1960年代。父ジェリーと母ジャネットとともに、カナダとの国境にほど近いモンタナ州の田舎町に引っ越してきた14歳のジョー。 ようやく生活が落ち着きだした矢先、ジェリーが働いていたゴルフ場をクビになってしまう。 生活が苦しくなる中、仕事を選り好みするジェリーにジャネットの苛立ちは募るばかり。 やがてジェリーは妻子を置いて、危険な山火事の消防士として出稼ぎ仕事に旅立ってしまう。 残されたジャネットとジョーは、生活のためにそれぞれ仕事を見つけるのだったが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2018年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (105分)

 

俳優の ポール・ダノ 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 「プリズナーズ」 の初監督

 

作品で、キャリー・マリガン 「未来を花束にして」、ジェイク・ギレンホール 「ノク

 

ターナル・アニマルズ」 が主演されております。 まぁ、ジェイク目当てでレンタル

 

したのですが、、。

 

 

 

 

  お話は モンタナ州の田舎町に引っ越してきた3人家族の物語。

 

ある日、父ジェリーは勤めていたゴルフ場をクビにされてしまいます。 妻のジャネ

 

ットと14歳になる息子のジョーは次の仕事を決めかねている父を心配していました

 

家計の為、2人はそれぞれアルバイトを始めますが、しばらくしてジェリーは近隣で

 

起きている山火事を鎮火させる仕事に就くと言いだし、「初雪が降る頃には帰る」 と

 

告げて家を出て行ってしまいます。  

 

 

 

 

しばらくしてジョーが学校から帰ると家にミラーという男がいました。 母のバイト

 

先で知り合った会社を営む独り身の裕福な人物でした。それ以来ジャネットは着飾る

 

ようになり、ジョーは複雑な気持ちになります。 ある日、母の誘いでミラーの家へ

 

ディナーに行く事になり、渋々出掛けるジョー。

 

 

 

 

ワインを飲み、ジョーの知らない過去の話をする母、酔っ払って父以外の男性とダン

 

スをする母、今までに見たことのない母の姿にジョーは戸惑います。 ディナーも終

 

わり車で待つジョーが、なかなかミラーの家から出てこない母を心配して窓から家の

 

中を覗くと情熱的にキスを交わす母ジャネットの姿を目撃してしまいうのでした、、

 

 

 

 

 自分のプライドとやりがいを求めて出て行ってしまった父、夫が居なくなった淋しさ

 

から眠らせていた女性が溢れ出していく母。 親という以前の 男と女 の欲求を優先さ

 

せる両親の間に挟まれながらも、なんとか家族という関係を壊したくないとバランス

 

をとる14歳のジョーの健気さが胸を打ちます。 

 

 

 

 

ジェリーとジャネット、どちらの気持ちも理解出来るのは年齢のせいでしょうか?中

 

盤は父親が不在な為、ジョーと母ジャネットのドラマが中心になります。 父が出て行

 

ってすぐ、「私を捨てる気かしら?最近してなかったし、、こんな話、イヤ?」 とジ

 

ョーに語るジャネット。 自分がジョーの年齢でこんな事聞かされたら気持ち悪くてた

 

まったもんじゃありません。ミラーの家での2人の空気に気付かないふりしたり、母

 

が父以外のハゲデブミラーとブッチューキスマーク してるの見たら、完全に女性不信のトラウ

 

マになりますよ!

 

 

 

 

徐々に母から女性へと変貌していく様が、時折ホラー映画のような狂気を思わせま

 

すが、ジョーはそんな両親を拒絶するどころか、ただただ見守るという大人の対応。 

 

両親を愛するがゆえに、子供という自身のアイデンティティを貫く事で、2人の絆を

 

守ろうとする強さと、その姿に、もどかしい痛みを感じてしまいました。

 

 

 

 

やっとジェリーが家へ戻り、微妙な空気が漂う中、ジャネットから不倫を告白されま

 

す。我が家にまでミラーが入った事を知ったジェリーがとった行動は、ミラーの玄関

 

に放火という所業 メラメラ あんた、山火事を鎮火させる仕事をしてたんだよねー!と、

 

ついツッコミを入れてしまいましたぞ ビックリマーク  滝汗

 

 

 

 

ストーリーだけを聞くとドロドロとした作品を連想しますが、内容に反して映像が美

 

しくジョーの心象を映すように淡々と紡がれています。 人が住むコミュニティとバ

 

ックに広がる大自然の山脈のコントラストが、作品により深味をもたせています。

 

ラストにジョーが撮る家族写真は、家族だった証を残す為なのか、家族だという証の

 

為なのか、真意は観客に委ねられますが、ポスターアートの写真を見ると、やはり切

 

なくなる私でありました。

 

 

 

 

男と女、そして家族という存在の業と意味を考えさせられるような作品で、誰の視点

 

で観るかによって印象が変化します。 特に女性の方がこれを観てどう感じるか?に興

 

味が湧く作品です。 機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。

 

では、また次回ですよ~! パー