高岳山頂にあるそうですが、さてはて、私はお参りに行くことはあるのだろうか...

穂高神社奥宮の参道にはW.ウェストンを案内した上條嘉門次のレリーフ。

今日はその前にある嘉門次小屋でお昼にイワナをいただきます。
ここも少し行列していましたが、すみません、ここは待ちます。

岩魚の塩焼き定食。
囲炉裏でじっくりと焼かれたイワナは頭から尻尾まで柔らかく丸ごといけます。
もちろん臭みなどまったくなく、旨味が溢れていて美味です。
マイカー日帰りでなければ、骨酒なども味わってみたい。

イワナを焼いている囲炉裏の間。
煤けた壁や柱にランプの灯り。壁には昔の道具なども飾られていて趣があります。

明神池からは明神橋を渡って、梓川の左岸をバスターミナルまで戻ります。

ブラタモリでも紹介されていた清水川のバイカモ。
上高地では周囲から湧き出た湧水が短い距離で汚れる間もなく梓川の本流に集められるから、水がとてもきれいなのだとか。
今日は5時間ちょっと、15kmほど歩きましたが、3,000m級の山々に挟まれていながら、標高1500mちょっとのほとんど平坦地という奇跡的な地形を歩いたため、累計標高差はわずか100m程度。
最近、山頂を目指さないフラット登山という言葉を聞くようになりましたが、上高地はフラットすぎるフラット登山かもしれませんね。
天候にも恵まれ、とても気持ちのいい上高地散策でした。