作家ガイ・バートのデビュー作品 「体験のあと」 を映画化した作品。 4人の学生が

 

謎の“穴”で体験した悪夢と恐怖を描く衝撃のサイコスリラー。

 

 

 

 

 

 

 

 

               -  THE HOLE  - 監督 ニック・ハム

 

 出演 ソーラ・バーチ、デズモンド・ハリントン、キーラ・ナイトレイ 他

 

こちらは2001年制作の イギリス映画 イギリス です。(102分)

 

 

 

 

  春、イギリスの名門パブリック・スクールから、4人の生徒が忽然と姿を消した、、。18日後、その中から少女リズだけが戻ってくる。 彼女は事件について回想を始める。リズは、学園の人気者であるマイクとジェフ、美少女フランキーの4人で、地理の研究旅行をさぼって週末を楽しく過ごそうと、第二次世界大戦時の防空壕の穴に入った。 

 

 

 

 

リズにとっては、片思いの相手であるマイクと親しくなるチャンス。 しかし3日目、扉のカギを外しにくるはずだったリズの友人の青年マーティンが姿を現わさない。完全に閉じこめられた4人は、すべてマーティンの策略だと決めつける。 だがこれはリズの計画だった。

 

 

 

 

しかし、彼女の企みは裏目に出る事になり、穴に閉じ込められた3人の友人達は極限状態の中で次々と亡くなっていく。 そしてリズはこの一連の事故を友人のマーティンが犯人であるように仕向けようとするのだったが、、。

 

 

 

 

「アメリカン・ビューティー」の2年後に主演した、ザ・ソーラ・バーチ作品で 「アメリカン」でも陰のあるキャラクターを演じていましたが、この作品でもかなり闇を抱えた主人公を演じています。 行方不明になっていた4人の学生のうち唯一生存していたリズが保護され、精神科の女医にそれまでの事の経緯を説明する形で物語は進行していきます。

 

 

 

 

 

学校ではイケてない部類のリズはミュージシャンの息子で女子の憧れの的のマイクに絶賛片想い中でした。 別世界の彼には近づく事も出来ない存在でしたが、共通の友人であるマーティンにマイクとの距離を縮める計画を相談。 それが友人4人で森の中にある防空壕の中で3日間過ごすというお馬鹿な計画でした。

 

 

 

 

彼の友人を巻き込む事でまんまとお目当てのマイクも作戦に参加する運びとなり、いざ防空壕でのお遊び生活が始まります。 なんとかその3日の間にマイクの気持ちを我が物にと画策しますがタイムリミットの3日は過ぎてしまい、鍵を持ったマーティンを待ちますが一向に現れません。 日が経つにつれお遊びだった空気は一変し、サバイバルな状況に陥ってしまう4人。 全てはマーティンの策略にはまってしまったのか、、。

 

 

 

 

衰弱と仲間割れで亡くなっていく友人達、、と、ここまでの話はリズが警察に向けて語った事件の顛末でしたが、 警察に拘束されたマーティンの口から出た証言は全く違った内容でした。 穴の中で何が起こり、誰が嘘をついているのか。 

 

 

 

 

事件の顛末らしきものは映画の中盤から徐々に明かされる事になります。 これまでの事件の詳細はリズが自分の都合の良いように脚色したもので、実際にリズがとった行動は精神科医との会話の中の告白という形で解き明かされていく事になります。

 

 

 

 

イケてない女子と思われていたリズは実はスクールカーストの上にいる存在であり、マーティンもこの件には全く関わっていなかった事、彼に最初から濡れ衣を着せようと企んでいた事等が告白されます。 ただ一つの真実は、マイクの気を惹き彼を自分のものにしたかったという身勝手な動機でした。

 

 

 

 

恋愛感情をこじらせた女子の一方的なラブストーリーであると同時に、好きな人もろとも密室に閉じこめてしまえ!という悪夢のようなシチュエーションスリラーが合わさったような内容の作品で、ある意味胸糞映画でもあります。

 

 

 

 

まるでストーリーを全て明かしてしまっているように思われるかも知れませんが、この映画の本質的な所はラストの数分にその全てが凝縮されているからです。 全てが解決したようで、真相は暗い穴の闇の中という不気味さ。 最後の笑みと、そこから送られる冷たい視線が気味の悪い後味を残したままエンディングを迎えます。

 

 

 

 

とにかく主人公を演じるソーラ・バーチの微妙?なルックスが本作でも生かされ、幼児性とダークなサイコ感のバランスが見事でした。 他にもレンタルしてから気付いたのですが、「パイレーツ・オブ~」 でブレイクする前のキーラ・ナイトレイも出演していました。イケてる女子代表のチャラい演技とヌードも披露。終いには汚い便座に顔を突っ込んで滝のような怒涛のリバースまで見せてくれているサービス精神です。

 

 

 

 

藪の中ならぬ穴の中で巻き起こるシチュエーションスリラーの顛末、「彼は年老いることも私を裏切ることもない 永久に いつまでも理想の恋人のまま、、」 というセリフがリズの異常性と純粋さを見事に表している作品で、恋は盲目という言葉の裏にある恐ろしさを痛感させられました。

 

 

 

 

ただストーリーに若干の説明不足な所があったり、密室でのサバイバルに今一つ緊張感や絶望感がみられないといった微妙な部分もありますが、偏愛密室映画としてはそこそこ楽しめる作品だと思いますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。

 

 

では、また次回ですよ~! パー