イスタンブールから1000km離れた黒海沿岸の小さな村。13歳のラーレは、美しい5人姉妹の末っ子。10年前に両親を事故で亡くし、以来、姉妹たちは祖母と叔父が暮らす家に身を寄せていた。ある日、姉妹たちは学校帰りに男子生徒と海で騎馬戦をして無邪気に遊ぶ。しかし帰宅後、近所の噂を耳にした祖母に、ふしだらと激しく叱責され、学校ばかりか外出そのものを禁じられ、家の中に軟禁されて、退屈な花嫁修業を強いられる。そして次々と見ず知らずの男たちとの見合いをさせられ、結婚話が進んでいく。そんな姉たちの姿を目の当たりにして、ラーレはある決意を固めるが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2015年制作の フランス フランス トルコ  ドイツ ドイツ の合作映画です。                                                                                                      (97分)

 

第88回アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされ、カ

 

ンヌ国際映画祭、セザール賞では様々な部門でノミネート、受賞した作品で、ベル 女

 

性監督 デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン のデビュー作になります。

 

 

 

 

演劇  舞台は イスタンブールから1000km離れたトルコの小さな村。 事故で両親を亡

 

くした5人姉妹が、祖母と叔父の家に引き取られていました。 学校生活を謳歌してい

 

た姉妹でしたが、学校帰りに男子生徒と海で騎馬戦をしている所を近所の住民に見ら

 

れ、祖母の耳に入ります。 

 

 

 

 

男の首に股をこすりつけた行為がふしだらだと、それ以来外出はおろか、電話や俗物

 

的なものは取り上げられ、自由を奪われた姉妹は籠の中の鳥のように、自宅に軟禁状

 

態になってしまいます。  セキセイインコ黄

 

 

 

 

家の中では近所の女性から家事を伝授される日々。 そればかりか、長女から次々と

 

祖母が勝手に決めた見合い相手と結婚をさせられる始末。 姉妹の末っ子のラーレ

 

は、そんな生活を打破しようと、ある計画をたてていたのでした、、。 鉛筆

 

 

 

 

観終わった感想としての第一声は、なんともみずみずしい作品でありました。5人姉

 

妹のうち三女を除く4人は演技が未経験というのも驚きで、それを美しい映像で捉え

 

た監督さんの手腕も見事です。 

 

 

 

 

トルコという国の全てがそうではないでしょうが、宗教感や田舎の古い因習、男尊女

 

卑、女性差別の理不尽さ。 女性の幸せは結婚をして、家事をするもの。 といった考え

 

がまだ根強く残っているのが現実のようです。 

 

 

 

 

好きでもない男と結婚させられた次女が初夜に、「何故?血が出ていない!」 と結婚

 

相手に驚ろかれ、呆れる事に寝室の外では血の付いたシーツを見る為に待機している

 

家族の姿に口があんぐりします。真っ白なシーツじゃ家族に見せられないとパ二くる

 

旦那を見る次女の画は地獄です。 真顔 

 

 

 

 

その足で病院に連れて行かれ、医者の検査を受けさせらる次女。 ちょっと?常軌を

 

逸しているとも思える、処女か否かで計られる女性としての価値って、、。( 数十年

 

前までは日本も似たようなものでしたが。) 恐ろしや処女性信仰です。   

 

 

 

 

サンサンと照りつける太陽の光。 それに対照するような姉妹の状況の表現が見事です

 

姉妹で部屋にいる時は今どきの服装をしているのに、客人が来た時等は茶色一色の

 

服に着替えさせられるという謎の世間体って、、、いったい はてなマーク

 

 

 

 

叔父の目を盗み外出しますが、見つかり、その都度窓に鉄格子が入り、壁も高くなり

 

ますが、その分、外の自由な世界への欲求が高くなっていく姉妹。  

 

5人が、それぞれ違った人生を歩む事で、選択肢の違いによって、その後の女性の生

 

き方の変化が見えて興味深かったりしました。 

 

 

 

 

映画は姉妹の末っ子のラーレの視点で描かれ、彼女と姉妹のコミュニティが大人達の

 

介入によって脅かされ、それを守ろうと抵抗する姿が、トルコ国内の女性の比喩にも

 

なっています。 

 

 

 

 

私達のように、生まれた時からある程度の自由を持っているのと、自分から勝ち取っ

 

ていくものとでは、価値観に大きな違いがあり、本当の自由とアイデンティティを手

 

にする為には、犠牲と捨て去る勇気が必要なのだという事を、この少女達に思い知ら

 

された私でありました。

 

 

 

 

作品自体は、重いテーマを扱っていますが、画面に映る姉妹が放つ、儚いながらも、

 

キラキラとした光によって、映画は微かながらも希望を見せてくれます。  キラキラ

 

その希望の一端を担っている人物の ヤシン。 

 

 

 

 

彼が出ているシーンだけほっこりと出来て癒されました。 良い人過ぎであります。

 

そして祖母が苦肉の策で起こす停電騒ぎがツボった私でありました。  みずがめ座

 

 

 

 

以前ご紹介した 「ヴァージン・スーサイズ」 の自由さから起こる出来事と、本作との

 

同じ時代での落差を比較してみるのも面白いかと思います。

 

とても美しく、個人的にはとても楽しめた作品でしたので、興味がありましたらご覧

 

になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー