1400名の乗客を乗せてニューヨークからギリシャに向かう豪華客船ポセイドン号が32メートルの大津波に襲われ転覆爆破し、生き残った船客が超人的な勇気で脱出をこころみる姿を描く
大西洋を航行中の豪華客船ポセイドン号を大津波が襲った。 船は一瞬で転覆し、パーティを楽しんでいた乗客に多大な犠牲者がでる。 客船事務長は生存者に、ホールで救助を待てと指示を出す。
しかし、船内に留まるのは危ないと判断したスコット牧師は、ニューヨークの刑事マイク・ロゴ夫妻、マニー・ローゼンと妻ベル、雑貨商マーティン、歌手のノニー、シェルビー姉弟、ボーイのエイカーズの9人と共に、爆発と浸水が続く船内からの脱出に挑む。
こちらは1972年制作の アメリカ映画 です。 (117分)
私が中学生の頃は、今のように 「お子様」 映画全盛ではなく、テレビでも大人の映画
( 風と共に去りぬ とか ) が放送されておりまして、アクション作品や 特撮作品 が
放送されればラッキーな時代でありました。 スピルバーグやルーカスが登場する前で
したからね、、。そんな頃にテレビで観たこの映画。 それは、それは、素晴らしい感
動でありました。
地震によって起こった津波により転覆した 豪華客船 ポセイドン号。 逆さまに
なった船内で、牧師をリーダーにした9名が生き残る為、沈み浸水する海水から逃れ
て船底へと向かうサバイバルな人間ドラマが描かれております。
本作のヒットによって、オールスターのパニック映画 (ディザスター・ムービー) が
定着した記念碑的な映画でもある 「ポセイドン・アドベンチャー」 前半のミニチュ
アでの特撮 (懐かしい響き) そして、これでもか!という程作り込まれた逆さまセッ
トと、滝のように進入してくる海水の迫力 に釘づけになった私でありました。
それもさることに、牧師を中心とした9人の人間ドラマが短い時間ながらも、ちゃん
と個々のキャラクターが描かれている事で、自分も ポセイドン号に乗っている気分に
なります。
その為、船底までの長い道のりで出くわす困難な状況と、犠牲になる人物に、いつも
以上に感情移入してしまいます。 老夫婦の奥様 (シェリー・ウィンタース降臨!)
と、ラストでの自己犠牲の精神に、子供ながら胸を打たれてしまいました。
今もですが、、。
改めて観返すと、導くリーダーが牧師という事もあり、かなり宗教的な暗喩で描かれ
ていたんだな~と、再発見しました。 あたかも牧師が モーセ や キリスト のよう
に、困難、試練から人々を導いていく姿。
それでいて牧師自体は 神 ( 一般的な ) の存在を信じていないという設定、「 神は
頑張ったものしか救ってくれない 」 と皆を奮起させる牧師の姿に、これまた深いもの
を感じるのでありました。
反面、この年齢になってみると、この牧師のグイグイくる態度に、威圧感とうっとう
しさ を感じてしまうのは歳をとったからでしょうか、、?とは言っても、本作の牧師
役の ジーン・ハックマン になら 付いて行ってしまうでしょうね。
生きていて、ここまでの状況にはならないでしょうが、困難に陥った時に、この映画
を観ると少しだけ奮起する気持ちになれる、不思議な魅力を持った作品でございます
そう、本作の音楽は 我らの ジョン・ウィリアムズ でございました。 あまり、、、で
すが。
パニック映画とはこういうものだ!というお手本のような本作。 人間ドラマ、そして
アナログな映画作品の醍醐味もご覧いただけます。
まだご覧になっていらっしゃらない方は、この機会にでも鑑賞していただきたい作品
です。但し リメイク の 「ポセイドン」 は、お薦めしかねますのでご注意を(笑)
では、また次回ですよ~!