旅行記の執筆のためアメリカを放浪していたドイツ人作家フィリップが、帰国のため立ち寄った空港で幼い少女アリスとその母に出会う。ひょんな事から少女をアムステルダムまで連れて行くこととなったフィリップ。しかし待ち合わせたアムステルダムに母の姿はなく、彼は少女の記憶を頼りに祖母の家を探す旅に出ることとなる……。 
 

 

 

 

 

 

こちらは1973年制作の西ドイツ映画になります

西ドイツ映画、となっている事自体、時代を感じてしまいますが、、、監督さんは

 

シネフィル好みのヴィム・ヴェンダース 監督さんであります(私は数本観ている程度

 

です)

 

 



有名な作品には、「ベルリン天使の詩」や「パリ、テキサス」があります こちらは

 

大変好きな作品ですす (〃∇〃) 今作はだいぶ前に観ていて、まったりとした印象だ

 

けが残っていて、あまり覚えていなかったもので、良い機会だから観返してみようと

 

思ったのでありました。

 

 



お話自体は、さほど変わった内容ではなく、ドイツ人の旅行ライターが、アメリカか

 

ら帰国しようと空港へ向かった所、ドイツの空港でストが起こり真っ直ぐ帰れない状

 

態になってしまいます 同じようにドイツに帰れない母娘と出会い、同じホテルの部

 

屋に泊まることになるのですが、母親が置手紙を置いて、姿が見えなくなってしまい

 

ます

 

 

 


困った男は、少女のアリスを連れて、待ち合わせのアムステルダムへ向かうのです

 

が、母親はいっこうに来る気配はなく、アリスの記憶を頼りに彼女の御婆さんの家を

 

探す旅が始まるのです

 

 



この映画はモノクロで撮られています、それもかなり粒子が粗めです、ですがそれが

 

逆に映画的であります つまり 「写真の連続」 を嫌がおうにも感じるのです そして

 

構図がとても美しいのです ヴェンダースは日本の 小津安二郎 の大ファンというのは

 

有名ですが、この作品でも、その影響 (というか、意図的でしょうが) が見られます

構図であったり、シーンとシーンのつなぎを、黒でつなげたりとかです

 

 



前半30分は確かに、やや退屈にも感じますが、アリスに出会ってからは、画面と、

 

物語が生き生きとしてきます また彼女、9歳という事ですが可愛いのであります


それでいて大人っぽかったり、時に子供で、母親に捨てられたのではないか?という

 

自分の立場を繊細に演じております

 

 



主人公のフィリップが、なんとも映画的華やかさがない分、良いバランスであります

ヴェンダースの映画の半分は、「旅」をする作品で、今作も「旅」が大きな役割を果

 

しているのですが、フィリップはアリスとの旅で、「生」の喜びや実感を、アリスは

 

優しさや、信頼のような物を見つけたように感じました

 

 



「あぁ、、こんな旅がしたい、、」  放浪でもいいから、、と、思うのでありました

実際には出来ないのでしょうが、そんな気分にさせられる 「映画」 という世界にま

 

た、ちょこっとお出かけしてみてはいかがでしょうか?

では、また次回ですよ~! バイバイ

 

 

 

 

 

 


 

「ベルリン~」の続編のテーマ曲 U2が天使になっております キラキラ