小さな田舎町で再び連続児童失踪事件が起こり、「COME HOME COME HOME (帰っておいで、、、)」 という、「それ」からの不穏なメッセージが届く。 幼少時代に「それ」の恐怖から生き延びたルーザーズ・クラブの仲間たちは、27年前に誓った約束を果たすため、町に戻ることを決意するが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2019年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (169分)

 

2017年に公開され、こちらでもご紹介したホラー映画 「ITイット」 の続編で、

 

前作の27年後の大人になったルーザーズクラブの面々とペニーワイズの戦いが描か

 

れます。

 

 

 

 

  前作を鑑賞していながらも、かなり漠然としか覚えていなかった為に観返そうか

 

とも思ったのですが、「まぁいいか!」 という事で、うろ覚えの不安の中でレンタル

 

してみました。 で、ディテールは忘れているものの、映画本編の中で丁寧に子供時

 

代の設定や核の部分をかなり事細かく復習してくれているので、私と同じような方に

 

は心配御無用な構成になっております。 

 

 

 

 

逆に言うと、ルーザーズクラブのメンバーは7人いますから個々の少年時代と現在の

 

エピソードを理解出来るように描いている分、そう、その為上映時間が169分 ビックリマーク と

 

いう、この手のジャンルにしてはかなり長尺なボリュームとなってしまっています。 

 

個人的な体感としてはさほど長く感じませんでしたが、人によってはちょっと尻込み

 

してしまう方もおられるかも知れませんね、、。 滝汗

 

 

 

 

お話は前作を観てさえいれば至ってシンプルで、27年前に倒したと思っていたピエ

 

ロペニーワイズが、再び故郷のデリーで復活した事を知った地元民のマイクが、大人

 

になったルーザーズクラブの面々に、約束通りデリーへ戻るよう連絡を入れる事から

 

始まります。 

 

 

 

 

集まった面々ですが、何故か皆、少年時代の事をあまり覚えていないという状況。 

 

故郷へ戻った事でその頃の記憶とトラウマが徐々に蘇り、過去の自分とトラウマの象

 

徴でもある あいつ と戦う事で、克服と成長をしていくというストーリーになっていま

 

す。記憶を徐々に思い出していくという過程は、うろ覚えで観ている私等には好都合

 

で、主人公達と同じように過去を思い出していく事で共感しやすくなっていました。

 

 

 

 

流石に2作目ともなると、既にアイコン化してしまっているペニーワイズが登場して

 

も恐怖感は湧きませんし、相手が大人になってしまっている事もあってか、かなり幼

 

稚に見えてしまうのは致し方なく、ドキドキのホラー要素は少なくなっています。

 

 

 

 

その分、あの手この手と対象によって見せ方の献立を変えてくるペニーワイズの几帳

 

面さが可笑しく、ほとんどの登場シーンが良い意味で笑ってしまいました。 つくづ

 

く笑いと恐怖は紙一重だと痛感した私でした。 

 

 

 

 

そうそう、多くの恐怖シーンが他のホラー作品で観たようなものだったのも残念ポイ

 

ントで、「ゲットアウト」 の顔面フリーズや、頭部から足が生えてくる 「遊星からの

 

物体X」、血のり上等のトイレのドアからのセルフパロディ 「シャイニング」 (ステ

 

ィーブン・キングは嫌っていたはずのキューブリック版の方とは!) もうここまで来

 

ると狙ってるとしか思えない程なのでした。 

 

 

 

 

ペニーワイズとジェームズ・マカヴォイが対峙する場面では彼が 「スプリット」 のビ

 

ーストに変身するのでは?なんて考えたりして、、。 まぁそうは言っても、手間暇

 

とお金のかかった最新の映像は見事で、それなりに楽しんでしまいましたけど。

 

 

 

 

で、最終的な興味のペニーワイズって何?というミステリー的な謎ですが、ザックリ

 

とした解答はあるものの、映画を観ただけでは細かな部分に謎や疑問が残るもので、

 

答えとしては少々残念な結果となっています。 

 

 

 

 

後半の変身からのバトルも結構な時間を費やしていた為、ちょっと画的に飽きてしま

 

った所も正直ありました。 劇中の 「いつも脚本の最後が、、」 という件は本作の伏

 

線だったとも思えるセリフでした。 回収!

 

 

 

 

その分、成長した彼等の人間ドラマに趣きが置かれていますが、大人になった現在の

 

彼等にはあまり魅力がなく、回想の少年時代の方がキラキラして魅力的なのには、あ

 

る種の大人になってしまった大人目線的な憧れと後悔の悲しい心情が見え隠れしまし

 

た。しかしオープニングのゲイカップルの場面は何だったのでしょう? 本編のどのホ

 

ラーシーンよりも嫌悪感と恐怖を感じました。 閉塞的な町や思想を象徴した場面な

 

のか?一番のホラーでした。 ドクロ 

 

 

 

 

構成やテーマも 「スタンド・バイ・ミー」 ではありますが、ちゃんとドキッとさせ

 

て、尚且つ笑わせてくれます。 映像も綺麗で、撮影と特に編集に見所が多い作品で

 

す。 そうそう、ちゃんと ジェシカ・チャステインも出てますし、作者のスティーブ

 

ン・キング自身もホラー顔全開でカメオ出演されておりました。

 

 

 

 

少年時代のトラウマからの脱却と成長、自身のアイデンティティの確立、そして友情

 

と、意外や恋愛にキュンとする所もあったり  ラブラブ  (ベンのビフォア―、アフターの落

 

差が最もショッキングだったりして) ホラーとしての物足りなさは若干ありますが

 

逆にホラーが苦手な方でも他の部分で楽しめる 幕の内弁当 的要素が強い作品ですので 

 

機会があればご覧になってみて下さいませ、です。 目 

 

では、また次回ですよ~!  パー

 

 

 

 

 

 

 

作者と出演陣の解説です。 鑑賞の参考までに、、。 風船