フットボールの選手権試合に、無差別乱射事件が起こり,パニック状態におちいる人々

 

と立ち向うSWATを描く

 

 

 

 

 

 

ロサンジェルス。日曜日。 メモリアル競技場では地元ロス・チームとボルチモア・チ

 

ームとの王座をめぐる大試合があり、街中が興奮気味。

 

 

 

 

朝、試合見物の多くの泊り客を入れた高層ホテルの一室よりライフルが市民を射殺。 

 

ライフル片手の男はやがて競技場の中へ。 試合開始直前、場内は9万の観客でふくれ

 

あがっていた、、。

 

 

 

 

こちらは1976年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (115分)

 

何故か不定期に観返してしまう映画というものがありまして、映画史に残る名作で

 

も、有名作品でもないのについつい観てしまう私の不思議な映画がこの作品です。

 

 

 

 

  日曜日のロスアンゼルス 校外のホテルの一室、おもむろにライフル銃を取り出

 

し照準器を覗く男。 そこをたまたま通りかかったカップルを迷う事なく射殺します。

 

分解したライフルを服に忍ばせホテルを後にします。 ここまで男の主観映像の為、顔

 

は一切映されません。 この日は地元ロス・チームとボルチモア・チームとの王座をめ

 

ぐるアメフトの大試合があり、街中がごったがえしていました。 ラグビー

 

 

 

 

世紀の試合を観ようと会場のスタジアムには多くの人々が押し寄せて来ます。 その

 

観客の中には 失業したばかりの旦那とその家族、多額の借金をこの試合の賭けで返さ

 

なければ命がない男、結婚生活が破綻した夫婦、老人のスリ師と女のコンビ、故障し

 

たヒザを心配するベテラン選手とその友人の神父、医者とその隣に偶然座ったカップ

 

ル、他にも地元の議員と知事、有名人に大統領までも訪れる予定になっていました。

 

 

 

 

そこへライフルの男もやって来ます。 男は観客席ではなくスコアボードのある見晴ら

 

しの良い塔へと侵入し、ライフルを組み立てます。 銃

 

 

 

 

誰一人それに気付かぬまま試合は始まります。 男に気付いたのは全米に中継してい

 

るテレビのモニター室でした。 空撮のカメラがライフルを持った男を偶然見つけ、警

 

察へと通報します。

 

 

 

 

 しかし、塔は要塞のように簡単には近づけない構造になっていていました。 ロス市警

 

のホリー警部は観客がパニックにならないようSWATの出動を要請し、秘密裏に男の

 

確保を進めるのでしたが、、。 というお話です。 ランニング

 

 

 

 

本作は70年代に流行した一連の作品 「大空港」​​​​​「ポセイドン・アドベンチャー」

 

「タワーリング・インフェルノ」 と同様のパニック映画です。 しかし、大きな火災や

 

沈没という大惨事は起こりません。 

 

 

 

 

9万人という観客が埋まったスタジアムに現われた、たった一人の狙撃者と、秘密裏

 

に動く警察との静かな攻防が描かれます。 

 

 

 

 

この作品の魅力は、目的も不明な一人の狙撃者の不気味さと、その被害を出さないよ

 

うに動くSWATと警察の連係と作戦、それぞれの事情、思惑、偶然によってスタジア

 

ムへ訪れた人々の群像劇、その3つのコントラストが微妙に絡み合い、狙撃者が行動

 

に移すその瞬間までの緊張感がたまらなく好きなのです。 爆弾 

 

 

 

 

特にこの作品の発端となる狙撃者が、目的はもとより、姿さえも映画の後半まで見え

 

ません。 映るのは狙撃者自身ではなく、男が覗く照準器の中に映る標的の観客のみで

 

す。 何が目的なのか?誰が犠牲になるのか?

 

 

 

 

その描写が余計に不安と不気味さを掻き立て、70年代という混沌とした時代の空気

 

をそこに感じてしまう私なのでした。滝汗

 

 

 

 

本作の警察署長を チャールトン・ヘストン、SWATのリーダーを ジョン・カサヴェテ

 

スがそれぞれ演じていて、渋い男の刑事ドラマが堪能出来ます。 ジーナ・ローランズ

 

まで。

 

 

 

 

そして映画後半では、前記作品の中でも最多の人数によるパニックシーンが観られま

 

す。 実際のスタジアムと観客を使い、テレビ中継のモニターという生々しい映像に

 

よって、時にドキュメント風で、リアリティのある体験ができる作品です。  カメラ

 

 

 

 

映画の最後で、素性が分からない狙撃者に対し、「連日テレビで放送されるさ 通った

 

学校 優しい母親 ペットの名前 昔の先生 死者の数 そして警察への非難」 と、世の中

 

への皮肉ともとれる言葉で締めくくられています、、。

 

 

 

 

漠然とした不安と同時に、銃社会の怖さも描いているのですが、ドキュメンタリー映

 

画「ボーリング・フォー・コロンバイン」 を観た後、そしてこの作品を連想させる

 

2017年のラスベガス銃乱射事件の後では、チャールトン・ヘストンが銃社会の恐

 

ろしさを間違った方向に解釈してしまったんだな~と悲しくなる所もあります。 あせる

 

 

 

 

まぁ自分自身、どこに惹かれて観ているのか明確には説明出来ないのですが、意外と

 

そんなものかもしれませんね。 と、お茶を濁す無責任な私をお許しください。

 

とはいえ、70年代独特の雰囲気が味わえるサスペンスフルな映画となっております

 

ので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー