不可解な現象が起こる謎の領域 「エリアX」 がアメリカ国内の海岸地帯に拡大。現地に調査隊が派遣され、元兵士の生物学者レナの夫も加わるが、彼らは音信不通となり行方不明になってしまう。 やがてレナの夫だけが生還したものの、瀕死の重傷を負っており昏睡状態に。 レナは夫の身に何が起きたのか突き止めるべく自ら調査隊に志願し「エリアX」 内部の未知の領域に足を踏み入れる。そこで彼女が目撃したのは、、

 

 

 

 

 

 

こちらは2018年制作の アメリカ アメリカ イギリス イギリス の合作映画です。(115分)

 

こちらでもご紹介した異色SF映画 「エクス・マキナ」 の アレックス・ガーランド

 

監督2作目の作品でジェフ・ヴァンダミアの小説「全滅領域」を映画化したものです

 

 

 

 

  主人公レナをナタリー・ポートマンが演じ、「エクス・マキナ」の監督のSF映

 

画にもかかわらず、あまり知名度がないのがちょっと不思議でしたが、映画を観て少

 

し理解出来ました。 お話の解釈が謎めいていて、一筋縄ではいかない内容だったの

 

です。エリアX 内にある「シマ―」という領域から帰還したレナの報告を聞く形で物

 

語は進むのですが、ザックリとしたストーリーは 上矢印 をご覧頂くとして、なんだか

 

んだのお話がありレナを含む5人の志願者が任務に就く事になります。 それぞれ心理

 

学者、地形学者、物理学者を専門とした、女性ばかりの調査隊がシーマと呼ばれるシ

 

ャボン玉のような空間に入って行く事になります。  ランニング

 

 

 

 

突然、レナが目覚めると翌日までの記憶がありません。 他の隊員も同様で、食料の減

 

りから計算すると4日が経過した事になります。 通信もコンパスも正常に働きませ

 

ん。それでも彼女等は、この現象が起こったとされる隕石が落ちた地点にある灯台を

 

目指して進みます。 そこには不思議な景色が広がっていました。 一つの根から生えた

 

植物に様々な種類の花が咲いていたのです。 壁には色鮮やかなカビ状のものが生え、

 

消息を絶った兵士らしい遺体にも胞子と植物と同化した変容が見られました。 

 

 

 

 

その最中、水辺に居た隊員がワニに襲われます。 なんとか仕留めたそのワニの口には

 

サメのような歯が生えていました。 調査隊はシマーの中では生物に対して何らかの変

 

異が発生すると推測します。ある建物に辿り着いた調査隊は、前の調査隊が残した映

 

像を発見します。 その映像には隊員の腹を切った中で得体の知れないものがうごめく

 

様子が収められていました。 動揺する彼女達、夜には隊員の一人が何かに連れ去られ

 

てしまいますが、後に遺体で発見される事になります。 ドクロ

 

 

 

 

一行は、以前村だったであろう場所へと辿り着きます。 そこにはまるで人間を模った

 

ような植物が生えていました。 自然界ではありえない現象に対してレナは、シマーの

 

中ではあらゆるDNAを含む情報がプリズム効果で歪められてしまい、それが一連の

 

生物の変異や、通信妨害などに影響していると仮説をたてます。レナはそれを確かめ

 

ようと自分の血液を採り、顕微鏡で覗いてみます。そこにはシーマの影響下の中でレ

 

ナの体内入り込んだと思われる、異常な細胞分裂を見るのでした、、。 

 

 

 

 

その後も調査隊は先へと進みますがが、謎の生物の襲撃や急激な植物との同化等で

 

隊員が亡くなり、目的地に着く頃にはレナと隊を率いる心理学者のヴェントレスだけ

 

になってしまいます。 先発したヴェントレスを追う形で灯台に辿り着いたレナでした

 

が、そこも異様な光景が広がっていました。 そして遂に灯台の中へ入るレナ、そこに

 

は ビックリマーク という驚愕のラストが持ち構えているのでありました  滝汗

 

 

 

 

本作をサラ~っと観るとちょっと難解に感じてしまう所も多々ありますが、意外や、

 

ちゃんと観ていればセリフや映像で大まかな説明はされています。本作と同じ臭いを

 

感じる作品に、タルコフスキーの「ストーカー」や「惑星ソラリス」を思い浮かべま

 

したし、究極のテーマとして「2001年」にも通じる所があります。自傷、自己破

 

壊、プリズム、屈折、乱反射、細胞分裂、進化、変容、そして再生、というキーワー

 

ドが、人間の持つ好奇心と空想を掻き立ててくれるのでした。こうした映画のプロッ

 

トも興味深いのですが、それを具体的に表現したファンタジックでナイトメアな映像

 

は前作に負けない幻想的なインパクトがあります。 

 

 

 

 

ともするとアート寄りになりがちな作品ですが、シーマの中を行く調査隊の行動は、

 

時にサバイバルアクション映画のようなバトルシーンも登場して、エンターテインメ

 

ント映画のツボもちゃんと抑えています。 中盤に登場するスケルトン状態の熊などは

 

鳴き声も含めてホラー映画さながらの恐怖体験です。 ナイフ ただ最初からレナが死な

 

ない事が分ってしまっている為、そのドキドキ感はありません。そして調査が進む間

 

にもレナの過去のラブラブシーンや、不倫に悩む場面等が挿入される事で、シーマ内

 

の緊張が度々途切れてしまい現実に引き戻されるという、ちょっと残念な所もありま

 

した。そもそも何故女性ばかりなのか?とか、訓練しなくていいの?とか、色々とノ

 

イズになる箇所もありますが、それはそれで良しとしましょう、、。

 

 

 

ラストの「アレ」からの、新アダムとイブを予感させる展開と、トリップ感漂うエン

 

ドクレジット。映画が終わってから、それぞれ好きな解釈でシーマという空間につい

 

て、あぁだこぅだと考察するのを楽しむ作品なのかも知れません。本作は正に、SF

 

映画の皮を被ったバイオホラー作品でございます。 チューリップ そうそう、本作の原作は3

 

部作になっていて、この 「全滅領域」が1作目でその続編が「監視機構」そして「世

 

界受容」とつづいています。 映画化権を買っているそうですが、多分この作品のみ

 

で映画は完結だと思いますので、ちょっと変わった作品を観たい方は、この機会にで

 

もご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー