フランスのスキーリゾートにやってきたスウェーデン人家族の状況が、ある事件をきっかけに一変する様をブラックユーモアを交えて描いたドラマ
フレンチアルプスの高級リゾートにスキー・バカンスにやって来たスウェーデンの一家４人。いつも仕事で忙しい父親のトマスは、ここぞとばかりに家族サービスに精を出す。ところが２日目、テラスレストランで昼食をとっていた一家を不測の事態が襲う。スキー場が起こした人工雪崩が、予想を超えた規模に成長しながらテラスへ向かってきたのだ。
幸い大事には至らなかったが、その時トマスは、妻と２人の子どもを置き去りにして、自分だけで逃げ出してしまったのだ。何事もなかったかのように、その場を取り繕うトマスだったが、妻のエバはおろか子どもたちの目もごまかすことはできなかった。以来、家族の中には不穏な空気が漂い修羅場の様相を見せ始め次第に追い詰められていくトマスだったが、、。
こちらは２０１４年制作の スウェーデン 
デンマーク 
フランス 
ノルウェー 
による合作映画です。（１１８分）
以前ご紹介した カンヌ映画祭の受賞作 「スクエア」 の監督 リューベン・オストルン
ド による本作。 個人的には 「スクエア」 よりも、こちらの方が身近に感じて楽し
めました。
お話は非常にシンプルで、５日間の休暇を家族４人で過ごそうと、フレンチアル
プスへスキーに訪れます。 
１日目は快適なホテルとスキーで楽しく過ごします
２日目、家族そろってホテルの テラスレストランで食事を楽しんでいた時、人為的に
雪崩を発生させた風景を楽しんでいたものの、思った以上に大きなものとなりレスト
ランに近づいて来ます。 「これはヤバイ！」 
と感じた瞬間、ホワイトアウト
状態に、、、
しかし、雪崩にレストランが覆われた瞬間、父親である トマスは家族を置いて逃げて
いたのでありました。 
ホワイトアウトが収まり、皆 席に戻りますが、家族の
中に気まずい空気が吹きすさんでおりました。 部屋に戻っても子供は何故か不機嫌
に、、妻のエバも口には出しませんが、よそよそしい雰囲気に。 翌日からは、トマ
スにとって地獄の時間でした、、。 スキー場で知り合ったカップルを部屋での食事
に誘いましたが唐突にエバが昨日の出来事を二人を目の前にして詰め寄り始めます。
（ 恐ろしい女心）
知り合ったばかりの夫婦の間に入って気まずい二人。 自分の部屋へ戻っても、夫婦
の問題を持ち帰るカップル（ 寝つきの悪い事 ）どんどんと夫へ不信感が膨らエバ。
とっさの自分の行動を自分でも認めたくないトマス。そんな空気を察して子供達は 父
親に 「ママと別れないで！」 と告げるまでに至ってしまい、自己嫌悪に陥るトマス
さて、この家族は元の家族に戻る事が出来るのでありましょうか 
といった内容
でございます。
本作は一応コメディ映画となっていますが、かな～り シニカル 路線のコメディです。
一瞬の判断と行動で、それまでの信頼が一気に崩れ去るさまが絶妙のいやらしさで、
北欧的なのか、監督さんの趣味なのか、居心地の気まずさと意地の悪さを十分に味わ
えます。
確かにとっさとはいえ、トマスがとった行動は許しがたいものですが、それを延々と
詰めて来るエバの態度にも 引く 私でありました。 子供達の演技も素敵で、可愛らし
かったです。固定カメラでの独特な映像の美しさ。リフトの機械的な単調な音。そし
て ヴィヴァルディ、ラストのバスのシーンは 
観る人にとって、様々に解釈が出
来るような巧みなエンディングでありました。
あちらでは 電動歯ブラシが主流なんでしょうかね？ 家族４人で鏡に向かって歯磨きす
る場面が印象的でございました。 
そんな訳で、父親、夫 がその威厳を失い、正に 家族の中で 雪崩のような状態に陥っ
てしまう といった作品です。 でも リフトは動いているのでありました、、。 
もし興味がありましたらこの機会にでもご覧になってみて下さいませです 
では、また次回ですよ～ 
映画で効果的に使われている ヴィヴァルディ の 「夏」 よろしければです 