美しい妻と2人の子どもと郊外の豪邸で満ち足りた生活を送る心臓外科医のスティーブン。彼には家族に内緒で定期的に会って、その成長を優しく見守る少年が一人いたそれはかつて彼が担当した手術で死なせてしまった患者の息子マーティン。 ある日、そんな彼をスティーブンは家に招いて家族に紹介する。 ところがこれを境に、スティーブンの子どもたちに説明不能な異変が起き始めるのだったが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の イギリス イギリス アイルランド  の合作映画です(121分)

 

「ロブスター」 「女王陛下のお気に入り」 の ヨルゴス・ランティモス 監督の作品

 

で、本作でも独特なセンスが光っております。   キラキラ

 

 

 

 

ナゾの人  ジャンル的には サイコホラー と紹介されていて、ヨルゴス監督の!?と、不安

 

半分で レンタルしてみましたが、やはり一筋縄ではいかないお話でありました、、。

 

大まかなお話は 上矢印 の通りですが、本作がややこしいのは ギリシア悲劇 「アウリス

 

のイピゲネイア」 を基にしているとの事。 はてさて、サッパリ分かりませぬ。 

 

 

 

 

お話をざっと読むと、「女神アルテミスの鹿を殺した代償として、アガメムノンが娘

 

のイピゲネイアを犠牲にしなければならなくなる」 といった内容で、父親の心臓外科

 

師であるスティーブンが犯した罪の償いをさせるべく、現われた青年マーティンによ

 

って、スティーブンの家族 3人の 誰かの命を犠牲として求められ、選択させられると

 

いうものです。 

 

 

 

 

マーティンが言うには、まず 足が動かなくなり、食事が取れなくなり、目から血が流

 

れ、最後に死ぬ、というもの。 これが二人の子供に現われ始める事になりますが、無

 

力な父のスティーブンなのでありました。  もやもや

 

 

 

 

「罪と罰」 と言いましょうか、「因果応報」 とでも言いましょうか、一つの家族に降

 

りかかった試練に対して、家族それぞれの反応と欲望が、多面的に描かれています。

 

 

 

 

心臓手術の どアップから始まる本作は、ドキドキ ある人物の心臓が停止する事で、一応の

 

終息を迎える事になりますが、この作品のテーマともいえる「命」の比喩でもあり、

 

そのものでもあります。 それと同時に、窮地に立った時の人間のエゴの怖さも描か

 

れています。

 

 

 

 

いよいよとなった時、息子は自ら髪を切り、本当は父親と同じ仕事に就くのが夢だと

 

告白し、娘は、誰よりも家族を愛しているから、自分が犠牲になってもいいと告げ、

 

妻は、子供を犠牲にして、また産めば良い、と のたまう始末。 真意か 嘘なのか、怖

 

いですね~。  ドクロ

 

 

 

 

今回も独特な撮影が美しい作品です。 病院や、室内の場面、移動撮影を見ていると、

 

時にキューブリック からの影響を嫌でも感じてしまうのは致し方ありませんが、それ

 

を凌駕するようなヨルゴス監督 独特の 映像美 と音楽 も相まって、不思議な世界観を

 

生みだしております。  

 

 

 

 

監督の描きたかった事をどこまで理解出来ているのか はてなマーク 不安でありますが、、

 

( ほぼ出来てない感 ) 独特で、変わらぬ不穏な空気漂う 他にない映画です。作品の

 

カラーを決めた、マーティンを演じる バリー・コーガン の奇妙な存在感が残ります。

 

 

 

 

ある一定のエンディングを迎える本作ですが、「アウリスのイピゲネイア」 には続き

 

があり、この後、妻による夫殺し、子供による母親殺しと悲劇が続いて行きます。 そ

 

れをなぞらえているとすれば、本作のエンディングはある種 始まりかも知れないとい

 

う後味の悪さ、、 滝汗

 

 

 

脇毛、生理、自慰、射精 といった性的な言葉や映像が、気まずい空気に拍車をかけて

 

くる作品になっていますので興味が湧きましたらご覧になってみて下さいませ、です

 

では、また次回ですよ~!  バイバイ