代車のクラウンアスリートのはなし | MODELと日々の徒然と

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 先日、諸般の理由でエスクァイアをディーラー送りしなければならなくなり、例によってその際に代車が都合されてきました。
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 昨年暮れの車検の際には「旧型のミラバン」が来て、その割切りの良さと走りの活発さに大いに驚き且つ楽しませてくれたのですが、今回の代車はある意味ミラバン(或いはS660)とは対照的なクルマが来てまた驚かされています。
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 やってきたクルマというのがS210系のクラウン。それもアスリートだったのです。
 実は210系のクラウンは登場直後の一時期、エスティマハイブリッドの後継として購入を検討した事があり歴代クラウンの中では気にはなっていた存在でした。
 今回はディーラーの試乗ではなく、代車として一時的にしろ足代わりに使える訳なので普段使いに近い乗り方ができます。

 当時狙っていたのは同じアスリートでも4気筒ターボの仕様だったのですが、今回のアスリートはHV仕様でした。
 まあ、HVでも一応220PSは出る様なので動力性能面で不満はないと思います。
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 ドアを開けてシートに滑り込むと勝手にステアリングホイールが下がり、各種ディスプレイが音声やメロディでお出迎えしてくれるところは前に代車で乗った200系クラウンと同様ですが、ハイテク感はこちらの方がはるかに強くまるでエアウルフにでも乗り込んだような錯覚をw

 さっそくS660でもお世話になっている峠道に持ち込んで走ってみましたが、流石に「アスリート」を名乗っているだけあって前の200系よりは「クルマを運転している」感はあります。HVとはいえアクセルレスポンスはそこそこで馬力相応の加速もやってくれます。
 ステアリングフィールもクラウンとしては手応えのある感じて、急転舵で腰砕けになる様な事はありません。

 唯一違和感があったのが回生を効かせ過ぎたような印象のブレーキフィール。おなじHVのエスティマやエスクァイアに比べてやや違和感の方が勝ってしまっている感じで強力そうではあるものの、やや頼りなげなフィールを残します。
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 が、今回クラウンで一番感心したのはスーパーでの車庫入れや裏路地を走った時です。小回りの利くFRで意外に車体感覚がつかみやすくバックでの車庫入れにまごつくところが少なかったのは意外でした(同じスペックは200系でもそうなのですが、あちらは外界との隔離感が強く小技を効かせるにはためらいを感じさせられましたから)
 この辺は「日本の道を走るために農道の幅まで計って車体幅を決めた」とすら言われる「日本で使う事に特化したセダン」の真骨頂と思います。
 (今のクラウンはどうだろう?)

 全体としては前の代車の200系よりも進化は感じられる210アスリートでしたが、やっぱり「クラウン的ならくちん感」も依然として残されていて面白みに欠ける部分も大きい気がしました。
 同じ道はS660はもとよりエスクァイアやヴィッツ、アリオンなんかでよく走る(或いは走っていた)のですが前回紹介した代車のミラバンの方が痛快感でははるかに上回ります。馬力が低く装備は貧弱の極致だったにも拘らず、外界との隔絶感がなく低馬力のエンジンでも元気よく回ってくれたミラの方がはるかに楽しかったのです。

 今回のアスリートはクラウンとしての走りの進化は感じましたが、基本的に「クルマや運転に興味のない人を満足させるためのセダン」の様な気がします。期待しなければ期待を遥かに上回る満足感は提供してくれますから(専ら装備やスタイル、高速道路でかっ飛ばせる動力性能、意外に取り回しが良いなど)

 そう思うとグローバルカーを目指しSUV化してまで旧来の路線を修正してきた現行のクラウンがどの様な物になっているのかはやや気になるところです。