わたしの亡父はわたしが物心ついた時からのジャイアンツファンでして、夏場ともなると毎夜毎夜テレビのチャンネル権はすべてナイターで埋まり、なおかつテレビが終わると試合終了頃まで枕元のAMラジオをつけっ放しというライフスタイルでした。
これは当時の親類やなんかでも同じでして夏場に来客があったり、お盆の宴会なんかでナイター中継でもあろうものなら、即席の観戦会状態と化したものです。
そこへ行くと息子のわたしなんぞはそもそもプロ野球そのものに縁も興味もなく、ナイター中継もまるで「夏場の空気か何か」といった程度の認識しかありません(笑)
プロ野球関連でわたしに引っかかるフックといえば精々「プロ球団の親会社の私鉄」くらいなものでしたが、実際、わたしの子供の頃は近鉄、西鉄、南海、阪急と鉄道自体に縁がなくても「野球をやっている私鉄」という認識で辛うじて興味をつないでいる状態でした。
(私が生まれる前だったらそれこそ「国鉄スワローズ」というのがありましたが)
今ではこれらの私鉄も続々野球経営から手を引き、今でも残っているのは西武と阪神だけになっている訳ですが、今年はその阪神が18年ぶりのリーグ優勝という事で、地元での盛り上がりが想像されます。
阪神ファンと言うとわたしの学生時代、東北の研修先での知り合いの中にひとりで大阪から来ていた実習生がおりましたが、彼が風呂に入ると決まって「六甲おろし」を唸るくらいのファンでして、たまにテレビで阪神戦が掛かるとテレビの前からてこでも動かないほどの熱心さでした。
なにしろその年と言うのが阪神が初の日本一になった1985年だったもんですから、優勝決定の時の彼はまさに「一人祝勝会状態」
周囲の学生の大半が巨人ファンだった(爆笑)中で、野球そのものに興味のなかったわたしを含む2,3人が彼の祝勝杯に付き合ったのが思い出されます(笑)
まあそれはそれとして、
わたし個人は阪神の電車、それも昭和の頃のそれは華やかさこそ他に比べて薄いものの、それだけに通勤用途に徹したような仕事師的な雰囲気がなんとなく好みでした。
いわゆる「赤胴」「青胴」のボディカラーもそうした好みにはぴったりだったのですが、昭和の頃は阪神の電車自体がなかなかNゲージにならず(まあ、あの頃は大概の私鉄がキット形式中心でしたが)趣味の第一期では興味はあっても入線がなかったものです。
趣味の再開直後、当時出たての鉄道コレクションで阪神の電車がモデル化された時はその時の恨みを晴らすかのように喜び勇んで入線させたものです(1両しかなかったのに)
その後、鉄コレでは事業者限定モデルを中心に阪神車がいくつかモデル化され、中には東京の中古屋に並ぶ物もちらほら現れましたから、手ごろなものから徐々に増備してきたという経緯があります。
という訳で今回は今年の阪神優勝に便乗して、久しぶりの自宅運転会をやらかしました。
手持ちでは5201系の4連「青胴車」といわゆる「ジェットシルバー」車の組み合わせ、及び鉄コレ第5弾の「赤胴車」3303に3501を組み合わせた編成、聊かクラシカルですが、ゴジラと同い年に新製された3011の3連。
中でも3011はモノコックボディに妻面の曲面ガラスが個性的で好きな電車です。
実はこれとは別に3500を二扉化した仕様の琴電車(赤胴に近いトーンの琴電塗装)も在籍しているのですが、追加入線にこれを「前のオーナーが青胴化させたらしい」仕様があり、こちらもトータルで数両在籍しています。
中間扉を埋めても不自然に見えず、却って伸びやかさを感じさせるのが面白いです。
今回はこれらを久しぶりにとっかえひっかえして走らせましたが、走らせているうちに何だか妙に盛り上がった気分になってきたのは優勝効果なのでしょうか?
39年前の彼と同様に、わたしも「ひとり運転会」だったのに(爆笑)