ケベックの海辺の街で暮らすレオニーは、高校卒業を1カ月後に控えながら、どこかイライラした毎日を送っていた。 退屈な街を飛び出したいけど自分が何をしたいのかわからい。口うるさい母親も気に入らず、母親の再婚相手のことは大嫌い。 そんなレオニーが頼りにできるのは離れて暮らす実の父親だけだった。 そんなある日、レオニーは街のダイナーで年上のミュージシャン、スティーブと出会うのだった、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2018年制作の カナダ映画 カナダ です。 (96分)

 

高校の卒業を間近に控えた少女レオニー。 思春期特有の心の葛藤と揺らぎを、淡々と

 

描いた、青春オフビート映画でございます。

 

 

 

 

  カナダ・ケベックの海辺で暮らす17歳の少女レオニーは、高校卒業を1ヶ月後に

 

控えながら苛立ちを抑えられずにました。  映画が始まってフランス語を喋るもんです

 

からカナダ映画なのに?と驚きましたが、住んでいる地域によって英語圏とフランス

 

語圏に分かれているようで、こういった事を知るのも映画を観る醍醐味であります。  

 

 

 

 

レオニーは退屈な街を出たいと思いつつ、自分が何をしたいかが分からないでいまし

 

た。進学就職と、進路を決める日本の高校とはかなり違いがあって自由です。口うる

 

さい母親も気に入りませんが、それ以上に母親の再婚相手が嫌いで仕方ありません。

 

 

 

 

 

離れて暮らす実の父親だけが頼りでした。 ある日、街のダイナーで、年上のミュージ

 

シャン、スティーヴと出会ったレオニーは、どこか街になじまない雰囲気を纏う彼に

 

興味を持ち、彼からギターを習うことにします。 ギター 

 

 

 

 

ここで画面に登場したスティーヴのルックスは、服装もお顔もどこから見てもサブキ

 

ャラの面構え。 ホラー映画なら一番に殺されるタイプです。 ただギターはとってもお

 

上手で、ギターを弾き始めると急にイケメンに見えるというあるあるマジック。

 

 

 

 

卒業間近の夏が過ぎていくなか、口論が絶えない家庭、浮いている学校生活、黙々と

 

こなす野球場のアルバイト、暇つぶしで始めたギター。 つまらないことだらけの毎日

 

が、少しずつ変わり始めた​​​​​レオニーでしたが、信頼していた父親の過去を聞かされた

 

レオニ―は強いショックを受けるのでした、、。

 

 

 

 

高校卒業間近、でもやりたいものも見つからない。 それなのに親は勿論、周囲の大人

 

達は将来のことばかり聞いてくる。 将来はおろか、現在だって見えてないのに、、

 

そんな子供から大人へと移り変わる思春期の、ある 時期 瞬間 の無軌道な時間が淡々

 

と描かれます。 その多くに共感は出来ませんが、一瞬自分にも共鳴する部分があっ

 

たりして、つい過去の自分と重ね合わせてしまいます。

 

 

 

 

レオニ―にとってうるさい敵でしかなかった大人でしたが、スティーヴという違った

 

大人に出会った事で徐々に変化していく彼女の気持ち。 微妙に恋愛へと発展しがち

 

な物語ですが、そこへ舵を切らなかったのが、この作品たる所です。劇中無言で交わ

 

される恋愛になる?ならない?と問う、二人のアイコンタクトシーンが見事でした。

 

 

 

 

そしてとにかくレオニ―の住む町のロケーションが美しく、ついつい羨ましがってし

 

まいます。 カメラもなかなか凝っていますし、衣装もポップで映像だけでも楽しめ

 

ます。とっさに乗り込んだバスのレオニ―。 暗い球場のキャッチボールと、その陰

 

で静かに光るホタルは何を意味しているのでしょう、、。 キラキラ  

 

 

 

 

ストーリーだけで語るというよりも、その間合いや、画角と構図、画面に映っている

 

レオニーの動き等で物語る場面が多く、「行間と余白」 を読んで楽しむ作品でした。

 

思春期のある瞬間を切り取ったようなこの映画、ちょっとギターを始めてみようか

 

な?と思ったり、思わなかったり、、。 特に女子には感じる所が多くあると思いま

 

すので、機会があればご覧になってみて下さいませ、です。 目

 

では、また次回ですよ~!  パー