40年前、狂った父親に殺されかけるという壮絶な体験を生き延びたダニーは、トラウマを抱え、大人になったいまも人を避けるように孤独に生きていた。 そんな彼の周囲で児童ばかりを狙った不可解な連続殺人事件が発生し、あわせて不思議な力をもった謎の少女アブラが現れる。 その力で事件を目撃してしまったというアブラとともに、ダニーは事件を追うが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2019年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(152分)

 

スティーブン・キングが1977年に発表した小説 「シャイニング」 、その小説を映

 

像化した スタンリー・キューブリック の映画が1980年。その40年後を描いた続

 

編が本作になります。

 

 

 

 

  オーバールックホテルの惨劇から40年後、ダニーはトラウマから逃れる為、過

 

去の父親のようにアルコールに溺れる自堕落な生活を過ごしていました。 ロックグラス リキュール

 

そんなダニーの周囲では子供の失踪事件が起きていました。同じシャイニングを持つ

 

ディックに諭されたダニーは人生をやり直す為に、アルコールを断つ事を決意し、ニ

 

ューハンプシャーへ移り住んでホスピスで働く事になります。 病院

 

 

 

 

アルコールによって封印されていたシャイニングが蘇り、死の縁にある患者に寄り添

 

い慰めを行う彼を、いつしか患者は ドクター・スリープと呼ぶようになっていました

 

8年後、平穏な生活を送るダニーの前にアブラという少女が突然現われます。 彼女は

 

ダニーと同じシャイニングの持ち主で、トゥルー・ノット という ヴァンパイア集団の

 

存在が居る事をダニーに教えます。 

 

 

 

 

トゥルー・ノット はシャイニングを持つ子供を殺し、その生気を吸って生き長らえて

 

いる集団でした。 強いシャイニングを持つアブラに気付いたトゥルー・ノットは彼女

 

に狙いを定めていました。 それを知ったダニーはディックの助言に従いアブラと共に

 

トゥルー・ノットと対峙する決意をするのでした、、。

 

 

 

 

「シャイニング」 がホラー映画だとすると、「ドクター・スリープ」 はサイキックバ

 

トル映画とでも言うのでしょうか? キング原作の正規続編ではありますが、アプロー

 

チは全く違う作品になっています。初めて劇場で観れたキューブリック作品が「シャ

 

イニング」だった私のように、前作に思い入れがある人程、この映画の賛否は当然分

 

れるのは当然であります。そんな事は観る前から分かりきった 別作品 として観るのが

 

本作の正しい鑑賞方でござりまする。

 

 

 

 

前作では現実的な世界に潜む狂気と恐怖を描いたものでしたが、本作ではほぼ完全に

 

非現実なキャラクターと世界観の中で繰り広げられるバトル物になっている為、残念

 

ながらホラー要素もだいぶ影を潜めています。  おばけ 

 

 

 

 

そんな事もあって、続編としてよりも別のエンターテインメント映画として頭を切り

 

替えれば?楽しめる作品となっています。 ただ、やはりテンションが上がるのが前

 

作で流れていた不気味なテーマ曲だったり、キューブリックが画面上に創造した様々

 

なアイコンだったりしてしまうのは致し方ありません。 ドクロ

 

 

 

 

新たな登場人物の少女アブラとトゥルー・ノットの女性ボス ローズとのシャイニング

 

を使ったサイキックバトルや騙し合いは映画的に楽しめますし、シャイニングという

 

能力の新たな使い方にも幅が広がっていて映像的な新鮮味を感じます。

 

 

 

 

反面、突如現れたトゥルー・ノットというヒッピーにしか見えない集団に悪役として

 

の魅力を感じないのが残念な所でありまして、それぞれ特技があるようながらそれを

 

作中で披露出来ていなかったり、人間同様一発の銃弾で倒されてしまったりと、ただ

 

のギャングのような、なんとも中途半端なワルっぷりが物語の緊張感を削いでおりま

 

した。

 

 

 

 

後半では場所をオーバールックホテルへ移し、サービスとも思えるホテル内の完全再

 

現で前作ファンの心をくすぐってくれます。それでも不思議な事にホテル内や迷路の

 

庭を完全再現しているにも関わらず、本作の画にどこかチープさが見えてしまうのは

 

キューブリックのキューブリックたる所以を嫌でも感じさせられてしまうのでした

 

 

 

 

ここでダニーは父親のジャックと再び対面する事になりますが、このジャックを演じ

 

ている俳優さん、何処かで見た事あるな~と思っていたら、あの 「E・T」の ヘンリ

 

ー・トーマス君でありました。まさかここで久しぶりの再会をするなんて、、。個人

 

的にはジャック・ブラックが適任だと思った私でしたが、皆さんはいかがお考えでし

 

ょうか はてなマーク

 

 

 

 

原作のラストでは焼失したはずのオーバールックホテルとの映画上の矛盾を上手く利

 

用してちゃんと完結させていたりと、前作とのバランスを上手く保ちながらも新しい

 

エンタメ作品としてちゃんと楽しませてくれているあたりに好感が持てる作品です。

 

 

 

 

何はともあれ ユアン・マクレガー が主人公のダニーを演じているのですから、もうそ

 

れだけでOKなのでござりりまする。ビックリマークという訳で、あの「シャイニング」の続編が

 

これだったのかスティーブン・キング?という気もしますが、作品は作者のものとい

 

う事で、前作にこだわらず、これはこれというスタンスでご覧になれば楽しめる作品

 

だと思いますので、機会があればご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー