単なる刺殺事件と思われた背後に、一人の青年を愛してしまった姉妹の激しい葛藤が渦巻いていたさまを裁判の過程で浮き上がらせていく骨太の人間ドラマ。神奈川県の相模川沿いにある土田町の山林で、若い女性の刺殺死体が発見された。その女性はこの町の出身で、一年程前から厚木の駅前でスナックを営んでいた坂井ハツ子であった。数日後、19歳の造船所工員・上田宏が犯人として逮捕されるのだが……。大竹しのぶと渡瀬恒彦がその年の助演賞を多数獲得した。
こちらは1987年公開の松竹映画になります
監督は名匠、野村芳太郎監督でありまして、「砂の器」や「鬼畜」など名作が多数
あります
今作はその「砂の器」「八つ墓村」の後という事もあってか、松竹も力が入っている
ようで、出演者がま~ぁ豪華なのです、
松坂慶子 永島敏行 大竹しのぶ 渡瀬恒彦、佐分利信、丹波哲郎、芦田伸介、西村晃、
山本圭 、北林谷栄 、佐野浅夫、 乙羽信子、 森繁久彌 他
と、まあこれだけ聞いただけでへとへとになりますね (^▽^;)
で作品も日本アカデミー賞で、(さてどの程度権威があるのかは置いといて)
作品、監督、脚本を受賞して、主演女優賞、大竹しのぶ、助演男優賞、渡瀬恒彦が
受賞しております
松坂慶子とW主演ですが、観れば納得の演技でして、個人的には、これから「あぁ
野麦峠」辺りがピークの素晴らしさかと、(あくまで個人の意見です、ってか、以降
はあまり観てないだけですが)
助演男優賞の、渡瀬恒彦もなかなか好演しております、特にラストで良い印象になっ
ているのかもですが(「震える舌」も良かったのにそちらでは獲ってないのです)
永島敏行が、メインの殺人を犯してしまう青年を演じているのですが、デビューから
3本目という事もあるのでしょうか、他の方々が凄いだけに、ちょっと残念な感じが
してしまいました
映画は、一人の女性を殺した青年の、殺人事件の裁判の始まりから、結審するまでを
軸に、裁判の進行に伴って、何が行われたのか、そして証人によって様々な視点から
明らかになっていきます
それぞれの事情であったり、思惑、人間性が浮かび上がってくる内容になっています
結審し、主人公の彼が、面会に来た恋人に心情を語るシーンがあるのですが、少々す
っきりとしない物なのですが、それこそが重要なのかな?とも感じました
人間、白黒とはっきりしない事、それが自分の事ですら分からない事って意外に多い
ですものね
本当のラスト、橋の上で、罪を犯した彼の恋人が、彼の子供を妊娠した大きなお腹で
渡って行きます、そして証人の一人だったヒモの男とバッタリ出会い、短い会話をし
て左右に分かれて歩いて行くシーンで終わりになるのですが、とても余韻が残る良い
エンディングだと思いました
ひどく悲しいお話だったのですが、このシーンがある事によって、少しだけ希望の
持てるものになって、流石の仕事ぶりであります
ただテーマ曲意外の音楽が、少しシーンと釣り合っていないかな~と思う所も、ある
にはあったのですが、(特に松坂と永島のベッドシーン辺りが)エレクトーンの音色
が、、。
あと貼り付けた動画ですが、これが予告であったら、酷い物で、観た方なら分かると
思いますが、サスペンスも何もあったもんじゃないネタバレ感
公開時の予告、これじゃないですよね、さすがに、「猿の惑星」のDVDのジャケッ
トを見た時の衝撃のような、度肝を抜かれた私だったのでした
これでいいのか!?せっかくの落ちが、、。
裁判員裁判になった今、自分がこの事件の裁判員になったら、どう判断するでしょ
う? あなたならこの判決に納得されるでしょうか? ご覧になって判断して頂けたら
と思います。
では、また次回ですよ~!