実家にひきこもり、自堕落な毎日を送る３２歳の一子。ある日、離婚して子連れで出戻ってきた妹と衝突して家を飛び出し、一人暮らしをするハメに。仕方なく、100円ショップで深夜のバイトを始めた一子は、そこで同じように社会からこぼれ落ちた不器用な人間たちと出会っていく。そんな中、近所のボクシングジムでストイックに練習を続ける引退間近の中年ボクサー・狩野と付き合い始めた一子は、やがて自分もボクシングのトレーニングを始めるようになるのだったが、、。
こちらは２０１４年制作の 日本映画 
です。（１１３分）
第３９回日本アカデミー賞で、最優秀主演女優賞 と 最優秀脚本賞を受賞 して、この
年のアカデミー外国語映画賞に日本代表作品として選出された作品です 
以前から観ようと思っていた作品だったのですが、タイミングを外していてお預
けにしていた本作でしたが、諸々あっての機会での、レンタルとなりました、、。
ザックリと言ってしまえば、女性版 「ロッキー」。はたまたは、 「ミリオンダラー・
ベイビー」 といった面を持ち合わせている作品でありますが、ボクシング映画では無
く、生きる目的を見失っていた、３２歳の女性 一子 が、偶然出会った一つの 「打ち
込めるもの」 であって、それも偶然と、何となく、、、といったものです。
３２歳にして実家に引きこもり状態の主人公。 妹が出戻って来たことから居づらく
なり、初めての一人暮らし。 
いつも利用していた￥１００コンビニ で仕事を
始めます。 そこで出会う様々なクセのある人々。 長時間労働で鬱になった人。
べらべらと無駄話を喋りつづけるバツイチオヤジ。 店をクビになったにも関わら
ず、廃棄処分の弁当を横取りしに来るオバちゃん。 ある種社会の底辺でもがいてい
る人達。 傍から見れば 一子 もかなり変わったキャラクターです。
無表情で髪はボサボサ。人との会話は苦手で常に怯えたような挙動。（ 個人的に共感
出来てしまう私でした ） この一子という不思議キャラを生みだした 安藤サクラ 主演
賞も納得の演技です。 ボクシングをやっていた男と知り合い、多分初めての恋 
しかしほかの女に横恋慕（ 中島みゆき感 ）され、その怒りの矛先をボクシングに打ち
込む事になるのであります。
ある種、不純な衝動でもありますが、徐々に不純さは消えて純粋にボクシングにのめ
り込んでいき、試合をしたいが為にテストを受け、ようやく試合に出場する一子。
彼女がやりたかった事は勝敗よりも、以前彼氏の試合で見た試合後に互いに称え合う
姿だったのでありました、、。 
主人公 一子 の前半のキャラと、男と付き合うようになるきっかけの動物園デートでの
戸惑いを隠せない演技。 そして、ボクシングを始め、どんどんと表情も性格も変化
していく彼女の内面を見事に演じております。 かなりの練習を要したであろう シャ
ドウボクシングのキレも素晴らしく、格闘技をよく見る私が見ても、試合自体もかな
り リアルな動きを見せてくれています。 
一子と付き合う男を 新井 浩文 が演じており、 
一子に負けない位の、掴みど
ころの無い不思議キャラを演じております。 コンビニに集う人々や、ボクシングジ
ムの人達もそれぞれ好演されていて独特の空気感を醸し出しています。 オープニン
グタイトルや音楽にも凝った映画となっています。 
基本的に本作は女性の自立、生きがい、生きる力を見い出していく人間への応援歌の
ような作品です。 
男性女性を別にして。共感出来る内容ではないでしょうか 
特にどこか疎外感を感じている 私のような方 にはお薦めですので、この機会にでも
ご覧になってみてはいかがでせうか、です。 
では、また次回ですよ～！ 
舞台あいさつの模様です。 よろしければご覧下さいませませ。 
