イタリアからアメリカへ渡り、映画「イントレランス」のセットを任された兄弟が辿る運命的な人間ドラマ。 サンフランシスコ万博の建築に参加したことでD.W.グリフィス監督に認められ、大作映画のセット建設をすることになる兄弟に、第一次大戦の影が迫り、、。

 

 

 

 

 

 

 - GOOD MORNING BABILONIA - 監督 脚本 パオロ、ビットリオ・タビアーニ兄弟

 

出演 ヴィンセント・スパーノ、ジョアキム・デ・アルメイダ、グレタ・スカッキ他

 

こちらは、1987年の イタリア イタリア フランス フランス アメリカ アメリカ 

                                                                        の合作映画です。(118分)

 

 

 

 

  1813年、イタリア・トスカーナでロマネスク大伽藍の建築と修復を行ってきた棟梁のボナンノは、膨らんだ借金を理由に家業をたたみ引退を決意します。
ボナンノの2人の末息子であるニコラとアンドレアは修業名目で意気揚々とアメリカに渡りますが、それが容易でないことを感じて途方に暮れてしまいます。 そんな2人の前に、サンフランシスコ万国博覧会でのイタリア館建築に向かうイタリア人建築家・棟梁の一行が現われ、2人はそれに紛れ込みます。

 

 


 

 

サンフランシスコ万博では、映画監督のD・W・グリフィスが注目を集めており、彼は近々制作を開始する予定の超大作映画 「イントレランス」 でイタリア館を建てた棟梁たちを美術スタッフに加えろと指示をします。 ニコラとアンドレアは棟梁になりすましてハリウッドに向かいます。 華麗な撮影風景に驚く彼らはそこで美しいエキストラ、エドナとメイベルと知り合います。

 

 


 

 

2人はメイベルとエドナに励まされながら名もない仕事を次々にこなしていきましたやがて、父と仕事をした 奇跡の聖堂 のイメージを甦らせた象を森の中に作り出します。それがグリフィスに認められ、2人は出世し、ニコラはエドナと、アンドレアはメイベルと愛を育み、同時に結婚します。 しかし、「イントレランス」が公開された頃、第一次世界大戦の不穏な空気が世を覆い、4人にもその影を落としてくるのでした、、。

 

 

 

 

もう何年も前に一度観た作品でしたが、この機会に観返してみようと思い、再び鑑賞してみました。 とても素敵な作品だという記憶はあったのですが、見返してみて、改めてその素晴らしさに感動しました。 映画って、時間を置いて見返してみると当時気付かなかった事を発見したり、最初には感じられなかった感動があったりと、時間が過ぎた事によって自分に起きた変化が観る作品に反映されたりして違ったものに見えたりする事も映画の良い所だったりしますね。 稀にその反対の事もあったりしますが、、。

 



 

 

とにかく本作を観はじめてすぐ、「あぁ、映画を観てるな~」という気持ちになったのです映画観てるから当然なのですが、自分にピタっと合う作品に出会うとこう感じるのです。イタリア人の兄弟が、家の事情で仕事を失い、新天地アメリカに渡るというお話なのですが、この兄弟の辿る、物語も面白いですし、映画好きにはたまらない、映画創世記の裏方の世界もまた魅惑的でワクワクさせられます。

 

 


 

 

私自身、残念ながらまだ未見なのですが、伝説の大作映画 「イントレランス」の製作の裏側をこの作品で少しですが垣間見る事ができるお得感もあります。 出演者も皆見事な演技を披露していますし、撮影、音楽も素敵で文句のない作品です。中盤の華やかなサクセスストーリーと後半のなんとも逃れようのない運命の切ないいたずらのギャップ。 最後の最後まで飽きる事なく一気に見せてくれます。 ラストのカメラのシーンなんてたまらないものがあり、ある種の反戦映画の側面も持ち合わせています。変な例えになるかも知れませんが、「ニューシネマパラダイス」等のトルナトーレ監督の作品がお好きな方なら、きっと気に入ってもらえる作品だと思います。アメリカに渡った以降も、イタリア臭がプンプン香るパスタ作品です。

 

 

 

 

そうそう、観返して気付いたのですが、この兄弟の、父親役の方が、私の好きな映画
「エルスール」のこれまた父親役だった偶然に驚きました。父と子の絆、兄弟の夢、そして恋愛、戦争の悲劇と、あらゆる映画としての要素が詰まった感情にも感覚にも強く訴えてくる映画ですので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です

 

では、また次回ですよ~! パー