カナダ、ケベック州モントリオール郊外。作家のトーマスは仕事がうまくいかず、一緒に暮らす恋人サラとの関係がぎくしゃくしていた。ある大雪の日、車を運転していたトーマスが目の前に飛び出してきた何かに慌てて急ブレーキをかけると、そこには虚ろに座り込む1人の少年がいた。少年の無事を確認し胸をなでおろしたトーマスが少年を自宅まで送ると、母ケイトは息子の姿を見て何故か半狂乱になってしまう。そしてこの事故が、トーマスと恋人サラ、編集者のアン、少年の母ケイトの人生を大きく狂わせていく。

 

 

 

 

 

 

こちらは2015年制作の ドイツ、カナダ、スウェーデン、ノルウェーの合作映画に

 

なります カチンコ 監督は ヴィム・ヴェンダース つばさ で、製作を様々な国の監督と組む ジ

 

ェレミー・トーマス が担当した ヒューマンドラマ であります

 

 

 

 

交通事故によって、他人の子供の命を奪ってしまった 作家の トーマス と シングルマ

 

ザーで二人の子供の一人を失ってしまった ケイト  トーマス と同棲している サラ こ

 

の人間の、それからの人生を、トーマス を中心に丁寧な心理描写で、静かに描いて行

 

きます 本

 

 

 

 

ヴェンダース の作品の多くは、いわゆる ロードムービー の手法によって、多くの主

 

人公が旅する事によって、新たな 物 を見い出すドラマが多く、「旅」 そのものがテ

 

ーマだったりするのですが、今作においては 物理的な旅ではなく、「時間と心の旅」 

 

がメインのテーマとなっています 避けられなかった事故とはいえ、子供の命を奪っ

 

てしまったという自己嫌悪によって長い間苦しむ事になる トーマス 

 

 

 

 

失った子供の悲しみを抱きつつ、残された子供と歳月をかけ乗り越えようとする ケイ

 

ト そして、かなりの年月が経ち青年になった ケイト の息子、その彼から 「会いた

 

い」 と手紙をもらう トーマス 長い長い時間の旅を経て、それぞれの生きる場所を見

 

つけて行く事になる登場人物達、、、 そして未来 時計

 

 

 

 

映画とは不思議なモノで、鑑賞した時の自分の気分や体調、精神状態 等によって作品

 

に対する感じ方が大きく変わったりするものです 今回はそれを大きく感じたのです

 

が、この映画はかなりテンポとしてはゆっくりとしています しかしであります、こ

 

の作品を退屈には感じなかったのでした むしろ そのゆったりに、心地よさ すら感じ

 

るのでした

 

 

 

 

以前ご紹介した 「フェンス」 の方が、テンポもストーリー運びも早いはずなのです

 

が、少々退屈に感じてしまったのです この作品に限った事ではなく、たまにあるの

 

です 何故か、それは多分 監督の 心音 ドキドキ と私の 心音 ドキドキ がピタッと合う場合がある

 

からではないかと思うのでした 人それぞれあると思いますが、そんな作品に出会う

 

とちょっと嬉しく思ってしまう私なのでありました スマイル

 

 

 

 

今作の出演者は ジェームズ・フランコ 「127時間」 シャルロット・ゲンズブール 

 

「ニンフォマニアック」 マリ・ジョゼクローズ 「みなさん さようなら」 レイチェ

 

ル・マクアダムス 「スポットライト」 という多国籍な俳優さん揃いです 特に主演

 

のジェームズ・フランコ は年齢なりの色気が出て来て良い味が出ておりました 観る

 

方によっては退屈に感じてしまうかもしれない作品ですが ヴェンダース の新境地と、

 

俳優陣の見事なアンサンブルを、この機会にご覧になってみてはいかがでしょうか はてなマーク

 

では、また次回ですよ~!