カラーブックスの「高野山」 | MODELと日々の徒然と

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 久しぶりにカラーブックスネタから

 今回紹介するのは過日の大量入手した古本カラーブックスのひとつ「高野山」(佐和 隆研・田村 隆照 共著)
 カラーブックスにはまっていた頃のかつてのわたしだったら、手を出していない題材のひとつ(笑)
 いや、今だってこういう機会でもなければ手に取って読む事もなかったかもしれません。

 何しろ本書を読むまでわたしにとって「高野山」で真っ先にイメージしていたのが「南海のこうや号」という位ですから(汗)

 ですが、寝る前の枕頭の読書で手に取ってみるとこれはこれでなかなか安らげる内容と思います。

 内容は写真を交えた高野山の観光ガイドブック的なもので、南海の駅から大門を経て奥の院に至るまでに立ち並ぶ伽藍や施設、或いはその収蔵物を俯瞰で紹介したものです。
 今どきの観光ガイドに比べるとボリュームや突込みの点で物足りなく感じる向きもあるかもしれませんが、本書の初版は昭和38年。

 高野山を登りきる有料道路が開通し、南海電車と併せて観光の対象としての高野山が認識され始めたタイミングでの出版です。
 ですから、内容もある程度総花的になるのも当然でしょうしあの頃ならむしろこれで十分だったのではないでしょうか。
 むしろ高野山の全体像をコンパクトな文庫サイズの納めているという点では、ずっと後でも役立ったと思われます。

 というのも、本書の表紙に「弘法大師 入定1150年」のステッカーが貼ってありますが、これを西暦に直すと1985年。
 事実本書も1984年に重版されたものです。
 最初、本書を読んでみると伽藍や宿坊などの写真に写っているクルマたちがむやみに古いのに違和感を感じたのですが、初版が22年前の物だったと知って納得しました(笑)

 ですが寺院をはじめとする施設の外見はおそらくあの頃と大差ないと思われるので、その意味では古さを感じないと言いますか、時代を超えた落ち着きを感じさせます。
 それゆえに枕頭の一書としては(わたし的に)とても安らげる一冊になっています。