「ロスト・イン・トランスレーション」 のソフィア・コッポラによる親子ドラマ。 この作品で第67回ヴェネツィア国際映画祭でグランプリにあたる金獅子賞を受賞しています。

 

 

 

 

 

 

               - SOMEWHERE - 監督 脚本 ソフィア・コッポラ

 

 出演 スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアス 他

 

こちらは2010年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (98分)

 

 

  ハリウッド映画のスター、ジョニー・マルコは、ロサンゼルスの高級ホテル“シャトー・マーモント”で生活していました。 パーティに明け暮れ、フェラーリを乗り回す彼の暮らしは、見た目は華やかですが、中身はどうしようもなく空虚な日々です

 

 

 


ある日、前妻から娘のクレオを一日預かってほしいと連絡を受けます。 ジョニーは久々に会った思春期の娘をフィギュアスケートの練習場に送ってやり、ぎこちないながらも父親として接します。 クレオとの一日は瞬く間に過ぎ、また元の喧騒の日々に戻ることとなります。 新作映画の取材、共演女優との情事、映画の撮影準備等々、、

 

 

 

 

そんな中、突然クレオが一人で、ジョニーの部屋にやってきます。 母親がしばらく家を空けるのでサマーキャンプに行くまでの間、部屋に泊めてほしいというのです。 “シャトー”での父娘の暮らしは穏やかに過ぎていきます。 プールで泳ぎ、TVゲームではしゃぎ、一緒に食事をしながら他愛ない会話を交わす二人。  ジョニーは、クレオと過ごす日々の中で、いつのまにか忘れていた何かを取り戻しつつありました。 しかし、クレオがキャンプに出発するまでの時間はもうすぐ終わろうとしていたのでした

 

 

 

 

もう既にお父さんの名前が無くても十分にフィルムメイカーとしての地位を確立した感のあるソフィア・コッポラ。 こういったシンプルな低予算映画でこそ彼女の映像センスが光るような気がする私。レンタルした後に気付いたのですが、これ「マリーアントワネット」の後の作品だったんですよね。 意外に小さいバジェットの作品だったので、勝手にそれ以前の作品かと思っておりました。 内容は、よくある、父子の絆の物語なのですが、私は好きでしたね~。

 

 


 

 

父親役が スティーブン・ドーフ 久々に見ましたが、かっこよかったです。 娘役は、こちらも子役のイメージから完全に女優として成長したエル・ファニング。 

本作ではまだ子役として登場していますが、少女から女性へと移ろう過渡期の微妙で危うい美しさがフィルムに写され、キラキラと輝いています。11歳という年齢ですが、少女と大人の変わり目とでもいいましょうか、父親から見る、この時期の娘ってこんな風に危なっかしく見えるんだな~と、何故かドキドキしてしまいました。

 

 


 

 

お話だけ聞くと特別大きな出来事もなく、退屈そうに感じてしまいますが、決してそんな事はありません。 セリフが少ない分、視線や、仕草で、一瞬の感情を表現して二人のなんてことない日常に見入ってしまいます。 とにかくこの二人を観るだけでも価値のある作品ではないでしょうか?

 

 


 

 

そして、監督ソフィアコッポラの刹那の瞬間を写すセンス手腕が素敵です。 彼女の作品は何故か、私の鼓動によく合うのでした。映画を観ていて、内容どうこうより、自分と映画の間に感じる、「何か」 それを感じる時、映画を観ている喜びみたいな、何とも言い難い気持ちにおそわれます。 そんな瞬間がこの作品にはありました。(ポリスが流れたり、最後はブライアンフェリーが流れたりも)

 

 


 

 

こういった作品を観ると、どんどん女性の監督に登場してもらって、男性にない感性の作品を作って、私達を刺激して欲しいと、切に願う今日この頃。たまには、ゆったりとした時間を過ごしたいと思っている方は是非本作をご覧になってみてはいかがでしょうか? キラキラとした時間は、なんと儚く感じられてしまうものなのでしょうね、、。

では、また次回ですよ~! パー