ストーカー男のデビッドにつきまとわれているソーヤーは、母親に本当の理由を打ち明けないまま引越し新生活をスタートさせる。精神的に追い詰められていた彼女はとある施設でカウンセリングを受けるが、強制的に入院させられることになってしまう。警察に助けを求めたものの取り合ってもらえず、、。
こちらは2018年制作の アメリカ映画 です。 (98分)
「オーシャンズ11」 「トラフィック」 のスティーブン・ソダーバーグ監督が全編を
iPhoneで撮影し、ストーカー被害で精神的に追い詰められた女性が強制入院させられ
たことで体験する恐怖を描いたサイコサスペンスです。
ストーカー被害から逃れ、新天地で新たな生活を始めたソーヤーでしたが、いま
だにストーカー追われている恐怖感が拭えない彼女は、ある施設でカウンセリングを
受ける事に。 適当に書類にサインして帰ろうとしますが、何故か勝手に話が進み患者
扱いになってしまいます。
何かの手違いだと訴えますが、聞き入れられずそのまま精神患者のいる病棟に強制的
に入院させられてしまいます。ちょっと待って~ と訴えれば訴える程、ソーヤーが
異常に見えてくるという不条理な世界。 それだけでは収まらず、看護師の中に、あの
ストーカー男のデビッドまでが現われたものだからソーヤーは完全にカオスなパニッ
ク状態になってしまうのでありました、、。
ストーカー被害の後遺症からの妄想か、はたまた何か謎の策略か?という中盤までの
展開と、そこから病棟の友人が殺されたりしての新たな展開が起きたりと、サイコで
サスペンスフルなお話が閉塞的な病院という空間で繰り広げられます。
話を聞いてもらうだけのはずだったのに、何故強制入院に?まさか私がおかしいの?
それとも周りがおかしいの? という疑心暗鬼の精神的な恐怖の序盤に比べて、若干
中盤からの展開にこじんまりした感はありますが、その恐怖を越えた後に訪れる、本
当は現実だったのか、妄想だったのか?という不思議な後味の悪さがこの作品の魅力
かも知れません。ちょっと「カッコーの巣の上で」の恐怖も感じる作品でもありまし
た。
iPhoneで撮影された映像がソーヤーの閉鎖的な心理状態と重なって観て、いるこちら
も不安にさせる効果を生んでいて物語とマッチしておりました。
主演の クレア・フォイ 「蜘蛛の巣を払う女」 の他、ちょい役で マット・デイモン が
出ていたり、初期のデ・パルマ映画の印象が強い エイミー・アーヴィング も出演され
ていたりと、俳優陣だけでもなかなか興味深い作品となっています。
小品ながら、それを最大限に活かしたソダーバーグの手腕が光るサスペンススリラー
に仕上がっておりますので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。
では、また次回ですよ~!