レックス・ルーサーの策略により発射された核ミサイルの一つはスーパーマンの活躍により宇宙の彼方へと投棄された。 しかし宇宙空間で爆発したミサイルの衝撃により、ファントム・ゾーンに幽閉されていたゾッド将軍らが解放されてしまう。 一方、クラーク・ケントの同僚であり彼が密かに想いを寄せている敏腕女性記者ロイス・レーンは、同僚のクラークこそがスーパーマンなのではないかという疑いを抱き始める、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2006年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (116分)

 

1978年に公開された映画 「スーパーマン」 の続編として 1980年に公開され

 

た 「スーパーマンⅡ冒険編」 ですが、こちらは  「Ⅱ」 を撮影途中で降板したリチャ

 

ード・ドナーの監修のもとで再編集された作品の為、2006年の作品になります

 

 

      

 

 

  当初 「スーパーマン」 はⅠとⅡを同時進行で撮影していた作品でした。 先にⅠ

 

を公開し、映画は大ヒット。 ほとんどの撮影を終えていたⅡの制作に戻る前に、制作

 

陣と予算、作品の方向性による対立が起きて、あと僅かの撮影を残して監督のリチャ

 

ード・ドナーは降板してしまいます。 作品を完成させる為、新たに雇われたのが 冒険

 

編にクレジットされている リチャード・レスター監督です。 新たに追加された場面

 

と、ドナー監督の撮影済フィルムによって完成した 「スーパーマンⅡ冒険編」。

 

 しかし、このゴタゴタは当時から有名で、ファンの間ではドナー版が観たいという声

 

は昔からありました。 そして2006年 「スーパーマン リターンズ」 でのシリーズ

 

復活と、主人公を演じたクリストファー・リーヴの追悼の意を込めて、再編集によっ

 

て30年近い時間を越えての完成となったのであります。 時計

 

「スーパーマン」公開当時、幼いながらも感動した世代には特別思い入れのある作品

 

で前年に公開された「スター・ウォーズ」と本作によって完全に映画好きにさせられ

 

た憎っくき作品なのです。同感の方いらっしゃいますかね、、はてなマーク で、なんだかんだ

 

あって急に思い出してブルーレイをレンタルしたのでした。

 

 

 

 

まずBRの最初に 「これは本来の着想で作ったスーパーマンⅡです」 「愛をこめてク

 

リストファー・リーヴ に奉げる」 のテロップが表示されて本編が始まります。

 

映画を観た感じとしては、大筋はほぼオリジナル版に沿っていますが、かなり印象が

 

違います。 まずオープニング、ゾッド将軍の3組がファントムゾーンに送られる場面

 

では違ったショットが多用された新鮮です。 そして3人が解放される原因がレックス

 

・ルーサーが放った核ミサイルに変更されていて、エッフェル塔のシーンは丸々カッ

 

トされています。これは本来Ⅱのエンディングに使う予定だった設定をⅠで使用して

 

しまった為と思われⅠには別のエンディングが構想されていたのでしょうね。爆発と

 

解放場面も初見でありました。 他にもロイスがクラークがスーパーマンであることに

 

気づくという展開が頭からあり、新聞に出ているスーパーマンの写真にメガネを描い

 

てクラークに見せ、そのまま新聞社のビルから飛び降りるという命懸けのギャンブル

 

に出たりします。 その後にはピストルの空砲を使ったロイスのトリックによってス

 

ーパーマンである事を見破られてしまう事になるのですが、、。 ドンッ 銃

 

 

 

 

北極の場面ではホログラムで登場する母親に代わって、本来のマーロン・ブランドが

 

父親として登場し、父親と息子の伝承と絆がより強く印象付けられています。「マ

 

ン・オブスティール」 では、力と責任に悩む内向的で暗いスーパーマンになっていま

 

したが、本作で既にその問題を取り上げていた事に驚きました。 こちらはポジティブ

 

シンキングでありますよ。ゾッド将軍達との戦いも別アングルのショット等を使い、

 

アナログ感満載のアクションで楽しませてくれます。人間の時にボコボコにされた相

 

手に、スーパーマンに戻ってからやりかえしに行く場面に、つい大人気ないスーパー

 

マンの闇を見てしまう大人な私、、。そしてエンディングですが、ここにきて本来の

 

あの力技が発揮されていて、なんとゾッド将軍もろとも、、、という驚きの完結を迎

 

えていました。 こんなことをするならそれまでの苦労は必要なかったんじゃない

 

か?という疑問すら、そういう事です。 うずまき

 

 

 

 

といった感じで、大まかなストーリーは同じ作品ではありますが、「冒険編」とはま

 

た違った作品になっています。CGを使っていなかったり、演出等に古めかしさはあり

 

ますが、当時の「スーパーマン」に思い入れがある方は、また違った感動が味わえる

 

かも知れません。マーロン・ブランドの登場場面もかなり多くなっていますし、ジー

 

ン・ハックマンのコミカルな演技、そしてゾッド将軍を演じるテレンス・スタンプの

 

迫力。 一夜を共にしたロイスが、スーパーマンの服をワイシャツ代わりにして起き

 

てくるという何とも艶っぽいシーンがあったりします。 ラブラブ

 

そしてあのスーパーマンのスーツを無理なく着こなせる唯一の存在 クリストファー・

 

リーヴが笑顔で飛んでいる姿が観れるだけで満足な私でありました。良い意味でも悪

 

い意味でも、古き良き時代を感じる能天気さと、ヒーローである事に悩み葛藤するシ

 

リアスさが混在する絶妙なバランスが保たれている作品ではないでしょうか。ついつ

 

いこの映画を初めて観た、あの時の自分に戻れる数少ない作品です。

 

機会があれば一度あの頃に戻ったような気分でご覧になってみてはいかがでしょうか

 

では、また次回ですよ~!  パー

 

 

 

 

 

 

 

ジョン・ウイリアムズのテーマ曲同様、この青い尾を引くタイトルもたまりません。