先日入庫のホットウィールから
「Car Culture」シリーズの一作 フィアット131アバルトをば。
1980年代初頭のセダン系のデザインは一部を除いてまるで折り紙で作った様な角ばりペキぺキの直線基調が主流でした。
日本車でも70カローラとかT12系オースターとかその流れに連なるデザインのものが多かったのですが、一歩間違うと「弁当箱二つ重ねて色を塗った様な」面白味も人情味も欠ける様な不愛想なものになりがちで、実際身をもってそれを体現したような車も多かったと思います(特に名は出しませんが)
ですがデザインの本場だけあって、当時のイタリア車の中にはこの上ないくらいにペキペキなデザインなのに異様な位カッコいいクルマもありまして、今回紹介するフィアット131なんかはその典型だと思います。
おそらく当時のセダンでも一二を争うであろう直線基調のデザイン、しかも車高はマークⅡ系HTとは真逆な高さを誇り、カッコいいクルマの代名詞だった「ロングノーズ」「ショートデッキ」にもことごとく逆行するという、あの頃のクルマとしてはおよそカッコ良く見える要素が殆どないセダン。
それなのに紙一重の差で他車のどれよりもスポーツセダンを主張するかのようなカッコよさを身にまとった131アバルトの存在は(少なくともわたしには)奇跡にすら見えます(笑)
さすがにワイド感では見劣り(および高速安定性が低そうな印象)すると思ったのか、これまた異様なほど幅広のオーバーフェンダーを後付けし、ワイドトレッドにワイドタイヤを履かせて凄みを増しています。
131アバルトは以前トミカの外国車シリーズでも出ていたと記憶していますが、今回のホットウィール仕様はトミカよりも傾奇感が強い造形で、実車のイメージをほどよくディフォルメして見せています。
気になる点としてはヘッドライトやテールランプを印刷で表現したためフロントエンドが妙に平板になってしまったところ。
円安の影響か、トミカプレミアムとほぼ同額のミニカーとしては幾分お寒い感じがします(実はこれは今回のシリーズに共通した弱点になっている感がありますが)