エルサレムの老人ホームで妻のレバーナと一緒に暮らすヨヘスケル。彼の趣味は発明。みんなの生活が少しでも楽になればと、日々ユニークな発明に精を出していた。そんなある日、末期の病気で望まぬ延命治療に苦しむ友人マックスから、楽にさせて欲しいと苦しまずに死ねる装置の発明を所望される。レバーナは猛反対するが、親友の切なる願いを叶えるべく、同じホームの仲間たちの協力も得て、自らスイッチを押して静かに最期を迎えられる安楽死装置を発明する。ところが、秘密にしていたはずのその発明は、瞬く間にホーム中に評判が広まり、、、
 
 
 
 
 
こちらは2014年制作の イスラエル の映画になります  カチンコ
 
前回同様、老人が主役の作品になるのですが、こちらの方が、テーマが重い分、コメ
 
ディの要素が盛り込まれております
 
 
 
 
日本に比べれば、かなり裕福な感じの、老人ホームの中のお話なのですが、ヘンテコ
 
な機械を作るのが好きな老人 ヨヘスケル と、妻の レバーナ  その夫婦の友人から、ガ
 
ンの延命治療で、何年も苦しんでいる夫 マックス を、楽にしてあげたいと、相談を持
 
ちかけられる所からお話が始まります。最初は拒むのですが、マックスの、あまりに
 
痛々しい姿と、その妻の心労を見る  ヨヘスケルは、レバーナの反対を押し切り、決意
 
するのでした
 
 
 
 
元獣医師という、ホーム仲間と共に、自らスイッチを押せば、薬が注入され、安楽死
 
出来る装置を作り、ホームビデオが回る前で、愛する妻に看取られながら、マックス
 
はスイッチを押すのでした ベル 秘密であったその行為が、何処からか漏れ、他の、
 
同じような立場の人間からも、頼まれるようになってしまうのです そんなある日、
 
妻のレバーナの認知度が急速に酷くなって来てしまい、レバーナ自らまでも、、、
 
 
 
 
イスラエルという国の宗教は、ユダヤ教が大多数であり、このような問題をどう捉え
 
ているのか?と、疑問だったのですが、意外と日本に近い感触があるようです
 
神様は信じているけれど、宗教的な細かな部分は、あまり気にしていないようでし
 
て、信仰の深い人との温度差が、かなり日本的なようです
 
 
 
 
何故そこに疑問を感じたのかというと、この作品は 「尊厳死」 「自殺」 という重い
 
テーマを描いた物で、私個人の感触からいえば、多分どの宗教も、自殺を許してはい
 
ないはずです。 つまり、 「死」 を、自ら選んでいいものなのか?という問題です  
 
 

 
 
決して、医療や延命治療を否定している映画ではないのですが、死を迎えるまで、ベ
 
ッドでチューブと機械に縛られ、激痛と不安の毎日の中で、自分の 「命」 の選択を、
 
自分で選ぶことが出来ない事の苦痛と、どう向き合えばいいのか? その本人も、家
 
族も、、、自分の意思でなく、家族の意思で生かされなければならない自分の命とは
 
そして、ガンだけでなく、認知症だと、自分で認識したとしたら、、、  もやもや
 
 
 
 
これについては、100人いれば100人の意見がある問題だと思うので、永遠の問
 
いでありますが、そんな問題を、時にユーモアを交えて考えさせられる作品になって
 
います。タイトルと、予告は明るい物になっていますが、映画の根底には、誰にでも
 
起こる、深いテーマを含んだ作品となっております
 
 
 
 
ただ、映画の中の老人は、誰かしらに看取られ、別れを惜しんでくれる人がいるので
 
すが、現実の私等は、こんな風に別れを惜しんでくれる人、看取ってくれる人が、居
 
ない、映画の中の人達は、それでもまだ、幸せなのかもしれません。このままだと私
 
は、孤独死、、、   えーん
 
皆、「きっと明日は何か良い事が訪れるはず!」、、と、希望を持って生きていかな
 
ければいけないのですね、、、「きっと明日こそ!」と
 
では、また次回ですよ~! バイバイ