1974年にTBS系列の水曜劇場枠で放送され、平均視聴率31.3%を記録したテレビド
ラマ。昭和の東京下町、石屋を営む一家とそれを取り巻く人々との人情味溢れる毎日
を、コメディータッチで描いた。向田邦子脚本、久世光彦プロデュース。
出演 小林亜星、加藤治子、梶芽衣子、西城秀樹、悠木千帆、浅田美代子、伴淳三郎
左とん平、由利徹、藤竜也、篠ヒロコ、吉行和子、野村昭子、横尾忠則 他
あの「時間ですよ」が終了して4か月後に始まったのがこの昭和を代表するホーム
ドラマの決定版「寺内貫太郎一家」でございます。 舞台を銭湯から石屋に移した事に
より、家族という最小単位だからこそ起きる家族の問題や深い絆、優しさ、厳しさ、
煩わしさといった事を日常の中で描いた人情家族ドラマの秀作です。
個々に様々なシリアスな問題も抱えながらもユーモラスに描かれている本作、その
土台となっているのが主人の貫太郎を中心に家族で囲む失われた昭和の食事風景。
この食卓の構図さえあれば家族は何とかなると思わせる見事な黄金比であります。
その食卓で毎回起きる「汚ね~な婆ちゃ~ん!」「汚ね~な寺内~!」のやり取りや
貫太郎と周平の取っ組み合いの大喧嘩。そして一切の説明を排した沢田研二のポスタ
ーに向かって「ジュリ~~」ともだえるきん婆ちゃんの姿が可愛らしく、その光景に
ワクワクニコニコしていた幼少期の私でした(笑)。
家族の日常を描いたホームドラマでありながらとってもユニークかつ斬新でお洒落、
時代の明後日を行ったドラマで、こちらも私の人間形成に多大な影響を及ぼしてくれ
た作品の一つです。
ま、昭和世代の文化に疎い若者を振り落とす松本人志の笑いにもきっと何かしらの
影響を与えているであろうこのドラマが未だに大好きな私なのでした。
ドラマ本編にも登場していた横尾忠則によるイラストと音楽のミスマッチすらもかっ
こ良いオープニングタイトルが素敵です。
きん婆ちゃんが「ジュリ~~!」と叫んでいた頃の沢田研二。井上堯之バンド含め、
とにかくただただかっこ良いジュリーでございます。 ジュリーについては今後も
ご紹介したい曲が沢山ありますが今回はここまでという事で。 また次回ですよ~!