1986年、ソビエト連邦時代のジョージア(グルジア)で製作され、当時のソ連で大ヒットを記録した脱力系カルトSFコメディ。完成時の試写では、批評家からさんざんに不評だったが、公開されるや若者の圧倒的な支持により、ソ連全土で1520万人という驚異的な動員のヒットになった作品です。

 

 

 

 

 

 

                 - Кин-дза-дза! -  監督 ゲオルギー・ダネリヤ 

 

出演 スタニスラフ・リュブシン、レヴァン・ガブリアゼ、エフゲニー・レオーノフ

 

こちらは1986年制作の ソビエト連邦映画  です。(135分)

 

 

 

 

  妻に頼まれ夕飯の買い物に街へ出た建築技師マシコフに、「あの人が変なことを言ってます」と学生ゲデバンが助けを求めてきました。 浮浪者のようなその男は、自分は他の惑星から来た者で、自分の星に帰りたいと2人に訴えます。 そんな話など信じないマシコフは、男が持っていた“空間移動装置”のボタンを誤って押してしまいます。次の瞬間、マシコフとゲデバンは砂漠のど真ん中に立っていました。 「もしかして、あの男の星にワープしてしまったんじゃないか、、」 と不安がるゲデバンに 「ここはソ連国内の砂漠、カラクルムだ」 と言い張るマシコフ。 

 

 

 

 

しかし、そこは地球から遠く離れたキン・ザ・ザ星雲の惑星プリュクだったのでした。 その星の住民は地球人と同じ姿をしていて見かけによらぬハイテクと、地球人類を風刺したかの様な野蛮な文化を持っていました彼らはテレパシーを使うことができ、話し言葉は  「キュー」 と 「クー」の2言のみでしたそこでは何故か地球のマッチが超貴重品で、2人は喜重品のマッチの価値を利用してなんとか地球へ帰ろうとするのでしたが、、。 という物語です。

 

 


 

 

前からタイトルだけは聞いていた映画でしたが、満を持して 「発掘良品」に登場!リマスター版を観る事がやっと出来ました。 サイズは、昔のテレビ画面のサイズでの鑑賞になります (左右に黒い帯が出たスタンダードサイズというやつですね) いわゆる 「カルト」 映画と呼ばれている作品ですが、そこに難解さは無く、普通にご覧になっても全く問題無い作品でございます。 若干のゆるさはありますが、、。

 

 

 

 

ホームレスのような恰好で、他の星からやって来たという男に、偶然街で出会ってしまった男二人。 その男の持っていた、空間移動装置というボタンを押した瞬間、観た事もない、一面砂漠のような場所に来てしまった、中年マシコフと青年ゲデバン。 最初は地球の何処か、と思っていたのですが、砂漠を彷徨ううちに、空から釣鐘のような乗り物が降りてきます。 その不思議な乗り物から降りて来たのは、みすぼらしい恰好をした、小太りと、ノッポのオジサンコンビでした。

 

 

 

 

話しかけてみるのですが、彼等には通じないようで、 「ク~」 という言葉を発するのみ。どうやら自分達は、地球ではない別の惑星に来てしまったんだ、と確信する二人そこから地球に何としても帰ろうとに奮闘する冒険が始まるのでありますが、なかなかそう簡単にはいかない世界だったのでありました、、。 砂漠に覆われた不思議な星で巻き起こる出来事と、そこに暮らす奇妙でおかしな人達規格外の遭遇によるカルチャーショックがクスっと笑える作品です。

 

 

 

 

この作品、脚本が完成して、撮影が始まるまでに、5年程かかったそうで、当時のソビエトの政治状態等も変化していった状況下で、様々な検閲をかいくぐる為、脚本もその都度変更していったようです。 そうです、この映画は、おとぼけSF映画の皮を被った、社会風刺の内容になっていたのです! 多分、、。

 

 

 

 

が、そんな事を知らなくても、どこの国にも当てはまる要素の風刺ですし、ゆるい不条理SFとして、ただただ娯楽映画として、観ても楽しめる内容になっています (個人的には、途中ダレる部分はありましたが、、) 難解ではなく、地球に帰る!という一方向に向かってお話が進みますから、観やすい事は確かですし、後半はなんと、ちゃんと人間ドラマとして着地させてきます。 どこへ行ってもやっかい事はあるものですね。

 

 

 

 

飛行船の中なんて、かなりアナログ感があって、「ハウルの動く城」を彷彿とさせます。 他にも 「デューン」、「マッドマックス」や、「未来世紀ブラジル」、「未来惑星ザルドス」なんかも思い起こさせるSF感とシュール感。 セットや、衣装も、なかなか手が込んでいて、意外とちゃんとした作りです。 そのくせお話がオフビートという所も味になっています。同じソビエトの アンドレイ タルコフスキー 監督 とは、真逆の描き方のSF映画でありますが、なかなか、他では観れない作品である事だけは確かですので、この機会にでも一度ご覧になってみてはいかがでしょうか?  「ク~~~~!」

 

では、また次回ですよ~! パー