1984年の東ベルリン。国家保安省の局員ヴィースラー大尉は国家に忠誠を誓っていた。ある日彼は、反体制の疑いのある劇作家ドライマンとその同棲相手の舞台女優クリスタを監視するよう命じられる。さっそくドライマンのアパートには盗聴器が仕掛けられ、ヴィースラーは徹底した監視を開始する。しかし、聴こえてくる彼らの世界にヴィースラーは次第に共鳴していく。そして、ドライマンが弾いたピアノソナタを耳にした時、ヴィースラーの心は激しく揺さぶられる、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2006年制作の ドイツ映画  ドイツ  です (137分)

 

第79回アカデミー賞で 外国語映画賞 他、多数の賞を受賞している作品です。 ベル

 

8mm  東西にドイツが分断されていた時代 ベルリンの壁が崩壊する以前のお話。 

 

1984年東ドイツの国家保安省の局員ヴィースラー大尉は、体制に忠実で厳格な人

 

物。ある日、反体制の疑いのある劇作家 ドライマンを盗聴して監視するように命じら

 

れます。

 

 

 

 

ドライマンは女優の クリスタと同棲していました。 二人の不在中に盗聴器を仕掛

 

け、彼等のアパートの屋根裏で、24時間の盗聴作業を行う事に。 長時間にわたり

 

自由な彼らの考えを聞いているうちに、ヴィースラーの心に変化が生じて来ます。 

 

 

 

 

ドライマンと仲間が西ドイツの雑誌に東ドイツの現状を告発するのを見逃し、さらに

 

はクリスタの密告により窮地に陥ったドライマンを証拠隠滅して救うという反体制的

 

な行動にまで出た事により左遷され、長い下働きに降格させられてしまいます。 

 

 

 

 

そんな生活が続いたヴィースラーに、東西ドイツ統一のニュースが聞こえて来るので

 

した、、。   東ドイツで行なわれていた政府による統制の恐ろしさ。 それに

 

反撥する自由思想の作家。 その彼等の思想と生き方に、人間として影響され目覚めて

 

いくヴィースラー。 

 

 

 

 

それと同時に政府側の根幹だったものが、統一という出来事によって一気に価値観が

 

ひっくり返ってしまう弱さと愚かしさが静かに描かれて行きます。 まるで昔の管理

 

社会を皮肉ったSF映画のようでもありますが、実際に こんな時代もあった事にも驚

 

いてしまいます  滝汗

 

 

 

 

日本オリジナルのタイトルであります 「善き人のためのソナタ」 は劇中でドライマン

 

が弾くピアノ曲のタイトルですが、   映画を観終わると、様々に解釈が出来、よ

 

り余韻が残る秀逸なタイトルです。 

 

 

 

 

後半、悲劇からの怒涛の ヒューマニズムの応戦。 統一後に、軍部の制服やスーツ姿

 

だったヴィースラーが 一般人の服装になり、ブルーカラーの仕事を黙々とこなしてい

 

る情景に哀愁が漂い。 その道すがらに見つける 「ある物」  時代に翻弄された 

 

「善き人」 の悲しみと、微かな希望と正義と自信に心が揺さぶられるのでありました

 

 

 

 

政府の上官の顔つきから行動まで、見事に腹が立つのが、ある種お見事で ニヒヒ それ

 

に無表情で従いながら、黙々と事を進めるヴィースラー。 これを演じる ウルリッ

 

ヒ・ミューエという俳優さん。 どこかで見たな~と思っておりましたら、こちらで

 

もご紹介した「ファニー・ゲーム」 や 「べニーズ・ビデオ」 に出演されておりまし

 

た ビックリマーク ハネケに2本も、、、ドクロ

 

 

 

 

ただ、この映画の1年後に 癌 で亡くなっておられました。 残念です。 ホーリークロス

 

それに気付かない私って、、、自分でも驚く覚えの悪さに、自己嫌悪を感じました。

 

そんな訳で、ナチスの名残を感じる東ドイツで抑圧に耐えながらも、自由を貫いた男

 

と、自由に目覚め、夢見た男の 間接的な協和を描いた作品です。 そしてその陰には

 

多大な悲しい 「犠牲」 をはらんでいるのでありました、、。

 

 

 

 

ちょっと コッポラ の 「カンバセーション 盗聴」 が頭をよぎった私でありましたが、

 

ラストでのヴィースラーの表情を見る為だけでも、ご覧になるには十分だと思います

 

ので、この機会にでもご覧になってみて下さいませ、です。  目

 

では、また次回ですよ~!  パー