ハリウッドスター、ウディ・ハレルソンが監督、出演ほかを兼任し、ワンカット撮影で描き出すリアルタイムコメディ。

 

 

 

 

 

 

              -  LOST IN LONDON  - 監督 脚本 ウディ・ハレルソン

 

 出演 ウディ・ハレルソン、ウィリー・ネルソン、オーウェン・ウィルソン 他

 

こちらは2017年制作の イギリス イギリス アメリカ アメリカ の合作映画 です(108分)

 

 

 

 

  ウディは舞台出演のため、家族とロンドンに滞在中。そんな折、パパラッチに乱痴気騒ぎをすっぱ抜かれてしまいます。 舞台を終えて妻の待つレストランへと向かいますどうか妻がゴシップ新聞の記事を読んでいない事を祈るウディ。 レストランに着いた彼は、早々にホテルへ帰ってゆっくり飲もうと妻を誘いますが、トイレに立った妻はそこでゴシップ記事を発見!それを知った妻はもちろん激怒します。 考える時間が必要だと言ってウディを突き放します。 ホテルへ戻る前にイランの王子に1杯飲もうと誘われたウディは茫然自失、成すがまま状態で王子たちとナイトクラブへ向かう羽目に。

 

 

 

 

すると偶然にもクラブへ訪れていた親友のオーウェン・ウィルソンと遭遇。 家庭の事情を相談しますが、些細なことからケンカになってしまいます。 ナイトクラブを逃げるように後にしますが、外へ出てからも災難つづき、遂には乗り込んだタクシー内にあった灰皿を壊してしまったのが運の尽き。 ドライバーと口論の末、警察沙汰にまで発展してしまい、遂には逮捕され収監されてしまいます。 子供との約束の時間までにウディはホテルへ帰る事ができるのでしょうか、、? というお話です。

 

 

 

 

本編が始まる前にDVDにはこの映画についての短いドキュメンタリー映像が入っています。 それによると、どうやらこの映画は映画館の劇場に生中継されたもののようで、ある種の実験的な作品です。 最近よくある1カメのワンショットをそのまま生で劇場で公開したようです。 実際のロンドンで撮影され、舞台からレストラン、ナイトクラブや警察署と、移動する車中もリアルタイムで撮影されています。 この内容自体も2002年にウディ自身が起こした事件をベースにしたお話で、劇中に挟まれるセリフにはかなりの自虐的なジョークが盛り込まれています。 

 

 

 

 

オーウェン・ウィルソンとの会話では彼が出演した「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」 や、監督のウェス・アンダーソンの悪口が出たりと、ハリウッド絡みの裏話や噂話をネタにしたジョークが聞けて笑えます。 ウディの代表作「ラリー・フリント」の役は最初俺(オーウェン)にきたんだ!なんてやりとりにはくすぐられてしまいます。そんな自虐ネタ満載の映画ですが、劇中のウディが繰り返す言葉は奥さんと子供達への愛を訴えるようなものばかりで、まるで映画をとおして家族への求愛と懺悔をしているようにも見えてしまいます。 製作、監督、脚本を一人でこなした「ウディによるウディのためのウディ映画」の着地点がそこで良いのか?という気もしますが、、。

 

 

 

 

しかし、そんなウディの人徳でしょうか?チラッと出演されている方々はなかなか豪華なお名前が並びます。 オーウェン・ウィルソンを始め、 ウィリー・ネルソン、エレノア・マツウラ、ダニエル・ラドクリフ、エドワード・ノートン、エマ・ストーン、そして電話で声だけ出演のU2のボノ。 彼との電話でのやり取りが個人的に一番エキサイトしましたが、その内容がほぼクレームだったりして笑えました。映画が生という事もあってか、最後は朝という設定なのですが、思いっきり夜の外でロケーションで夜のままというシュールな場面があったりして、ちょっと困惑しますが、それ込みのライブ感を楽しむのが良いのかも知れません。 DVDの温度差でございます。

 


 

 

で、映画としてはウディ好きならそこそこ楽しく観ていられますが、そうじゃない方は若干退屈に感じたしまうかも知れません。 それは実験的な映画手法が足を引っ張っている所が大きく、編集がない事でどうしても映像的にも内容的にもこじんまりとしたものになってしまっています。 それでもかなりの手間暇と労力、努力が注がれているのは間違いない映画ではあります。 これを実験的なチャレンジ精神ととるか、自己満足作品ととるかで、かなり観た人の印象が違ってくる映画ではありますが、あのウディがこんな「奥さんラブ」な内容の作品を作ったという、それだけでも価値がある映画だとおもいますので、機会があればご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

U2の 「Song For Someone」 のMVです。 ショートフィルム的な仕上がりです。