セブン・サイコパス

アメリカ、ロサンジェルス　脚本家のマーティは「セブン・サイコパス」というタイトルだけが決まっている作品の執筆を請け負うが、１行も書けないまま締め切りだけが迫ってくる　そこで見かねた親友の売れない俳優ビリーは、ネタ集めにと“サイコパス（イカれた奴）募集”の新聞広告を勝手に出してしまう　するとさっそくマーティのもとには、全米中の凶悪犯を殺しまくったと自慢するアブない男ザカリアが現われる　一方ハンスという男の下で愛犬誘拐詐欺のバイトにも精を出すビリーは、危険なマフィア、チャーリーの愛犬に手を出してしまい大ピンチ。こうしてマーティの周りには図らずも映画のネタにはもってこいのサイコパスな奴らが次々と集まってくるのだが…。

こちらは２０１２年制作の イギリス映画  です（１１０分）

以前ご紹介した 「スリー・ビルボード」 の マーティン・マクドナー が、監督・脚本

を兼任した長編２作目の映画でございます。

　脚本家のマーティに仕事の依頼が来ます 「セブン・サイコパス」  というタイト

ルだけは決まったものの、ストーリーが浮かびません　　

なかなか、アイデアは浮かばず 執筆は全く進みません　それを見ていた友達の俳優 ビ

リーは、マーティに内緒で 良かれと思いネタ集めの為と、サイコパス募集 の新聞広告

を勝手に出してしまった事から 騒動に巻き込まれ、マーティ、サイコパス、ギャング

犬　　が入り乱れ、とんでもない方向へと話が進んで行ってしまいます この作品で

も「スリー・ビルボード」同様、広告を出した事である種 騒動になるお話であります

そんなバタバタの真っ只中、それをネタにしたりと、なんとか脚本を書き進めるマー

ティでありましたが、、、 　　といった感じのお話でございます

マーティ を演じるのが コリン・ファレル 「ロブスター」 友達の俳優に サム・ロック

ウェル 「グリーンマイル」 サイコパスの一人に クリストファー・ウォーケン 「ディ

ア・ハンター」 ギャングのボスに ウディ・ハレルソン 「ラリー・フリント」 という

豪華なメンツが出演されています。脚本家の苦悩と言うと、「バートン・フィンク」 

を思い出されます　その上、サイコパスなんて要素が加わったら、そりゃ～シュール

な映画になりそうな物ですが、この作品 なかなか一筋縄には進まないお話が展開して

行き、ラスト近くは もうサスペンスアクション のような事になって行きます　　

映画が終わり、エンドロールが流れ始めますが、途中で止ってもう一つの短いお話が

残っていた事に気付かされます　それは正にサイコパス的な会話が交わされ、映画は

正式にエンディングを迎える事になります　

映画で印象深いのは クリストファー・ウォーケン の顔、改めて怖さを実感いたしまし

た。そして画面を圧倒して、自由に演じているかのような サム・ロックウェル の怪演

映画自体の脚本は、大変凝ったお話になっているのですが、多くの要素を入れ込んだ

分ちょっと散らかった感じがしてしまいました　

７人のサイコパス （人格障害） が活躍しそうですが、ちゃんと機能している人数は限

られていますし、私が興味を持ったサイコパスはオープニングに登場した、マフィア

ばかりを狙う殺し屋でありましたが、残念な扱いで終わってしまいました　　

なかなか 「七人の侍」 のようには上手くいかないのでありました、余談ですが こ

の マーティン・マクドナー　監督は 北野映画 のファンを公言しているらしく、今作

の中で マーティ とビリーが仲良く 「その男、凶暴につき」 のビンタシーンを観てお

りました　　　　ジャンルとしては ノワールコメディ映画 という感じになります

が、サム・ロックウェル 好きの方は是非ご覧になる事をお勧めいたします　　

自分以外は皆、サイコパス ！って事は他人から見たら自分も サイコパス なんでしょ

うね。ちょっと変な所で、納得してしまう私でありました　　そんな訳で、興味が

湧いた方がおられればあれば、ご覧になってみてはいかがでしょうか  です

では、また次回ですよ～！　

『「スリー・ビルボード」映画 の巻』

『「ギャラクシー・クエスト」映画 の巻』

海外のどなたかが作ったと思われるものです　こちらの方が詳細にご覧頂けるかと　

セブン・サイコパス Blu-ray