アメリカ東部ロードアイランド州ニューポート。この小さな海辺の町の大学に赴任してきた哲学教授のエイブは、“人生は無意味である”との哲学的答えに至ってしまい、すべてのことに無気力となってしまっていた。ところが、そんな悩める中年男に、教え子の優等生ジルは興味津々。さらに夫婦生活に問題を抱える同僚リタからも猛アプローチを受けるが、彼の心は沈んだまま。そんなある日、ジルと立ち寄ったダイナーで悪徳判事の噂を耳にするエイブ。その時、彼の脳裏にある完全犯罪への挑戦という企てがひらめく。以来、生きる意味が見つかったことで、見違えるように気力を取り戻したエイブ。その急変ぶりに戸惑いつつも、ますます彼の虜になっていくジルだったが…。
こちらは2015年制作の アメリカ 映画になります
作品を観終わってから、日本のオリジナルタイトル「教授のおかしな妄想殺人」とい
う作品名に、かなり違和感を感じてしまった私なのでありますが、(予告編もです
が)ちょいと洒落たコメディ映画と思って観ると、ガッカリしてしまうかも知れませ
ん
確かに原題をそのまま訳すと、「不合理な男」という感じになってしまいますから仕
方がないのでしょうが、配給会社の、苦肉の作だったのが否めません 何せ監督がウ
ディ・ アレン でありまして、トータル ブラックなコメディではあるのですが、、
人生に失望し、やっとこさ生きているような、主人公の哲学の大学教授 エイブ が新た
に赴任してきた大学で、同僚の 人妻 リタ に言い寄られ、 ジル という女子学生にも
グイグイ来られるのですが、エイブ はそんな事には無関心、むしろ 死 について考え
ているような生活を送っていたのですが、ジル に誘われ訪れたダイナーで、後ろの席
の会話を聞くのです
その会話は、「悪徳判事によって、子供の親権が奪われてしまいそうだ」という内容
でした。それを耳にした エイブ は、その判事を自分の手で抹殺しようと考え始めるの
でありました。その日から エイブ はついに生きる目的を見つけ、今までの生活とはま
るで別人のように、生き生きとした人間になり、完全犯罪を計画していくのでありま
す その生きがいを見つけた事により ジル とも親密になって行く エイブ そしてつ
いに完全犯罪を成功させるのでありますが、、、
エイブ を ホアキン・フェニックス ジル を エマ・ストーン が演じています 特にこ
の人生に意味を見いだせなくなった男を ホアキン・フェニックス が巧みに演じていま
す エマ・ストーン 演じる ジル という女性ですが、ちょっと苦手なタイプのキャラ
でありました 彼がいるのに、エイブ に走ったり、いざとなったら正義を振りかざし
エイブ を追い込んだり、エイブ がダメになると、元カレに鞍替えしたり、、ある意味
一番の悪でありました
ただ、本当の意味で最後は エイブ を救ってあげたのかも知れないのですがね、、、
脚本は ウディ・アレン が書いている訳ですから、彼の思考や、哲学、人生観が、セリ
フや行間からにじみ出て来るのであります 80歳を越えてまだ、変わらぬスタンス
も見事です。
通常の作風よりは、少しシビアな作品になっておりますが、正に「罪と罰」に陥った
悲しい男のお話であります、この3人に興味のある方は、ご覧になってみてはいかが
でしょうか
では、また次回ですよ~!