1988年、アメリカの田舎町デリー 町では子供ばかりが行方不明になる不可解な事件が続いていた ある日、内気で病弱な少年ビルの弟ジョージーも1人で遊んでいる時に何者かに襲われ、道端の排水溝に姿を消してしまう 以来、弟の失踪に責任を感じていたビルはある時、見えるはずのないものを見てしまい恐怖に震える やがて、眼鏡のリッチーや悪い噂のあるベバリーなど同じような恐怖の体験をしたいじめられっ子の仲間たちと協力して、事件の真相に迫ろうとするビルだったが…。

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の アメリカ映画  アメリカ です(135分)

 

以前ご紹介した、「MAMA」 のアンディ・ムスキエティ監督のこれが2作目となり

 

ます 皆様、よくご存知の スティーブン・キング の長編小説の 2度目の映像化作品

 

で、劇場用映画としては、初の映画化となります (前作は、テレビ映画でございま

 

した)

 

 

 

 

「キャリー」「シャイニング」「ミザリー」「ショーシャンクの空に」「ミスト」

 

等々、多数の映画化作品があり、好みはあれど、名作が多い作家さんでありますが、

 

今作はどうでしょうかはてなマーク 小説と大きく異なるのが、原作が膨大で 長編な為、本作は 

 

少年時代部分 のみが描かれているという事でしょう この大きなチャレンジは成功し

 

ているように思えます ( ビジネス的とも捉えられますが、、、) いやらしい言い方

 

をしてしまいました  おじぎ

 

 

 

 

Movie 時代は1988年、アメリカの田舎町デリーに暮らす 主人公のビルは、弟のジョ

 

ージーに紙で舟を作ってあげます 大雨が降る中 雨 一人舟を道路に浮かべながら遊ぶ

 

ジョージ―でしたが、船が排水口の溝に入ってしまいます 船 ジョージーが排水溝

 

を覗くと、中から ペニーワイズ と名乗るクラウン姿の男が現れます ピエロ ペニーワイズ

 

は、「仲良くなろう」と言葉巧みに近づき、船を返してもらおうと手を出したジョー

 

ジ―の片腕を突然食いちぎります 

 

 

 

 

逃げようとするジョージーを、ペニーワイズは排水口に引きずり込むのでした この

 

オープニングは、幼いジョージ―が片腕を喰いちぎられ、のたうち 血まみれになると

 

いうかなりインパクトが強い描写で (アメリカ映画には珍しい、子供の残虐なシーン

 

です) こちらも映画の主人公達に共感するようリードされます  滝汗

 

 

 

 

弟ジョージーの失踪から8ヶ月、町では子供たちの失踪が多発しており、不穏な空気

 

が町を覆っていました そんな中、ビルと友人たちは夏休みを迎えます ヒマワリ ビルの

 

仲間は学校ではイケてない、つまはじきグループで、自らを ルーザーズ・クラブ と名

 

乗っていました 彼等はそれぞれ問題を抱えていました 吃音、病弱、厳格な親 等 

 

そこへ新たに 転校生で肥満児の少年、親を亡くし祖父に育てられている黒人の少年、

 

父親から性的虐待を受け続けている少女 という新たな友達も加わり、ルーザーズ・ク

 

ラブの面々で夏休みを過ごしていたのですが、それぞれ彼等の前に 風船ペニーワイズ 

 

と名乗る 「それ 」 が様々な形となって襲いかかってくるのでありました 

 

 

 

 

「それ」 の正体は謎ですが、どうやら彼等それぞれの 恐れているもの につけ込んで

 

いる事が分かって来ます その上、その現象はこの町で、27年前にも同じように起

 

こっていた事も判明します そして「それ」は大人には何故か見えていないようです 

 

何故27年毎に「それ」が現われ、子供を狙うのか ペニーワイズ という存在や目的は

 

いったい何なのか、、、 はてなマーク 

 

 

 

 

といった所が、本作の大まかな概要になります 原作が長編となっている要因の一つ

 

が、少年達 一人一人の置かれている状況や、苦悩が細かく描写されている為です、本

 

作に於いても、その子供達個々の抱えている問題と、それによって起きている 恐怖心 

 

が、ペニーワイズの格好の標的となる原因になります ダーツ このペニーワイズという

 

恐怖の象徴が子供の前に現われる時、合図のように赤い風船 風船 が現われます それ

 

は他者には見えません クラウン ピエロ のような外見も、普通は子供達の気を引いて楽し

 

ませる存在ですが、それは外見だけで、実際のクラウンもメイクの下の表情は隠れて

 

いる為、人間の2面性を表す象徴にも見えます 

 


 

 

このペニーワイズの特徴は、真夜中や暗所だけでなく、真昼の野外や光が差し込む場

 

所にも登場し、その姿も相手の恐れによって様々に、姿や現象となって現われます 

 

それぞれの対象によって、恐怖ネタを変更して来るという几帳面さがあって、そのバ

 

リエーションの多さで楽しませてくれますが、それが仇となってか、子供を相手にし

 

ている為か、劇場という環境でないと、ホラー映画的怖さは弱くなっています  出現前

 

の 風船 という律儀さも 「あ、これから登場ね!」 と、分かった状態でのご本人登場

 

です 骸骨

 

 

 

 

ただ、この映画の魅力はそのペニーワイズではなく、個性的な子供達です 夏休みとい

 

う状況や、自転車での移動や川遊び 子供達だけの目線で物語が進行する気持ちよさ、

 

まさに 「スタンドバイミー」 や 「グーニーズ」 「E・T」 を彷彿とさせます そん

 

な子どもたちですが、全員が家族との間にそれぞれの問題を抱えていて、両親からの

 

まっすぐな愛情を受けている子どもは1人もいません その上、同級生からのイジメ

 

や、無視、差別 が横行している子供達の世界 大人たちの無関心 を利用して子どもに

 

危害を加え続けるペニーワイズが子どもたちに見せるトラウマの数々よりも、この

 

「無関心」の描写の方が恐ろしいです   ヒッチ

 

 

 

 

そんな 無関心 の集まりの仲間 ルーザーズ・クラブ が、ペニーワイズに打ち勝つ術を

 

見つけ出します それは、ペニーワイズに恐れを感じている間は決して勝つことはで

 

きない という事 そして仲間の 絆と信頼 を武器に恐怖を乗り越え、ペニーワイズの

 

方に「無関心」を味わわせ、自分達の恐怖を克服する事によって、ルーザーズ・クラ

 

ブの子供達は成長​​​​します。恐怖を使ってキャラクターを描写し、こちらは登場人物と

 

共に恐怖を感じることで感情移入し、それ に立ち向かうドラマを物語の山場に設定す

 

ることで、ホラーと子供達それぞれのドラマを ミックスする事で、普通のホラー映画

 

とは違った 「ひと夏の成長物語」 のような作品に仕上がっています

 

 

 

 

本作の中に登場する異様なまでの 無関心で異常な大人達 下水道を使う理由 その意

 

味と謎は、、、という所がエンディングで匂わされ幕を閉じます !? そして、予備

 

知識がないままご覧になると、ラストのエンドクレジットの一文字に度肝を抜かされ

 

ます。この映画を観ると、自分が少年少女だった、あの夏の日 を、ちらっと想い出す

 

かも知れません あの日に帰った気分でご覧になってみてはいかがでしょうか はてなマーク で

 

す。

 

 

 

 

あ、そうそう 最後に気になった、どうでもいい事で 80年代少年映画あるあるなので

 

すが、むこうの自転車には、スタンドが付いてるものが少ないのか? 自転車  自転車から

 

降りる度に、道へ 「ガッシャーン」ハッと倒すのが妙に気になってしまい、自転車可

 

哀そう、と思ってしまった自転車愛用者の私でありました (本当にどうでもいい個人

 

的思いでした、、、)

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

監督、出演者 スティーブンキング のコメント入りのメイキング有の予告版もございます