回路不良で街に飛び出し、自意識を持ち始めた戦闘用ロボットと人間のふれあい、そしてロボットを抹殺しようとする軍隊との闘いを描く。

 

 

 

 

 

 

                -  SHORT CIRCUIT  -      監督 ジョン・バダム

 

 出演 アリー・シーディ、スティーヴ・グッテンバーグ、

                                                             フィッシャー・スティーヴンス 他

 

こちらは1986年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(98分)

 

 

 

 

  軍事企業 ノヴァ・ロボティクス は、軍向けのプレゼンで全5体からなる戦闘用ロボット「S.A.I.N.T.」を発表した。 無人の戦車をレーザーで破壊するというデモンストレーションの後、パーティを開催することになり、ロボット開発者のクロスビーたちもパーティ会場に駆り出されることになった。 雷が激しさを増し、研究所で充電中だった5体のロボットのうち、最後の「ナンバー5」は、落雷による高電圧を受けてしまう。 

 

 

 

 

ナンバー5の異常に気付かれないまま5体のロボットお披露目の為にパーティ会場に向かう。 しかし最後尾にいたナンバー5は別のルートを走行し始めてしまい、偶然通ったゴミ収集ロボットに建物の外へと押し出され、そのままトラックに積み込まれて研究所を抜け出してしまう。 パーティ会場にロボットが4体しかいないことに気づいたマーナー社長は、クロスビーとベンに、ひそかにロボットの不在を伝え捜索するよう指示を出す。 

 

 

 

 

彼らは測位システムを起動してナンバー5が社外に出たことを突き止め、遠隔プログラミングで会社に戻るように命令するが、「INPUT」という文字列を返すのみで応じようとしなかった。 ナンバー5が民間人に危害を加えることを恐れたマーナー社長は、警備主任のスクローダーに、ナンバー5の捜索と破壊を命じる。

 

 

 

 

その頃、トラックの荷台に居たナンバー5は初めて見た蝶を追いかけ、荷台から落下自覚のないままノヴァ社の警備車両を振り切って辿り着いた先は、オレゴン州アストリア郊外のとある家。 迷い込んだナンバー5は、そこに住む女性・ステファニーという女性に出会うのだったが、、。 というお話。

 

 

 

 

実は当時からこの作品は話題になっていて、テレビ放送もあったのですが、何故か今日まで未見でありました。 意図せずにスルーしている映画ってありますよね。 で、このバリバリ80年代臭が充満した本作を30数年経って鑑賞してみましたよ。

 

 

 

 

戦争兵器として開発されたロボットの ナンバー5 が落雷に遭い、プログラムに異変が起こった事により人間世界に迷い込み、自我に目覚めていくという物語。 文章だけ見ると殺人兵器の進歩や機械化、それに伴うAIと人間の差別化といったダークで真面目なメッセージを含んだSF映画と思ってしまいますが、なんてったって80sエンターテインメントの王道にある本作。 そんなお堅い事はそっちのけで、ただただ愉快で楽しいロボットの冒険アドベンチャーを見せてくれています。

 

 

 

 

大まかにはあの「E・T」のロボット版とも言える作品で、行方を追って捕獲しようとする会社側と、そこから飛び出し、ステファニーという女性に出会った事で人間の良さを学んでいくナンバー5の逃亡劇が中心に描かれていくのですが、このナンバー5という無機質なロボットが実に人間的な動きや表情を浮かべる所がこの映画の最大の魅力で、僅かなパーツを微妙に動かして様々な喜怒哀楽を見せてくれます。 

 

 

 

 

それだけでなくテレビで見た映画やCMでセリフやダンスを学習して、それらを披露していく成長ぶりも愉快です。 カーラジオ聞きながらノリノリの運転や、簡単な料理だって出来るようになってしまうのであります。(やや問題ありですが、、。)

 

 

 

 

初めてステファニーがナンバー5を発見する場面では、勝手に宇宙人だと思いこんだ彼女が地球人代表としてファーストコンタクトをちゃんと取ろうとする場面や、監督自身の作品「サタデー・ナイト・フィーバー」を観たナンバー5が、トラボルタばりのダンスを踊るなんてシーン等、理屈抜きに楽しめるシーンの連続です。 様々な動物や沢山の子猫が暮らすステファニーのお家も動物好きには魅力的です。 オッドアイ猫

 

 

 

 

ステファニーを演じるアリー・シーディはこの前年の「ブレックファスト・クラブ」とは真逆なとことん明るいキャラで、ナンバー5との見事なコンビ芸を見せてくれています。 他にもスティーヴ・グッテンバーグとG・W・ベイリーが共演していて、そのまま「ポリスアカデミー」を彷彿とさせるコミカルなやりとりで笑わせてくれます。

 

 

 

 

そして主人公であるナンバー5の見事な演技、当時のアナログ感が逆にリアルで、動きが制限されている分、何故か妙に可愛らしく見えて来ます。 これをデザインしたのがあの「ブレード・ランナー」等のシド・ミードで、これがディズニー映画の「WALL-E」にそっくりなのに驚いてしまいます。

 

 

 

 

一応のメッセージがありながらも、とにかく明るく楽しい、良い意味でハチャメチャな作品です。理屈やつじつまを度外視した、これぞ80sエンターテインメント映画のお手本?のような作品になっておりますので機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

本作のエンドクレジットです。 いかにもな80s感が漂う音楽が染みますです。 音譜