ハンガリーの首都ブタペストを舞台に、雑種犬だけに重税を課す悪法によって飼い主の少女と引き離された犬ハーゲンと、人間に虐げられ保護施設に入れられた犬たちが起こす反乱を描いた異色ドラマ。

 

 

 

 

 

 

とある国のとある街。 トランペットを習う13歳の少女リリは、両親が離婚し、母親のもとで暮らしていた。 孤独な彼女にとって愛犬のハーゲンだけが心の支えだった。 そんなある日、母親が仕事で長期間留守にするため、リリは父親ダニエルに預けられることに。 しかしリリがハーゲンを連れて行くと、ダニエルはあからさまに不快感を示す。 この国では、雑種犬の飼い主に重税を課す法律が出来たところだった。 

 

 

 

 

やがてハーゲンはダニエルによって遠く離れた場所に捨てられてしまう。以来、ハーゲンの行方を必死になって捜し続けるリリ。 その頃、自力でリリのもとに帰ろうとしていたハーゲンには、次々と困難が立ちはだかる。 生き抜くために野生の本能に目覚め、次第に獰猛さを増していくハーゲンだったが、、。

 

 

 

 

こちらは2014年制作の ハンガリー  ドイツ ドイツ スウェーデン  による合作

 

映画です。(119分)

 

第67回カンヌ国際映画祭の ある視点 部門と、パルムドック 賞を受賞している本作

 

予告をたまたま見て、面白そう!と予備知識無しでレンタルしてみました。  

 

 

 

 

とにかく予告のインパクトが強烈で、犬が大量に走って来るヴィジュアルだけでも観

 

る価値ありです。 犬好き、動物好きには それだけでも十分なのですが、犬 雑種

 

を飼うのに税を課す法律というのが、事実なのか?物語の設置なのか?ちょっと戸惑

 

う所がありました。

 

 

 

 

本作での大人は、皆かなり 自己中心的 威圧的 に描かれていて、イライラします。

 

その大人の勝手で、少女リリと愛犬のハーゲンは、父親に強制的に引き離されてしま

 

います。 まだ幼いリリは、養ってもらっているという意識もあり、強く抵抗できない

 

という力関係の上での、あまりの理不尽さと残酷さにこれまたイライラ。 もやもや  

 

 

 

 

ここから リリと ハーゲンの二つの視点でお話が進んで行く事になりますが、ウェイト

 

の大きいのはハーゲンのパートでこれでもか! という程人間の大人達からの仕打ち

 

を受けます。 ここでの犬への迫害場面の数々は、白人が行ったアパルトヘイトや、

 

ナチスのユダヤ人に行った行動にリンクします。

 

 

 

 

捕まり 売られ 最終的に闘犬へと訓練されるハーゲン。 ここまでの描写は、観る人に

 

よっては、ホラー映画以上にエグく、残酷な場面がつづきます。  滝汗

 

 

 

 

なんとか逃げ出したハーゲンでしたが、最終的に保健所に捕らえられ、」殺処分場へ

 

と入れられますが、闘犬として訓練されたハーゲンは、施設の人間を襲って多くの犬

 

と外の世界へと飛び出します。 

 

 

 

 

ここからの場面では、250匹の生身の犬による群衆場面が圧巻なのですが、かなり

 

常軌を逸した展開となり、私は正直 ちょっと引いてしまいました。

 

 

 

 

あまりに擬人化したハーゲンの行動と人間達の反応に、「あれ、こういう映画?」 と

 

内心ザワザワ。個人的に描いていた物語と、かなり違った展開にある意味 ビックリし

 

た作品の仕上がりでした。 

 

 

 

 

リリと交互に描かれる物語で、思春期のリリが自分のアイデンティティを見つけて行

 

く過程と、ハーゲンの外部の抑圧からの解放という二つのテーマが同時に語られてい

 

ますが、いま一つ上手く噛み合わされていないように感じてしまい、作品のテーマと

 

いう 「信頼」がストーリーとして微妙な着地になった気がいたしました、。 

 

 

 

 

ただ、そんな感想をもぶっ飛ばしてしまう犬達の演技とビジュアルは類を見ない映画

 

である事は間違いありません。 かなりブルーな場面が登場しますが、同時に驚く程

 

のわんこの演技も堪能出来ますので、機会があればご覧になってみて下さいませです

 

ハーゲンを救う ジャックラッセルテリア?の 健気 な事といったら、。たまりません

 

では、また次回ですよ~!  バイバイ

 

 

 

 

 

 

 

後半の展開を見ていたら、昔のこの映画を思い出した私でした。   チワワ黒     トイプードル     パグ