町工場を経営する川瀬の一人息子・武志が不良少年に刺されて死んだ。少年にさしたる動機はなく、誰でもいいから人を殺したくて犯行に及んだという。一時は怒りと悲しみに憔悴しきる川瀬ではあったが、やがて一念発起して被害者遺族の保証制度を国に訴えかけていく、、。
こちらは1979年公開の松竹映画であります
たまに日本映画を観たくなるのですが、なかなか興味のある作品が置いておらず、最
近の作品も観ねば、と思うのですが、三池 崇史作品や、堤幸彦作品のようなものばか
りで観る気もせず、ついつい古い作品を借りてしまう私なのですが、、、(偏見の塊
ですな~)
今作は公開当時を憶えておりまして、未見だったのですが、良い機会かと思い借りて
みました 監督は、 木下恵介なのですが、有名なわりに、わたくしこの監督さんの作
品、1本も観ておりませんでした! 「二十四の瞳」すら観てなかったのでした!
結構多ジャンルを手掛けていらっしゃるようでして、今作は社会派とでもいうのでし
ょうか?てっきり息子を殺されての裁判劇かと思っていたのですが、それは半分まで
で、メインは残された老夫婦が日本の被害者に対する法律に疑問を持ち、被害者の法
的補償の改善を国に訴える為、同じような被害にあった人々を自分の足で回り、被害
者同志団結して運動を起こしていくというお話でありました
こちらは実話でありまして、多少の改編、脚色はあるものの、実際に行われた事のよ
うです まぁ主演の若山富三郎が、しょぼくれた父親を好演しておりまして、まるで
「悪魔の手毬唄」の磯川警部のような哀愁漂うお姿であります 息子が殺され、ショ
ックでお通夜にもかかわらず寝込む父親、対照的に慰問客に気丈に挨拶する母親、男
ってやつはなんとか弱いモノか、、、
通夜も終わりひと段落すると、緊張の糸が切れたように涙があふれ泣き崩れる母親、
この姿を見て、やっと父親は夫婦で乗り越えなければならない事に気づくのです
この夫婦の活動と、この映画によって、現在の犯罪被害者給付金制度の成立に貢献し
たそうです
しかしこの映画、昭和世代にはたまらない出演者が目白押しで、男優は 加藤剛、藤田
まこと、尾藤イサオ、近藤正臣、田中健、高岡健二、田村高廣、他 女優は、高峰秀
子、吉永小百合、大竹しのぶ、中村玉緒、そして我らの 野村昭子!他ともろもろ豪華
でございます (ノ^^)八(^^ )ノ
息子を殺してしまう俳優さん、何処かで見た事あると思ったら、「金八先生、第2シ
ーズン」で、加藤勝と放送室に閉じこもった生徒の一人でした!(観れば絶対にわか
る顔であります)しかし、つい最近もこのような理由も無く行われる殺人があったば
かりで、被害者の方が増えるばかりの世の中で悲しみは癒えません、、。
時にこのような映画でもご覧になって、考えてみるのも良いかも知れませんです
では、また次回ですよ~!