原子物理学者マイケル・アームストロングは学術会議に出席するため、アシスタントで婚約者のサラ・シャーマンと共に船でコペンハーゲンに向かっていた。 しかしコペンハーゲンに着く前、マイケルはある文書を受け取り、急に「ストックホルムで研究活動を続ける」と言い出した。 コペンハーゲンに着いて早々、書店から受け取った本に隠された暗号に従い東ベルリン行の飛行機に乗るマイケルを不審に思ったサラは、彼のあとを追う、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは1966年制作の アメリカ映画 アメリカ です。 (128分)

 

アルフレッド・ヒッチコック監督の晩年の作品で、東西冷戦期の 「鉄のカーテン」 を

 

舞台にしたスパイものの、サスペンス映画です。

 

 

 

 

ナゾの人  ポール・ニューマン と ジュリー・アンドリュース という、当時、既に大スター

 

だった二人を主人公のカップルに起用した作品で、全く違うイメージの俳優の共演を

 

観る事が出来る貴重な作品でもあります。

 

 

 

 

映画はコペンハーゲンの学会へ出席する為、多くの学者が乗る船上から始まります。

 

暖房が故障し、寒がる多くの乗客をよそに、物理学者マイケルと、助手で婚約者のサ

 

ラは、ベッドの中でロマンティックな時間を過ごしているという ヒッチコックらしい

 

洒落たオープニングで幕を開けます。  キラキラ

 

 

 

 

そこへマイケル宛ての謎の電報が届いた事で、彼の行動が一気に謎めき始めます。

 

彼が研究していた 対核ミサイル防衛兵器 の研究を、亡命して 東ベルリンで行なうと

 

言いだすのでした。 「帰国しろ」 とサラに促すマイケルをよそに、不安ながらもつい

 

て行くサラ。 そこから疑心暗鬼の旅が始まるのでありますが、、。   飛行機

 

 

 

 

といった風に物語が展開して行きます。 前半はジュリー・アンドリュース演じるサ

 

ラの不安な視点で描かれ、マイケルの売国者としての行動をミステリー的な雰囲気で

 

描写されますが、東ベルリンに到着してからは、今度はマイケル側からの視点に変わ

 

り、サラはただの足手まといな存在になってしまいます。 後半ではマイケルの行動

 

の真意を知ったサラと二人で、境地からの脱出的なサスペンスフルな展開へと変化し

 

ます。  爆弾

 

 

 

普通のサスペンス映画としては楽しめる作品ですが、ヒッチコックという大きな看板

 

の前では、やや見劣りしてしまうのも確かです。 

 

主役の ポール・ニューマンの持つ俳優のイメージと、本作での役柄にやや演技の窮屈

 

さを感じてしまった私。 ケーリー・グラントのようなキャラクターの方が本作には合

 

っていたかも知れません。 

 

 

 

 

ヒロインである ジュリー・アンドリュースにも同じような感覚を覚えました。 ヒッ

 

チコック作品のヒロイン向きではなかったのか? 監督の好みではなかったのかも? 

 

とは言え、見所も多々あります。 

 

 

 

 

本作で唯一の殺人場面でありますマイケルと東ベルリンの監視役グロメクとの長めの

 

攻防。 最後は ガス室 を思わせる意外な殺し方。 ドクロ  DASH!

 

偽装バスを使っての逃亡や、劇場からの脱出。 ラストのマジシャン的展開 等々。

 

個人的には数式を引き出す為の、教授とのブラックボード上の攻防が斬新で、ドキド

 

キいたしました。  

 

 

 

 

後半に登場する亡命を望んでいるご婦人。 キャラは好みでしたが、あの状況でお話聞

 

くのかな?とか、唐突すぎる登場だったような、。でも物悲しい場面でもありました

 

そしてもう一人の重要なキャラを忘れられません。 ロシアのバレリーナのご婦人でご

 

ざいます。 コメディリリーフも兼任されているこのお方。 ドヤ顔でのタラップの場面

 

では、ついそのお顔のパワーに 「サンセット大通り」 を思い出してしまうインパクト

 

 

 

 

ラストでは仕返しのつもりが、、もやもや 最後の最期まで報われないお方でありました 

 

そして本作でも健在なスクリーン前での演技は、これは映画だという監督の強い意思

 

表示とこだわりを感じます。 そしてヒロイン女優さんのワンショットはソフトフォ

 

ーカスと、ここもぶれないヒッチコックでありました。

 

 

 

 

監督の他作品と比べると、、という意見も御座いますが、様々な見所とチャレンジ精

 

神を感じる作品ですので、機会があればご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー