ジェーン・ドウの解剖

 

ある日、検死官のトミーとその息子オースティンのもとに、そんな身元不明女性の全裸死体ジェーン・ドウが運ばれてくる。 その死体は不可解な猟奇殺人事件の現場となった屋敷の地下室から発見されたものだった。 さっそく検死に取りかかるトミー。外傷は見られなかったが、解剖を進めてみると次々と不可解な事実が明らかとなっていく。 死因が一向に突き止められないまま、ジェーン・ドウをめぐる謎ばかりが深まっていくことに困惑を隠せないトミーとオースティンだったが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (86分)

 

タイトル通り、身元不明遺体の女性 通称 「ジェーン・ドウ」 の解剖を行う事になっ

 

たティルデン親子が体験する恐怖を描いたホラー作品でございます。

 

 

 

 

 

 

  バージニア州の田舎町のダグラス家で一家惨殺事件が勃発します。 警察が調べ

 

た所、不審者が入った形跡はありません。 そして地下室には一家とは関係のない謎

 

の身元不明女性(ジェーン・ドウ)の遺体が発見されます。 このジェーン・ドウの死

 

因を調べる為に運ばれたのが、トミーと息子オースティンの親子が運営する検死場で

 

した。検視官の父トミーの指揮の下、ジェーン・ドウの解剖が始まります。 

 

 

 

 

 

 

その遺体には目立った外傷もなく、美しい状態でした。 しかしトミーは、何かがおか

 

しいと気づきます。 目は灰色に濁り、死後数日が経過しているように思えますが、死

 

後硬直がなく、まるで生きているようにしなやかです。しかし手首と足首の骨は内側

 

で粉々に砕かれています。ウエストが異様に細く、手足の爪には泥炭が詰まっていま

 

した。 驚いたのは舌が引きちぎられている事でした。 トミーはこれは売春目的でさら

 

われた、人身売買の被害者ではないかと推理しますが、さらに不可解なことは続きま

 

す。遺体の鼻から血が流れ、中からハエが飛び立ちます。 口の中からは細い糸が見

 

つかり、臼歯が1本抜けていました。 陰部の内側は意図的に傷つけられた切り傷も見

 

つかります。そしていよいよ遺体にメスが入ります。 胸を切開した途端、流れるはず

 

のない血が噴き出します。 心臓には複数の切り傷があり、肺は真っ黒な状態です。 臓

 

器も激しく損傷しているあり得ない状況に困惑します。 胃と消化器官の解剖に進むと

 

胃の中から昔、麻酔に使われていた花が溶けた状態で出てきます。 そんな中、ラジオ

 

からは「猛烈な嵐になる」というニュースが流れ、検死場は孤立無援となっていまし

 

た。  滝汗

 

 

 

 

 

 

2人はジェーン・ドウの検死を続けていきます。 次に臓器の中から古い埋葬布が出て

 

きます。布にはローマ数字のような文字が書かれ遺体の抜けた臼歯が包まれていまし

 

た。​​トミーは、抜いた歯を布に包んで飲みこませたものだと推理し、布の文字を読み

 

取るとレビ記20章27節である分かりました。 オースティンが、これは何かの宗教

 

儀式、拷問ではと疑います。 もしやと思い、トミーが皮膚にメスを入れると、皮膚の

 

内側にも布と同じ文字が描かれているのを発見します。 遺体の状況と不気味さから、

 

オースティンは、「逃げた方がいい」と助言しますが、時すでに遅し。 照明が全て割

 

れ、辺りは真っ暗になってしまいます。 そして、、。 という作品です。 ドクロ

 

映画の中盤までは検死という科学的なプロセスによって、遺体の謎が少しずつ明らか

 

になっていく過程がサスペンス的に描かれてゾクゾクします。 このように謎説き仕立

 

ての作品かと思わせて、中盤から一気にホラー映画へと変貌する作品です。 逆に言え

 

ばこの部分で好みが分かれる所でもありますが、映画2本分の楽しさを1本で堪能で

 

きるというお得さも本作の醍醐味でもあります。

 

 

 

 

 

 

そして本作の一番の見所はタイトルが示す通りの検死解剖のプロセスと描写のディテ

 

ールが実にリアルな所。 ここに尽きます。 実際にこうなのでは?と思わせる検死の手

 

順と、解剖の様子の再現がお見事で、あれ、あれ?と、次々と現れる謎が知的好奇心

 

を刺激してくれます。 ほぼ寝台に寝たまま(遺体ですからね)のジェーン・ドウの開

 

かれていく身体の作り込みようと、力の入れ方は、作品の出来を左右するだけあって

 

お見事な出来栄えです。 ずっと裸で寝たままのジェーン・ドウを演じた女優さんの忍

 

耐力と羞恥心に拍手でございます。 「ツイン・ピークス」 のローラ依頼の美しさでし

 

た。 ハイ キラキラホラー部分も検死をする遺体安置所という設定や、密室感が独特な不気

 

味さを醸し出していてシチュエーションスリラーとしての怖さも味わえます。

 

 

 

 

 

 

ジェーン・ドウ以外にも数体の遺体があり、昔のしきたりで遺体の足に付けられてい

 

る鈴が暗闇で聞こえてくる恐ろしさ。 ヴィジュアルだけではない音が近づいてくる恐

 

怖が一番怖かったりして、日本のホラー映画のよさも味わえます。突然何かが登場し

 

たり、音で驚かそうという類の作品とは違いますので、ホラー映画が苦手な方でもご

 

覧いただけると思います。 遺体解剖場面も、意外と医学的な見せ方をしている為、グ

 

ロさはあまり感じないものになっていますのでご安心を。こう書くと 「じゃあ怖くな

 

いの?」 と思われるかも知れませんが、ちゃんとオカルトホラーしてますのでこちら

 

もご安心下さいです。しかしジェーン・ドウちゃんたら、トミーとの約束を踏みにじ

 

る非情さは流石でありました。何故彼等が?という設定もあったら、もっと後味も良

 

くなったかかも、と思いつつも中々凝った作りのホラーとなっておりますので、機会

 

があれば深夜にでも一度ご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

 
では、また次回ですよ~!  パー