冬の夜に山のミステリを読む | MODELと日々の徒然と

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鉄道模型・ミニカーと日常のそのほか

 冬至を挟んでまだまだ夜が長く、しかも冷え込みもきつくなる日々。
 こういう時は早めに布団に入り本でも読んでいるのが似合う様に思います。

 ここ2,3年、真冬の張りつめた、音ひとつしない静かな夜によく読むのが山岳関係の本。
 それも呑気な山登りというよりは山岳遭難に関するものとか、山にまつわる怪奇・ミステリなんかの本が多いです。
20221204SE (23)
 実際冬の山は遭難が多く、山にまつわる怪談も冬の山小屋などにまつわるものがよく聞かれます。
 故郷に居たときは現住地以上に山の中で、寒さも半端なかったですから、この種の本を読むのが文字通り洒落にならなかった(特に雪の積もった夜はそうでないときに比べて同じ道でも雰囲気が大きく変わるので一種の異世界感もまた強かったのです)ものです。
 何しろ夜中にちょっとした用足しで外出するのでさえ、常に身体に染み入ってくる寒さや、道端のちょっとした物陰に何が潜んでいるかわからない怖さというものと隣り合わせの感覚といっしょでしたから。
 この点、スキーやキャンプなどで観光や娯楽として山に親しんでいる方々とは幾分異なる山へのイメージが染みついているのかもしれません。

 雪が降らなくても冷たい吹きおろしが吹き荒れて居たり、風のない時には逆にどこまでも無音の空気の時でも真冬特有の張りつめた感じがhだに突き刺さります(と同時にこたつや布団の温もりの有難さも全身で感じるのですが)

 ただ住んでいるだけでもそうなのに、まして冬山の登山とか山籠もりというのはどこまでも過酷、かつ孤立感と戦うというイメージが強く、そうした環境下でわずかな油断から夏山ではあり得ない様な遭難に至る事への怖さを感じますし、あるいは夏山よりも超常的な現象に遭遇しやすい(勿論幻覚というのもあるのでしょうが)気もします。
 今読んでいる本などはまさにそうした冬の山の持つ独特な怖さと神秘性を強く感じさせるものばかりです。

 故郷ほどではなくても、そこそこ田舎の環境でそこそこ寒い冬の夜にこうした本を紐解くのは、一種の寂寥感と同時に故郷の冬という環境の過酷さをも思い起こす意味もあるのかもしれません。

 ある意味これも季節の風物の様なものでしょうか。