若くして酒に溺れ、それが原因の自動車事故で車いす生活を余儀なくされたジョン・キャラハン。絶望で自暴自棄となり、ますます酒に溺れる日々を送る。しかし断酒のグループ・セラピーで自分を見つめ直すと同時に、その会を主催するドニーや後に恋人となるアヌーとの出会いがジョンの心を前向きにしていく。そして持ち前の辛辣なユーモアを発揮して風刺漫画を描き始め、ジョンは自らの人生を取り戻していく、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2018年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (113分)

 

交通事故で四肢麻痺になった風刺漫画家 ジョン・キャラハン の伝記を映画化したもの

 

で、私の好きな ガス・ヴァン・サントが監督し、主演に ホアキン・フェニックス。 

 

共演にルーニー・マーラ、ジャック・ブラック という豪華な面々が揃っております。

 

 

 

 

  本作は元々ロビン・ウィリアムズ自身が映画化を希望し、映画化権を取得。ガ

 

ス・ヴァン・サントで映画化が進んでいましたが、そのまま企画は流れていました。 

 

そして、2014年にロビン・ウィリアムズが亡くなった事で映画化の企画が再浮上し、

 

新たにサント監督が脚本を書き直し、やっと映画として完成するまでに至ったという

 

作品です。

 

 

 

 

主人公 ジョン・キャラハンを演じるホアキン・フェニックスは 「JOKER」 同様、本

 

作でも四肢麻痺で車椅子という難役を巧みに演じ、素晴らしい演技を見せてくれてい

 

ます。

 

 

 

 

幼い頃、母親に捨てられ、淋しさをお酒で紛らわす事を覚えたジョンは極度のアルコ

 

ール依存症で、仕事中でもお酒が無いといられない状態になっていました。 友人と深

 

酒をし リキュール 助手席に乗っていた時に交通事故が起き、そのまま四肢麻痺の身体となっ

 

てしまいます。 

 

 

 

 

リハビリの末に電動車椅子での生活になりますが、お酒は飲みつづけます身体の不自

 

由さゆえ、ヘルパーが居ないと何も出来ない自身の怒りを周囲にぶつけるジョンでし

 

たが、アラノ・クラブというアルコール依存症を克服するための集まりを知り参加す

 

る事を決めます。 そこでリーダーを務めるドニーや、他のアルコール依存者と交流す

 

る事で少しずつ彼は変化していきます。

 

 

 

 

大学で画の授業を受け、イラストを描くようになるジョン。  その絵は自身の身体を皮

 

肉ったものや、風刺とユーモアを表現したものでした。 そのイラストが学生新聞に載

 

り、話題となっていく事になります。

 

 

 

 

いわゆる伝記映画ですが、本作はジョンがアルコール依存症と闘った一時期に焦点が

 

絞られています。 ただ、時間軸はバラバラに構成されていてジョンの風貌の変化で読

 

み取らなければならない部分もあり、少し混乱します。 

 

 

 

 

依存症の克服がメインとなっている為、アラノ・クラブという禁酒会と、そこのリー

 

ダーであるドニーとの 孔子 が登場する不思議なやりとりに時間が多く費やされ、正直

 

あまり物語に感情移入出来ない部分が多くありました。 

 

 

 

 

他にもジョン以外の人物がかなり大ざっぱに描かれている所に戸惑います。 後に恋人

 

となるルーニー・マーラ演じるアヌーの登場場面。 病院関係者なのか、ボランティア

 

なのか?再会時のアテンダント変化。 飛行機  かなりの美人さんなのに、あえてジョ

 

ンという人物にどのタイミングで惹かれたのでしょう?かなり重要な気がするのです

 

が、、。

 

 

 

 

マイクという人物はヘルパーなのか、身内なのかも不明で、その二人のジョンに対す

 

る心情が一切描かれていない為、客観的にジョンという人物が他人からどのような存

 

在として映っているのかがかなり疑問でありました。

 

 

 

 

アルコール依存症の上、四肢麻痺というアクシデントに陥ってしまったジョンが、そ

 

れを受け入れ、他人を許す事で克服していく姿には、普通に感動させられるのですが

 

個人的にはお話に乗りきる事が出来ないまま終わってしまいました。

 

 

 

 

彼が描くイラストも、これだけ笑いが多様化し、笑いの先端をいく日本人が見てもあ

 

まり面白さを感じられないものでした。  お尻の中にスターバックス、、はてなマーク コーヒー

 

ガス・ヴァン・サントの作品の中ではストレートな映画で、皆に好まれるものだと思

 

いますし、ホアキン・フェニックスの演技を含め、感動出来る作品である事は間違い

 

ありません。

 

 

 

 

ただ私には感情を揺さぶられ、涙腺が緩むまでには至りませんでしたが好きな監督

 

で、好きな俳優の作品の為、普段より厳しい感想になってしまいました。ジョンの生

 

き方のように、常にユーモアを忘れずにいられたらと反省する今日この頃の私であり

 

ました。  常にフルスピードで疾走するジョンの姿が印象的な作品です。DASH!

 

機会があればご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー

 

 

 

 

 

 

 

ガス・ヴァン・サントの作品ダイジェストに坂本龍一の曲を乗せてみました 音譜