1。 外観及び構成品
- メッキ後のバッフィング工程で仕上げたような滑らかな表面ですが、
他のレビュアーの話のようにスクラッチに弱いでしょう。
私も封切りするやいなや保護フィルムを貼りました。
- AET07系イヤピース、ケーブルは最近NICEHCK新商品に提供される
基本ケーブルと類似したビジュアルをお手持ちの銀メッキケーブル。
音響性能の心理的な上昇をもたらすアイテムが豊富ですね。
2。 SPEC
ドライバー構成は1DD+中~中高音域担当のソニーオンBA+高音域担当の
ノールズBAのハイブリッドで携帯などに直結しても駆動に特別な制約は
ありませんでした。
3。 周波数特性テスト (07イヤピース適用)
- レビューアーごとの測定値の差が微々たるもので、AET07イヤピース基準の
サイン波テストでも似たような結果が出ますね。
この機器の場合、従来のターゲット(ハーマン、DFなど)とは方向性が異なる
周波数チューニングが施されているが、なぜこのようなチューニングがされて
いるのか?テスト結果について以下に説明します。
- 音圧の差は10dBspl以内で、音圧基準のバランスは負担がない方で空気感が良い。
4。音の表現力
- 音像(ボーカルの中央焦点) : 良好
- イメージング(定位を含む) : 良好
- サウンドフィールド1(左右のステージ) : 優秀
- サウンドフィールド2(上下の拡張) : やや足りない方
- 分離度(解像度を含む): 優秀
- 残響:適度
5。SeeAudio YUME II はこんなイヤホンです。
1) 久しぶりにきちんとしたBAが採用されたハイブリッドイヤホンを
テストしましたね。
ボーカルの起音区間はSONIONのBA、倍音区間はKNOWLESのBAが駆動する
ような多重ドライバーが採用されていますが、クロスオーバーチューニングが
良い方で違和感はほとんどありません。
2) YUME IIの周波数チューニングはユニークです。 先に周波数特性の部分で
書いたように既存のターゲットとは方向性が全く違います。簡単に結論を下すと
自称 "日本女性ボーカルのターゲット"です。
** 声構の発声構造上、ほとんどの日本女性は起音が高い周波数領域から始まり、
高音域まで伸びない方です。おそらく日本女性ボーカルをたくさん聞いたことの
ある人たちは、いわゆるボーカルの音線が薄いと感じるし、高音域では若干の
もどかしさを感じることがあるはずです。そのため、日本向けに販売されたり
製造されたイヤホンの場合、6K~10K区間に対してややブースティングを
多くさせる傾向があります。
3) YUME IIの場合、上記のように日本の女性ボーカルの特性に影響を及ぼす
周波数区間にオールインしたような特性で、起音~倍音区間を明確にし、
歯擦音を可能な限り抑えながら、6K以上~空気区間に対する適当な
ブースティングで日本女性ボーカルが息苦しく終わらず、すっきりと
仕上げる感じのチューニングが施されています。
4) 良いBA部品(SONIONとKNOWLES)の組み合わせと良好なチューニング
状態によって左右にかなり広いステージを形成し、解像力、高ボリュームでの
高音域の清潔さも申し分ありませんね。
ただし、チューニングの特性上、同一音圧に比べて低音~中低音域帯が
ハーマンターゲット向の機器に比べて不足していることから、上下サウンド
フィールド(いわゆる深さ)は場合によってやや足りないと感じることも。