ある殺人事件の裁判のためごく一般の市民12人が集められた。 被告が若くて美しいことから議論は概ね無罪で決まりかけたとき、ひとりがそれに異を唱えたことから議論は白熱紛糾し、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1991年制作の 日本映画 日本 です。 (116分)

 

1954年に生放送されたテレビドラマを、1957年に映画化したシドニー・ルメ

 

ットの「12人の怒れる男」を日本に置き換えた三谷幸喜による戯曲の映画化作品で

 

す。

 

 

 

 

  12人の一般市民が陪審員として会議室に集めらます。彼等が審理する事件は

 

元妻による夫殺しの案件でした。21歳の母親になる彼女は、ヒモ状態の夫に愛想を

 

尽かし、5歳になる息子と家を出ていました。しかし夫は復縁を望んでおり、夜の歩

 

道で彼女に襲いかかります。 2人はもみ合いとなり、道路側によろめいた夫はトラッ

 

クにはねられ死亡してしまいます。 

 

 

 

 

彼女は殺意を否定し、無罪を主張していました。 しかし、目撃者の主婦は、“2人は

 

対等にやりあっており、彼女は「死んじゃえー!」と叫んでいた”と証言します。トラ

 

ックの運転手は、“自分はクラクションを鳴らしたが、彼女は被害者を突き飛ばした”

 

と証言していました。 しかし被告人は、“襲われたので抵抗したが、彼を突き飛ばし

 

ていないし、クラクションの音も聞こえなかった”と証言しているのでした、、。

 

 

 

 

評決は全会一致が原則。 最初の決で12人全員が「無罪」に挙手して呆気なく審議終

 

了・解散となりかけますが、陪審員2号が 「話し合いがしたいんです」 と言って意見

 

を「有罪」へと翻す事にします。 いざ話し合いが始まってみると、理由があやふやな

 

人や参加意欲の乏しい人、自分の意見を持たない人、意固地すぎる人等、さまざまな

 

人がいて、議論して有罪無罪の決をとるたびに各自の考えは二転三転する始末。

 

 

 

 

こんな状況で、良くも悪くも日本人らしい12人が男性の死をめぐって事件か事故

 

か、有罪か無罪かで激論を交わす事になるというお話です。  本

 

 

 

 

当時はまだ日本になかった陪審制度が、もしもあったら? という根幹の設定が今では

 

崩れてしまっているものの、映画のストーリーには全く影響は感じられません。

 

ただ、舞台のテンションとキャラ、演技をそのまま映画に移し替えた感があり、かな

 

りのこってり味がオープニングから続きます。 これを面白いと捉えるか、しつこい

 

と捉えるかが、この作品の好みの割れる所かも知れません。 

 

 

 

 

私個人にはちょっとしんどい会話が多く、かなり時間が経ったかと時計を見たら、ま

 

だ30分しか経っていなくて、これはヤバイかも、、と心配してしまいました。最初

 

の飲み物を決める件で日本人的なのらりくらりを印象付けようという意図があるので

 

しょうが、ついついイライラしてしまった私。

 

 

 

 

その上12人のキャラのほとんどが面白いでしょ?と言わんばかりのデフォルメされ

 

た人達ばかりの為、メインであるはずの審理されている 妻が夫を殺したという殺人事

 

件も軽いものに感じるようになり、事件の真実を解明する裁判劇の醍醐味の展開は後

 

半に少しある程度で、それまでは面白キャラ祭りの面白話を見せられる事になります

 

 

 

 

ワンシチュエーションの密室劇の緊張を狙ったものではない、息苦しさを感じるのは

 

キャラの渋滞や尋常でない大声のやりとりだけでなく撮影のアングルの単調さにもあ

 

るように思えました。とにかく窓を開けて空気を入れ替えたくなる作品であります。

 

 

 

 

本作ではまだ監督デビューしていなかった三谷幸喜さんですが、これまでに監督した

 

「みんなのいえ」 「THE 有頂天ホテル」 「ザ・マジックアワー」 等は観ていたので

 

すが、やはりどの作品からも漂う 「面白いでしょ!」 臭が、私にはそもそも合わない

 

ものだとあらためて実感致しました。これは三谷幸喜さんの作品が悪いとかではなく

 

私との相性が良くないというだけの事でございます。 

 

 

 

 

コロンボ を模倣した「古畑任三郎」 は好きなのですがね、、あれはテレビドラマだか

 

ら気にならなかったのか はてなマーク  謎です。とは言っても 「12人の怒れる男」 の模倣だけ

 

では収まらない、裏切りのもうひと展開がちゃんと用意されている事や、日本人的な

 

感覚が活かされていたりと、オリジナルな面白さもちゃんとあって楽しめるのではな

 

いでしょうか、、?

 

 

 

 

多分、多くの方がお好きな 三谷幸喜さん の代表作でもある本作ですから、偏った私の

 

感想などに惑わされる事なく (居られないと思いますが) ご覧になればきっと楽しめ

 

る映画だと思いますので、この機会にでもご覧になってみてはいかがでしょうか?

 

では、また次回ですよ~!  パー

 

 

 

 

 

 

 

私の大好きなオリジナルの「12人の怒れる男」 こちらも機会があれば是非です ビックリマーク