ある日、中学受験を控えた子どもを持つ3家族が塾の講師を招き、湖畔の別荘で一緒に勉強合宿を開くことに。家族とは別居中の並木俊介も、中学受験には疑問を持ちつつも、妻・美菜子と娘のためとこの合宿に参加した。そして講師・津久見の指導のもと、子どもの勉強や面接の訓練などに打ち込む3家族。そんな時、俊介の仕事仲間で愛人でもある英里子が突然別荘にやって来る。困惑する俊介。やがてその夜、俊介は別荘のリビングで英里子の死体を発見するが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2004年制作の 日本映画 日本 です。 (118分)

 

東野圭吾の小説 「レイクサイド」 を原作にした本作でありますが、わたくしこの方の

 

小説はおろか、原作映画やドラマ等を一切見た事がございませんで、ファンの方には

 

申し訳ありませんが、この映画化作品で 東野圭吾初体験となりました。 良いのか悪

 

いのか、、。  本

 

 

 

 

ナゾの人  まず、最初のかなり トリッキーな設定に違和感を隠せなかった私。 名門中学受

 

験を控えた子供とその親3組が湖畔の別荘に講師を招き、面接や勉強の合宿を行うと

 

いうもの。 そこに 並木俊介が遅れて到着します。 彼は現在 別居中で、娘の為に嫌々

 

ながらも参加しにやって来たのでありました。 久しぶりの妻との気まずい会話。 

 

 

 

 

そこへ仕事仲間で愛人のカメラマンの女性 英里子が仕事と かこつけて訪ねて来ます。 

 

夕食を終え帰り際に 「近くのホテルに泊まってるから」 と耳打ちして帰る 英里子。  

 

俊介は仕事を口実に外出し、英里子の待つホテルへ、、。  しかし、彼女と連絡が取れ

 

ず別荘へと戻る俊介。 別荘へ戻るとリビングに妻を含む親達が集合し、嫌~な空気

 

フロアには不自然な形をした毛布が横たわっています。 「これは?」 と訊ねると

 

「ご自分でお確かめを」 という答えが、、。 

 

 

 

 

毛布をめくるとそこには 英里子が頭から血を流し、死んでいます。 ドクロ それだけで

 

はなく、妻の美菜子が 「 私が殺したの 」 という驚きの告白 ビックリマーク いったい何故? そ

 

こには意外な真実が隠されているのでありました、。 といった風に始まる ミステリ

 

ー です。

 

 

 

 

本作には 役所広司、薬師丸ひろ子、柄本明、鶴見 辰吾、杉田かおる、豊川悦司 とい

 

った豪華な面々が顔を揃えております。 メインの夫婦は 役所と薬師丸 という組み合

 

わせですが、私的にこの二人が映画の中で夫婦に全く見えず、最後までその違和感で

 

映画の世界に入り込めなかったのが残念でした。 演技どうこうの問題ではありません

 

が、、ね。  ハートブレイク

 

 

 

 

前半での俊介の不倫や、妻との会話はちょと退屈ではありますが、流石の役所広司の

 

演技でなんとか乗り切れた私。   英里子が死んで警察に、という展開になる所を、子

 

供の受験の為と、殺人自体を無かった事にしようと結束する他の家族の怖さ。 

 

 

 

 

そうと決まればと、やたらと落ち着いて処理計画を指示する 柄本明 の演技も凄みが

 

あり、指紋をライターで消したり、顔をつぶしたりという隠ぺい描写のあまりの細か

 

さが妙に楽しめたりします。チーン  そして最後は湖に投げ入れられる 英里子の遺体。 

 

 

 

 

そしてこの 結束 の裏には、ある共通の目的がある事が後に分かることになるのです

 

が、親にとって 絶対的 に守るべき 子供 という存在の危うさと怖さ。 人の道徳を越え

 

てしまう愛情の狂気。 親の存在意義とは、、はてなマーク  

 

 

 

 

そんな親をもつ子供の心理とは、お受験、名門校、子供の為 といった心理を上手く逆

 

手に取り、良い意味で後味の悪い作品に仕上がっております。  あくまで映画での感

 

想になってしまいますが、個々での演技は素敵ではあるのですが、集団での映像にな

 

ると途端に演技的、演出的な感じが強くなって、舞台劇を鑑賞しているようにみえて

 

しまうのが残念でした。 特にラストの森の場面は、、。

 

 

 

 

そしていかにも怪しい雰囲気プンプンの豊川悦司。 声のトーンも高い為、アンサンブ

 

ルになるとかなり浮きます。 特に相手が役所広司だと余計に目立つのでありました  

映画とは関係ない所で、鶴見辰吾 と 杉田かおる が夫婦というと、嫌でも 「金八先

 

生」 を思い出して、勝手にあの後がこれ、と想像してしまう 世代あるある です。 

 

(「翔んだカップル」 では薬師丸ひろ子がお相手でしたな。)

 

 

 

 

劇中に様々な伏線がありますが、俊介の目が光に弱かったり、妻の美菜子が未来を

 

フラッシュバックするという設定等、何故?が 映画の中では回収されずに謎として残

 

ったままとなっているものが多くあるのが不思議であります。 あと少々、衣装のセ

 

ンスが気になる所もありました。 ドレス

 

 

 

 

映画のラスト、亡くなった英里子のイメージ映像が登場します。 天国から地獄のよ

 

うな展開の映像表現でしたが、はたしてあれは必要だったんでしょうかね? チープ

 

に感じて逆効果のサービスに思えました、、。 叫び   

 

 

 

 

といった訳で、疑問文が多くなってしまいましたが、映画自体も疑問を投げかける内

 

容ですし、日本人の 「性と業」 の嫌な部分を突いたサスペンス作品で、ストーリーは

 

楽しめます。 海外映画には無い心理が働く 正に日本映画となっておりますので、機会

 

があればご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  バイバイ