光華学園大学史学科で講師を務める滝連太郎は、湯殿山麓の弥勒寺に 「一切口外すべからず」という口伝書により、ひっそりと御堂の地下に隠されている幽海上人の即身仏があることを知り興味を持つ。 即身仏の発掘には資金が必要となるため、滝は恋人の父で湯殿村出身の剛造に援助を求めた。 だが剛造の家に脅迫状とミイラ化した手首が届いた事から殺人事件に巻き込まれてしまう、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1984年制作の 角川映画 日本 です。 (112分)

 

金田一耕助シリーズでお馴染みの角川書店による怪奇ミステリー物で、永島敏行演じ

 

る歴史学者が事件に巻き込まれるというお話。 

 

 

 

 

  金田一耕助の猟奇的オドロオドロしさや、浅見光彦のような頭脳明瞭な探偵もの

 

かと思いきや、一応の主人公 滝連太郎(名前も微妙) が、なんとも世俗的で情けない

 

男という所が、ある意味新鮮ではありましたが、決定的なオーラの無さの為、お話が

 

ほぼ入って来ませんでした。 

 

 

 

 

前々から思っていたのですが、永島敏行の演技って?感が、時折気になったりして、

 

まぁこの主人公には合っているとも言えますが、、。

 

 

 

 

即身仏(ミイラ状の仏様)にまつわるお話で、画面に登場する即身仏のクオリティは

 

見事な出来栄え。 が、当の殺人が怖くない、というか、怖がらせようとも思っていな

 

いのが残念でした。投球フォームからの~スポーン!には度肝を抜かれますぞ。ナイフ

 

 

 

 

で、ここで思い出しました。 これ以前に観た事ある!  同じ角川映画の 「晴れ、とき

 

どき殺人」 の同時上映だったのですね。 殺人トリックの場面だけ覚えていました。 

 

 

 

 

あらら多分当時の私には、メインのミステリーより、滝と慶子の不倫が暗過ぎて、他

 

の印象が薄くなってしまっていたのかも知れません。 まだ子供過ぎました。

 

 

 

 

ミステリー要素は少なく、映画を見ながら推理する面白味はほぼありませんが、角川

 

映画らしい珍作としては楽しめます。 特に後半の怒涛の独白展開。 事件解決してか

 

らの割と長めのエピローグ。 放火犯からの過失致死と、近親相姦、誰~だ目隠し

 

ドーン ビックリマーク このラストの方が殺人事件よりもどんよりして、なんとも暗い終焉にな

 

っておりました。 

 

 

 

 

期待するミステリー映画としては微妙ですが、意外とロケーション撮影が美しかった

 

り、他より圧倒的に力が入った屋敷の炎上シーンの迫力は見物です。 メラメラ

 

 

 

 

そして個人的に最も印象深かったのが、エキセントリックな役が多い 三谷昇が、なん

 

と刑事として登場! なかなか流暢なセリフ回しで場を仕切っている姿に萌え~。

 

 

 

 

主人公を含め、登場する人物のほとんどが人間の業と、負のスパイラルに巻き込まれ

 

て、奈落の底へと落ちて行く ヒューマンカルマ作品です。 もやもや

 

 

 

 

意外な珍品映画ですので、興味がありましたらご覧になってみて下さいませ、です。 

 

では、また次回ですよ~!  パー