大藪春彦の同名小説の映画化で、遊戯シリーズでコンビを組んだ村川透監督、松田
優作主演のハードボイルド。
「野生の証明」に次いで1979年の8月に公開された角川映画の4作目が大藪春彦
原作の「蘇る金狼」でした。
「本格的なアクション映画を作りたい」という角川春樹の要望で製作された本作です
が、とにかく松田優作の身体を張ったアクションがカッコよかった作品で、昼は真面
目な経理部のサラリーマン、夜はボクシングで身体を鍛えつつ様々な手段で会社の
乗っ取りを企む野望を持つ男、朝倉哲也のキャラクターがはまっていました。
昼間の社内でのうだつが上がらない演技や、風吹ジュン演じる京子をナンパする為に
ゴルフクラブを飛ばして目立とうとするお茶目なボケ、なんとテレビCMでも流れてい
たエ〇チしながらの朝食場面も強烈でした(笑)。
「ランボー」を彷彿とさせる殺し屋との銃撃戦での身体を使ったアクションのダイナ
ミズムやカーアクションの派手さ、真っ赤なランボルギーニ・カウンタックとあのラ
スト等、見所満載な、ザ・松田優作ありきの作品ですが、昼間のカツラは流石にバレ
そうでちょっとドキドキしちゃいます。
強烈キャラの松田優作に引けを取らないこの当時の風吹ジュンの演技も素敵でした。
セクシーな大人の女性の顔とコケティッシュな魅力のバランスは、男性は勿論のこと
女性も憧れる程の存在でした。 そんな彼女が最近ではお婆さん役等の姿で見かける
と、確実に時間が過ぎているんだな~と実感させられてしまいます。
テレビCMでも度々流れていた前野曜子が歌う「蘇る金狼のテーマ」、「動く標的狙い
をつけて~♪」もかっこよくて、気合を入れないといけない日等には度々聞いている
程です。私的には「産まれた事が間違いだと笑い~♪」に共感するのでした。
かなりお話に無理があるものの、それを凌駕する「松田優作」という存在を観るだけ
でも意義のある作品でした。
といったところで、また次回ですよ~!