地中海の小島にある閑静なリゾート・ホテルで、アリーナという女性が殺された。そこには偶然アリーナに関係した人間ばかりが、様々な思惑を抱いて集まっていた、、。

 

 

 

 

 

 

            - EVIL UNDER THE SUN - 監督 ガイ・ハミルトン

 

  出演 ピーター・ユスティノフ、マギー・スミス、ジェーン・バーキン 他

 

こちらは1982年制作の イギリス映画 イギリス です。 (117分)

 

「ナイル殺人事件」(1978年)につづく名探偵ポアロを主人公にした3作目の作

 

品で、アガサ・クリスティ原作の 「白昼の悪魔」 を映画化したミステリーです。

 

 

 

 

  映画はイギリスの荒地で女性の死体をハイカーが発見し、警察に通報する場面から始まります。 場所は移りロンドンの保険会社を訪れたエルキュール・ポアロは、模造宝石に保険をかけようとしたホーレス卿の捜査を依頼され、彼のいる地中海へと赴きます。 ポアロが​​​​​ホレス卿に事情を尋ねると、女優のアリーナと婚約して20万ドルの大粒のダイヤを贈ったが、アリーナが他の男と結婚したためダイヤを取り戻したところ模造品にすり替わっていたと言います。 

 

 

 

 

当のアリーナはアドレア海の孤島にあるホテルで休暇をすごす予定という事を聞いたポアロも休暇を兼ねて島へと訪れる事にしますが、偶然にも島へ向かう船で​​その本人のアリーナと夫のケネス、先妻の娘リンダ達と出会い、一緒に​​島へと向かう事になります。島のホテルを経営していたのはダフネという女性で、女優時代にアリーナとはライバル関係でした。 その上、彼女が想いを寄せていたケネスとアリーナが結婚したことで彼女に敵意を持っていました。 他にもアリーナを待っていた先客達がいました。

 

 


 

 

彼女を再び自分の舞台に出演させ自身の再起を狙うプロデューサーのオデルとマイラのガードナー夫妻。 アリーナの伝記を執筆したジャーナリストのレックスは出版の了解を彼女から承諾してもらう必要に迫られていました。  そしてラテン語教師のパトリックは妻のクリスティンが居ながらもアリーナといちゃついて周囲から非難の目をあび、妻と喧嘩をして険悪な雰囲気になっていました。​​​​​​ある日、ホテルを一人で出たアリーナは、ホテルと反対側の浜辺で日光浴をしていました。 アリーナを追って出掛けたパトリックと、それに乗り合わせたマイラがボートでその浜辺へ向かいました。 浜辺で日光浴するアリーナを見つけたパトリックはボートを降り横になっている彼女の傍へ駆けつけると、アリーナはその姿のまま死んでいました。

誰かに殺されたと確信したポアロは独断で事件の捜査を開始するのでした、、。

 

 

 

 

今回の舞台は太陽がまぶしい地中海の孤島のホテル。 画面に漂うのはもう羨ましい程のラグジュアリーなリゾート感。 食事も豪華で、同じ探偵でも獄門島とは雲泥の差ですそんなロケーションですから殺人の陰湿さはほぼ皆無、嘆き悲しむ人も居ないというお天気同様にカラッとしています。 これが金田一耕助の事件だったら、そこから更に連続殺人が起きそうなものですが、これまでのポアロの映画が扱った事件の被害者はどれも一人。 一人の殺人による多数の容疑者の因果関係を紐解くという展開ですが、本件は意外やその動機となる過去の関係性よりも、誰なら殺人が可能だったのか?という行動の立証を崩し、全員にあると思われるアリバイのトリックの解明がメインとなっている所が面白いポイントです。

 

 

 

 

残り香、投げられた瓶、真昼の入浴、日焼け、正午の大砲、水泳キャップ、高所恐怖症、ラテン語という散りばめられていたヒントが上手く繋がっていくラストのポアロの推理は本作でも快感であります。 特に今作ではポアロ自身がコメディリリーフとなっている場面も多く、ラストでは犯人にパンチをお見舞いされるという意外な展開もあって、過去作の中でも笑いながら観れるリゾート作品になっています。

 

 

 

 

今回も豪華な俳優陣が顔を揃えていますが、なかでも前作の 「ナイル殺人事件」 でも登場していたマギー・スミスは、今作で助手のいないポアロに自分の推理を聞かせたりするお茶目な演技を見せてくれたり、ジェーン・バーキンは前作とは打って変わったエレガントな姿を披露してくれたりとシリーズファンを楽しませてくれています。

エンターテインメントのミステリー映画として推理以外にも楽しめる所が多くある作品ですので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~!  パー