[HISENIOR] MEGA 5P ULTRA の実戦レビュー | arceloのイヤホンレビュー

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MEGA 5P ULTRAはとてもよくできたIEMなので、特別なレビューをポスティングします。ニコニコ

 

 

■ 1DD+4BA (SONION x2 & KNOWLES x2) の優れたドライバー構成

 

 

 

■ 周波数波形と性能について

 

 

インイヤーターゲットによく合わせたBASS、ボーカルをやや前面に押し出す性向のMID、刺激が少なく楽&安らかなHIGHで好き嫌いが少ないバランスです。左右の偏差に対するマッチングのレベルが非常に高いです。

 

 

 

 

一般的にマルチドライバーの場合、DAC/AMPの特性(OUTPUT IMPEDANCE)によってグラフの変化が多く起こります。 MEGA 5P ULTRAはそのような変化が非常に少ない方です。

 

 

 

 

標準測定音圧である94d BSPLでも非常に低い歪みです。 BAハイブリッドであるにもかかわらず、驚くべき抑制力を持っています。すごい!!

 

 

 

 

 

クロスオーバー、位相、振動抑制、ドライバーの調整のチューニングも非常に正確です。 けちをつける所がありません。

 

 

 

 

雑な共振や振動が発生しないので、明確度が高いです。

 

 

 

 

■ 聴音してみましょう。

 

 

 

- SOURCE : SHANLING H2

- リケーブル : YONGSE MARS 4.4mm

- イヤーピース : SpinFit CP145

- 聴取音圧 : ITU-Rの勧告に準ずる 80dB SPL 1KHz

 

 

 

Part 1.  POP

 

 

◎   Guns N' Roses : November Rain

- アクスル特有のボーカルはMid~Mid Highに主に位置するため、厚さがやや薄い感じがします。 後半のハイノートでのアドリブは十分インパクトがありつつも刺激的ではありません。

- 白眉と言えるスラッシュのギター演奏が面白いです。 ギターは一歩前に出て、すべての楽器はギターを中心に左右と後ろに少し下がりながら主演が誰なのか、助演はどのように主演を引き立てて似合うことができるのかをよく聞かせてくれます。 大編成部分でも演奏音はブレず、はっきりしています。

 

 

◎  Kylie Minogue : Story

- 速いテンポの比較的に小編成曲で、広い音域帯にわたる女性ボーカルが引き続き前方に位置しながらダイナミックな躍動感を与え、序盤の導入部と中間中間に入ってくる極低音と低音の楽器は適当な打撃を与え、抜けながらボーカルを中に包み込みながらしっかりと握ってくれます。 特にボーカルとメイン楽器が位置している中音域帯の透明性はMEGA 5P ULTRAに使われたSONION BAの優秀な出音特性に加え、HISENIORのチューニング実力を十分に味わえる部分ではないかと思われます。

 

 

◎  Eric Carmen : Hungry Eyes

- 男性ボーカルも適度に前に飛び出すように聴かせます。

 

 

◎  Glenn Medeiros & Elsa : Love Always Finds a Reason

-男女デュエットのボーカル。 男ボーカルはアメリカ式発声と音域帯が高い方で、女ボーカルより少し前に位置して量感が多いです。 相対的に女性ボーカルはフランス出身らしくボーカルのエッジが弱いので多少埋もれてしまう感じです。 ソロとデュエットの表現に対する違いがかなりある方です。

 

 

 

Part 2. J-POP

 

 

◎  手嶌葵 : ただいま

- 節制された音域帯に加え、特有の呼吸法を持つ女性ボーカルですが、MEGA 5P ULTRAでは中音域帯の十分な量感のおかげで濃い訴える力を見せ、吐き出す呼吸のハイノートディテールを生かしてくれるので、全般的にボーカルは耳にもう少し近づいて長い余韻を残してくれます。

 

 

◎   X JAPAN : Endless Rain

- イントロのピアノの倍音表現が豊かに始まり、プレイタイムが進むにつれてボーカルと楽器音が増えますが、各楽器の存在感はお互いを侵さずによく調和を成しています。 BASSは中央から強いアタックで始まり、四方に散らばりながら臨場感を与え、ボーカルは指尺ほど楽器より前に出ます。

- いくつかの種類のシンボルとハッツが時々登場しますが、明確な位置と距離ではっきりと良い質感で聞かせ、ドラムをはじめとする中低音域帯の楽器が持つエネルギーの表現は少し強い方です。

 

 

◎  ZARD : Just Believe in Love

- ボーカルの鼻音に対する量感が豊かで、楽器よりかなり前方に位置する方で、BASS区間を除いた楽器は多少後ろに押される感じです。 音域帯がやや狭いボーカルであるにもかかわらず、有効性の高い区間区間のバランスチューニングのおかげで、ボーカルは感性的でありながらも濃い訴えと深みを与えます。

 

 

◎  大黒摩季 : いちばん近くにいてね

- 広い音域帯と澄んできれいな発声に加え、強いエネルギーを持った女性ボーカルが特徴の歌で、MEGA 5P ULTRAの特技を十分に楽しむことができます。 高品質でマスタリングされた音源に加え、各楽器音は上下左右に明確にレイヤリングされて伝わり、定位感も良いです。

- ボーカルはダイナミックな楽器の間でも多少前方に位置し、すべての音域にわたってボーカルのエネルギーが減りません。 そして、素早いDECAY特性とリニアにチューニングされた高音バランスのおかげで、この歌では非常に分析的で多くの情報が伝わる感じを受けることができます。

 

 

 

Part 3. OST & BGM

 

 

◎  The White Whale Chant : In The Heart of The Sea OST 

- 広い音域帯にわたって音を出す楽器が多数編成されている曲で、機器のバランス解像力をテストしてみる時によく選択する音源です。

- 曲が進むにつれて追加される楽器が増えますが、部分的に低いボリュームで登場する楽器があります。 バランスとチューニングの状態に応じて該当楽器の音がマスキングで埋まったり弱い場合があるため、ボリュームを大きく上げなければ聞こえない音をMEGA 5P ULTRAでは大きなボリュームに上げなくてもしっかりと聞かせてくれます。

 

 

◎  Skule Toyama : Hanashite

- シンディを利用した単純なBGM系の曲で、リバーブを含む各種音響エフェクトが多く適用されており、単純化されたリズムを通じてステージの形成特性をテストする時によく選択します。 

 

- MEGA 5P ULTRAのステージは類似のGRADEの機器に比べてFR上のピナゲインと高音を多少抑制させた特性の上、少しは広く形成される方ですが、セミオープンバック構造のIEMや特異なアクスティックスを持つIEMほど広くはありません。

 

 

◎  Leslie Chueng : 當年精(A Better Tomorrow 1986, OST)

- 中語の特有の発声に加え、Leslie Chuengのボーカルは特性上、やや分厚い音線を持っていますが、音域帯が狭くエッジが弱いです。 MEGA 5P ULTRAは前方志向のボーカルと量感を優先させるバランスにチューニングされていますが、ボーカルがやや平面的に感じられます。各楽器はボーカルの左右と後ろに位置しボーカルの弱点であるMid-Highのエッジを高める役割をします。



◎ やなぎなぎ  : Before I rise (Heaven Burns Red Main Theme)

- 音域帯とダイナミックを幅広く使用する多様な楽器の配置に加え、女性のメインボーカルとバックボーカルも高音域帯まで均等に位置しているので、本機器の性能と特性をテストするのに最適な曲の一つです。 複雑で華麗に溢れ出るクライマックスでもボーカルは一歩前に位置し、鮮明さとエッジ感をもとに揺れなく曲をリードし、弾幕シューティングゲームに近い楽器音は各自の存在感を失わずにはっきりと出音されます。

 

 

 

■ 音の表現力

- 音像(ボーカル) : 優秀

- イメージング(定位を含む) : 優秀
- サウンドフィールド1(左右のステージ) : 優秀
- サウンドフィールド2(上下の拡張) : 良好
- 解像力とレイヤリング : 優秀

 

 

 

■  POSITIVE


- 同種/類似のHW構成及び価格帯のIEMに比べ優れたハードウェアチューニング(高音圧でも低い歪みとインピーダンス カーブの安定性)

- 音の主役と脇役をはっきり分けてくれるが、脇役も十分生かしてくれるボーカルマシンとしての完成度

- 老若男女を問わず好まれる基本バランスをもとに、部分的にアクセントが加わった技巧は聞く楽しさのUP

- BAドライバーの硬質性がほとんど感じられない滑らかな質感に加えたウーファーDDドライバーのニュートラルな存在感





■   NEGATIVE

- 好みにより、 少し物足りなく感じることもある超高音の量感と空気感