1980年代以降にアメリカ合衆国各地で悪魔崇拝者たちによる儀式が執り行われたとして社会問題となった実話から着想を得たホラーサスペンス映画

 

 

 

 

 

 

        -  REGRESSION  -  監督 脚本 アレハンドロ・アメナーバル

 

 出演 イーサン・ホーク、エマ・ワトソン、デヴィッド・シューリス 他

 

 こちらは2015年制作の アメリカ アメリカ カナダ カナダ スペイン  

                                                               による合作映画です。(106分)

 

 

  1990年のミネソタ州、ブルース・ケナー刑事は虐待事件の捜査に当たっていた。加害者のジョン・グレイは17歳の娘アンジェラを性的虐待した容疑で告発されており、本人も容疑を認めていたが、グレイには娘を虐待した記憶がないという奇怪な事件であった。 心理学者のケネス・レインズ教授の協力を得て、捜査チームがグレイに回復記憶療法による治療を受けさせたところ、事件にジョージ・ネスビット刑事が関与している可能性が浮上してきた。 

 

 

 

 

捜査チームはネスビットを調べ上げたが、事件への関与を示す確たる証拠は出てこなかった。 その後、捜査チームはアンジェラの証言から悪魔崇拝カルトの儀式が事件に関与しているのではないかと疑い始める。 ケナーとレインズはアンジェラの兄ロイの元へ行き、何故実家を離れることになったのかを尋ねた。 

 

 

 

 

ロイも記憶があやふやだったため、レインズが退行療法を施したところ、ロイは子供の頃に自室に入ってきたフードを被った人間の存在を思い出した。 2人はその人物がロイの祖母ローズではないかと疑うが、彼女が虐待に関与した証拠を発見できなかった。 その後、ケナーは悪魔崇拝カルトの儀式に巻き込まれるという悪夢に苛まれるようになるのだが、、。 というお話です。

 

 

 

 

何気に映画「アザーズ」の監督 アレハンドロ・アメナーバル のフィルモグラフィーを覗いたところで本作を発見。 内容も悪魔崇拝者の実話から着想を得たサイコスリラーものというホラー好きにはもってこいの作品で、早速レンタルしてみました

 

 

 

 

主演もイーサン・ホークにエマ・ワトソンというまぁまぁ豪華な顔ぶれの本作は、少女が父親に犯されたというショッキングな出来事から物語は始まり、事件の捜査を始めていくうちにその加害者である父親や祖母がどうやら悪魔崇拝の儀式を行っていたのではないかという疑念が湧きます。 

 

 

 

 

事件の担当となったケナーが捜査を進めていくうちに悪魔崇拝の闇と恐怖が明るみになっていくといったストーリーで、映画は常に不気味な空気に包まれ、悪魔崇拝という得体のしれない存在と恐ろしい儀式の映像によって常に不穏な緊張感が漂っています。

 

 

 

 

この漠然とした悪魔崇拝のカルト感や恐怖心といったものがこの作品の核心的な部分で、人の不安な気持ちに入り込んで来る悪魔という存在の真の姿を見せつけられます 不気味なカルト集団の悪魔崇拝の儀式や、現在は禁止されているという心理学者によって行われる過去の記憶を思い出させる回復記憶療法、集団ヒステリーといったものが複雑に絡み合って、なんとも釈然としないエンディングを迎える事になります。

 

 

 

 

ほぼ出ずっぱりのイーサン・ホークが捜査を進めるうちにどんどん憔悴していく姿が見事で、あえて彼の視点だけで描いている事も本作の重要なポイントでありました。オカルトを軸としたサスペンススリラー映画ではありますが、出来栄えとしては正直どちらにも振り切れていない微妙な作品に落ち着いています。 

 

 

 

 

それは実際にこのような事案が当時多く起こっていたという事実がある為、過剰に脚色するのをためらったのかも知れません。 現実と映画の線引き加減によって行き切れない内容になった感はありますが、生贄のために赤ちゃんを殺し、その肉を食べるといった悪魔崇拝の儀式の描写などのホラー要素や、どの住民がカルトなのかといったスリラー演出と、ちゃんとポイントは押さえております。 悪魔と人間の闇を追った不気味な作品となっていますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ。

 

では、また次回ですよ~! パー